エスパス ルイ・ヴィトン大阪「Fragments of a landscape(ある風景の断片)」展に、ジョアン・ミッチェルの作品2点が追加

2021年6月28日 月曜日 2:48 PM



エスパス ルイ・ヴィトン大阪は2021年2月のオープンを記念して、アメリカを代表する2人のアーティスト──1950年代に画家としての活動をスタートさせ、第二次大戦後の抽象表現主義の旗手となったジョアン・ミッチェルと、1970年代初めにミニマル・アート運動を牽引した彫刻家カール・アンドレの作品を紹介する「Fragments of a landscape(ある風景の断片)」展を開催しております。本展は、これまで未公開のフォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵作品を世界各地のエスパス ルイ・ヴィトンでご紹介する「Hors-les-murs (壁を越えて)」プログラムの一環であり、東京、ヴェネツィア、ミュンヘン、北京、ソウル、そして今回新たに大阪が加わり、国際的なプロジェクトを通じて、より多くの人々に所蔵作品に触れる機会を提供することを目指しています。

ジョアン・ミッチェル(1925-1992年)は、シカゴ美術館附属美術大学で学び、1948年に渡仏、1949年までパリに滞在しました。
拠点とするニューヨークに戻ると、コンラッド・マルカ=レーリ、ウィレム・デ・クーニング、フランツ・クラインが設立した芸術家の集いの場「ザ・クラブ」(「8thストリート・クラブ」とも呼ばれる) の活動に参加。1953年にステイブル・ギャラリーで個展を開催して高く評価されてから2年後、ニューヨークとパリを往き来する生活を送り、フランスでは北米出身のアーティストたち(シャーリー・ジャフィ、サム・フランシス、ノーマン・ブルーム、ソール・スタインバーグ、ジャン=ポール・リオペル)と親交を深めました。1969年、クロード・モネが住んでいたことで知られるヴェトゥイユに居を構えると、豊かな色彩によって光に寄せる想いを表現しはじめ、その作風は彩られた表面の細分化という特徴を帯び、ミッチェルは「抽象的印象派」と見なされるようになります。ただし、この呼称は、彼女の作品の骨格をなすダイナミックな対立──自然を忠実に表現したいという想いと、尊敬するファン・ゴッホから影響を受けた主観的で激烈な表現のパワーのぶつかり合い──を消し去るものでした。1972年以降、ミッチェルは大型作品に取組むようになります。異彩を放つ作品の構造は、彼女特有の官能的な色使いが存分に発揮されることを可能にしました。1980年代初頭、才能の絶頂期を迎えたミッチェルは、今回展示される《Untitled》(1979年) や《Cypress》(1980年) に表れているように、明らかに風景画に回帰しています。晩年期の作品に見られる光と色が交互に繰り返される抽象的「モチーフ」は、彼女の筆遣いがますます自由になっていったことを示しています。

建設関係者が多い環境で生まれ育ったカール・アンドレ(1935年-) は基礎的な素材を好んで扱い、それは前の世代が実践していた抽象表現主義への反応の表れとも言えます。アンドレは、アメリカの画家フランク・ステラの影響を受け、独自のスタイルを確立しました。すなわち、素材そのものへの愛着、厳格な制作姿勢、象徴性の拒絶です。アンドレは早い時期から、彫刻に根源的な変化をもたらす試みに挑戦しました。それは、床や地面との関係の重視、ダイレクト・カービングの手法です。素材は彫刻を施すよりも未加工の状態のほうが興味深いとの信念を抱くようになると、ついには素材に手を加えることを全面的に放棄し、煉瓦や丸太や規格品である合成コンクリートブロック、金属板などをそのまま使うことを選択するにいたります。彼の創作の原理原則は、形状、構造、場所の等価性です。アンドレ本人によると、彼の作品は周辺の環境と切り離せぬ関係を結んでいて、作品自体に固有の意味があるわけではなく、作者が手を加えた痕跡は残っていません。
彼の最も有名な作品の1つは、地面に薄い金属板を置いたものであり、人々に上を歩いてもらうことで芸術作品の神聖視を打破することを意図しています。あらゆる物体と同じく、芸術作品も摩耗することがあり得る、摩耗すべきだ、との主張が込められています。今回展示される《Draco》(1979-2008年) は、ウェスタンレッドシダー(ベイスギ) の材木を組み立てた作品であり、展示室の中央に設置されることで来場者の動きを妨げ、展示空間の構造を強調します。
この2人のアーティストを並べて紹介することで、一見したところ背反する2つの芸術潮流──激烈な色使いによる自由な表現と、あるがままの素材で見せる幾何学的厳密さの奥深さが照らし出されます。2人の共通点は根本に迫るアプローチであり、これが作品の周囲に、そして作品と空間との間に緊張を生み出しています。

