【そごう美術館】篠田桃紅展 とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち

2021年3月30日 火曜日 3:48 PM

■会期: 2021年4月3日(土)~5月9日(日)[会期中無休]  ■会場:そごう横浜店6階=そごう美術館 ■開館時間:午前10時~午後8時(入館は閉館の30分前まで) ※そごう横浜店の営業時間に準じ、変更になる場合がございます。 【事前予約不要】(ただし入館者が一定数を超えた場合には、入場制限を行います)


【追悼】2021年3月1日、本展の開催を大変楽しみにしておられました篠田桃紅先生が、107歳で旅立たれました。謹んで哀悼の意を表します。
幼少より墨に親しみ、独自の表現世界を追求、文字から抽象へとその表現を推し進め、墨の新しい可能性を発見する営みを休むことなく続け、その孤高の仕事は最後まで衰えることはありませんでした。墨と寄り添い生きた篠田桃紅の表現の変遷をぜひご覧ください。



【展覧会概要】

文字のかたちにとらわれない水墨抽象画という独自のスタイルを確立し、常に新しい表現に挑戦を続けてきた篠田桃紅(1913-2021)。近年は多くの著書がベストセラーになるなど幅広い活躍でも注目を集めました。本展は、初期から海外進出を経て、一瞬の「心のかたち」を追求した近年までの変遷を約80点の代表作と資料を通してご紹介いたします。

■入館料:一般1,200(1,000)円、大学・高校生1,000(800)円、中学生以下無料 ※消費税含む。
*( )内は、前売および以下のカードをご提示の方の料金。
[ミレニアム/クラブ・オンカード、セブンカード・プラス、セブンカード]
*障がい者手帳各種をお持ちの方、およびご同伴者1名さまは無料。
*前売券は、2021年4月2日(金)まで、そごう美術館およびセブンチケット、ローソンチケット、イープラス、
チケットぴあにてお取り扱いしております。
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*プロロ-グ 2017年の近作


*第1章 文字を超えて(渡米以前) -1955
初期から書や文字の表現に限界を感じ始めた頃の作品
1913年、満洲で生まれたことから満洲子(ますこ)と名付けられた篠田桃紅。2歳で日本に戻り、5歳から父の手ほどきで書を学び、漢詩や和歌などの古典や教養を身に付けた。19歳頃、与謝野晶子の弟子である中原綾子から短歌の指導を受け、22歳で書を教え始め独立した。既存の書の枠を超えた作品の数々を発表した27歳の初個展では、「根無し草」と評されるも、独自の書として認められたと捉えた桃紅は、独自の創造の世界、そして自らの進むべき道を見出していく。

*第2章 渡米─新しいかたち 1956-60年代
渡米から帰国後、墨を使った独自の表現スタイルを確立
日本の文字、書の枠を超えた桃紅。作品を見る時、日本人は文字の形と意味を探してしまうが、文字の意味から入らない海外ではどう評価されるのか、墨の美しさそのものを見てほしいという想いもあり、自信と確信を得るために、単身渡米した。抽象表現主義に沸き立つ時代、同じ思いを持ったアーティストたちが集うニューヨーク。桃紅が探求していた表現は、時間的なものを線一本で描くことであった。ニューヨークを拠点に欧米各地で発表を続け、「絵画」作品として高い評価を受けることとなる。

*第3章 昇華する抽象 1970-80年代
情感的な抽象から、よりシンプルに昇華された抽象へ
充実したアメリカでの活動が2年で終わったのはなぜか。それは気候によるものだった。アメリカの乾いた気候では、紙の上で墨は滲まずにかすれてしまうのである。日本の湿潤な環境でのみ墨は生きると悟った桃紅は、再び日本で制作を始める。左右分割、明暗対照、朱の赤の効果などが現れる70年代、縦に走る力強い連続線など洗練された80年代と、抽象の形を昇華させ、墨の持つ特性を生かした独自のスタイルを確立していく。

*第4章 永劫と響き合う一瞬のかたち 1990年代以降
独創性を確立しながらも常に新たな造形を模索し続けた桃紅。
金や銀が多用され、金泥や銀泥、朱などが加わるようになると、画面はやわらかくなり、また墨の画面に光が入ることによって、さらに奥行が生まれるようになっていった。余分なものがすべて削ぎ落とされ、凝縮された一筋の線が確かな存在感を示している。桃紅の追求は最後まで続いた。

*リトグラフ

*題字・建築の仕事の紹介


ニューヨークにて 1956年(撮影:HAMS NAMUTH)
アトリエにて 2010年
《君に》 公益財団法人岐阜現代美術財団蔵


《時間》1958年 鍋屋バイテック会社蔵


《月読み》1978年 公益財団法人岐阜現代美術財団蔵
《熱望》2001年 公益財団法人岐阜現代美術財団蔵


《行人》1965年 公益財団法人岐阜現代美術財団蔵
《星霜》1954年 公益財団法人岐阜現代美術財団蔵


                       一瞬にして去る風の影、

帰国直後 1958年
散る花、木の葉、人の生、
この世の「とどめ得ないもの」への、
私流の惜しみかた、それが私の作です

Fleeting forms, gone in a moment
Flowers, leaves of trees, human lives -scattered
My works reflect the way
I hold dear the transient things of this world




鑑賞ガイド

(1)自由に鑑賞を_作品キャプションのない会場(作品No.のみ掲示)
本展会場の壁には、「鑑賞者の想像を狭める」という桃紅先生のお考えにより、作品キャプション(作品名・制作年などの情報)を設置しておりません。桃紅作品には、墨で書かれた文字も多数ありますが、その文字が読める人は無意識に「何と書いてあるか」を読んでしまいます。そして、その情報による先入観が生じてしまいます。「何が書いてあるか」よりも「描かれた線の美しさ」をご覧いただき、皆さまおひとりおひとりの眼と心で作品を自由に想像し、ご鑑賞ください。
※理解を深めるための補助資料として、作品No.と照合できる作品リスト・解説プリントを会場に用意しております。
(2)鑑賞を楽しむ5つの視点
1.文字の意味にとらわれない
私たちは文字があるとつい、それを読もうとしてしまいます。でも、桃紅先生は、文字の意味ではなく、墨と水によって偶然生み出される美しい線や形に注目してほしいと述べています。ゆるやかな曲線、スッとのびる潔い線。筆運びのスピード感や筆の種類を想像してみましょう。
2.冴えわたる墨の「線」
墨は、どんなに重ねても最初の線が一番手前にあらわれ、最後に描いた線はむしろ一番奥へと沈みます。作品をみると、薄墨と濃い墨が重なった描写も多くあります。どんな順番で描かれたのでしょう。
3.墨の「色」の奥深さ
墨の色は濃淡だけではなく、色彩も微妙にちがいます。青みがかかっているもの、赤みがかかっているもの、ひとつとして同じものはありません。そしてどんなに重ねても「真っ黒」にはならない墨。墨の色の奥深さも作品の味わいのひとつです。
4.偶然が織りなす世界
水は形のない物質。でも墨と出会うことで形をなし、その表現は無限です。桃紅先生はこの自由な素材を用い、さらにコントロールしづらいフニャフニャの筆をあえて使って、「自分の意図を離れ、この世にない面白い線」を描こうとしています。
5.作風の変化
桃紅先生の作風は、人生とともに変化します。書道という枠の中で発展した初期の作品。文字を離れ、墨の色や線を追求した時代。余分なものをそぎ落として、一瞬の心のかたちを追求した近年。その変化をたどってみましょう。


篠田桃紅 (しのだ・とうこう)

美術家。
1913年中国・大連生まれ。
5歳のころから父に書の手ほどきを受けて墨と筆に触れ、以後独学で書を極める。
戦後、文字を解体し、墨で抽象を描き始める。
1956年単身渡米、ニューヨークを拠点に、ボストン、シカゴ、パリなどで個展を開催し、欧米のアートシーンを牽引。1966年ビートルズ来日の際、宿泊ホテルに飾られていた桃紅作品に感銘を受け、描いた筆と同じものを購入したという。
2005年「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれる。
建築に関わる仕事や増上寺大本堂の襖絵などの大作、装丁、題字、ベストセラーとなった著書など活動は多岐にわたり、作品は国内外に多数収蔵されている。


ご入館にあたって ※館内では係員の指示に従っていただきますようお願いいたします。

〇マスク着用、入口での手指消毒・検温をお願いいたします。
〇周囲の方と距離を空け、会話はお控えください。
〇展示品および展示ケース、壁にはお手を触れないようお願いいたします。
〇携帯電話・アラームなど音の出る機器類のスイッチをお切りください。
〇館内において以下の行為はご遠慮ください。
禁止場所での撮影/模写/鉛筆・ペグシル以外の筆記用具の使用/
飲食(ガム・アメなどを含む)/喫煙/傘・動植物の持ち込み
そのほか、周囲の方のご迷惑になる行為
〇作品保護のため、館内の照明および温度は低めに設定しております。
〇入館者が一定数を超えた場合には、入場制限を行います。
入場制限時、会場付近にはお待ちいただく場所はございません。

新型コロナウイルス感染予防に関する対応につきまして、ご理解・ご協力を賜わりますようお願い申しあげます。
○ご入館前に、そごう美術館ホームページ・会場入口掲示の「ご入館の際のお願い」をご確認ください。
○展覧会・イベントの中止や延期、一部内容が変更になる場合がございます。
※最新情報は、そごう横浜店・そごう美術館ホームページをご確認ください。

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