2021年5月1日(土) ──新たにコレクションに加わったジョアン・ミッチェルの2点の作品、《Minnesota》(1980年)と《South》(1989年)が展覧会にさらなる彩りをもたらします。
エスパス ルイ・ヴィトン大阪にて初展示となる、2点の1980年代制作の風景画は、ミッチェルの晩年に描かれました。両作品の炸裂する色彩が、最終的には洗練されたアンサンブルを織りなし、ミッチェルの作品の成熟度を物語っています。


《MINNESOTA》ジョアン・ミッチェル 1980年 油彩、キャンバス(四連画) 260.4 x 621.7 cm エスパス ルイ・ヴィトン大阪での展示風景(2021年)
《SOUTH》ジョアン・ミッチェル 1989年 油彩、キャンバス(二連画) 260.1 x 400.1 cm エスパス ルイ・ヴィトン大阪での展示風景(2021年)

フォンダシオン ルイ・ヴィトンについて
フォンダシオン ルイ・ヴィトンは現代アートとアーティスト、そして現代アーティストのインスピレーションの源となった重要な20世紀の作品に特化した芸術機関です。フォンダシオンが所蔵するコレクションと主催する展覧会を通じ、幅広い多くの人々に興味を持っていただくことを目指しています。カナダ系アメリカ人の建築家フランク・ゲーリーが手掛けた建物は、既に21世紀を象徴する建築物として価値を認められており、芸術の発展に目を向けたフォンダシオンの独創的な取り組みを体現しています。2014年10月の開館以来、600万人を超える来館者をフランス、そして世界各地から迎えてきました。
フォンダシオン ルイ・ヴィトンは、本機関にて実施される企画のみならず、他の財団や美術館を含む、民間および公共の施設や機関との連携においても、国際的な取り組みを積極的に展開していくことを掲げてきました。とりわけモスクワのプーシキン美術館とサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館( 「Icons of Modern Art: The Shchukin Collection」展) やニューヨーク近代美術館「( Being Modern: MoMA in Paris」展)、ロンドンのコートールド・ギャラリー「( The Courtauld Collection. A Vision for Impressionism」展)などが挙げられます。また、フォンダシオンは、東京、ヴェネツィア、ミュンヘン、北京、ソウルそして新たに大阪にオープンしたエスパス ルイ・ヴィトンにて開催される所蔵コレクションの展示を目的とした「Hors-les-murs (壁を越えて)」プログラムのアーティスティック・ディレクションを担っています。これらのスペースで開催される展覧会は無料で公開され、関連するさまざまな文化的コミュニケーションを通じてその活動をご紹介しています。

エスパス ルイ・ヴィトン大阪
542-0085
大阪市中央区心斎橋筋2-8-16
ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋 5F

お問合せ先:
T 0120 00 1854
espace_osaka.jp@louisvuitton.com

「Fragments of a landscape (ある風景の断片) 」展
会期:開催中 - 2021年7月4日(日)
開館時間:12:00-20:00
休館日はルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準じます。
詳細は下記エスパス ルイ・ヴィトン HPよりご確認ください。
https://www.espacelouisvuittontokyo.com/
入場無料
予約不要
会場内の混雑防止のため、入場をお待ちいただく場合がございます。

#EspaceLV
#CollectionFLV
#FondationLV

(トップ画像クレジット)
FRAGMENTS OF A LANDSCAPE
エスパス ルイ・ヴィトン大阪での展示風景 (2021年)
カール・アンドレ
《Draco》, 1979-2008年, ウェスタンレッドシダー (ベイスギ) 材
23個のパーツの連なり (各30 x 91 x 30 cm)
Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton
ジョアン・ミッチェル
《Untitled》1979年, 油彩、キャンバス (三連画) 194.9 x 389.9 cm
《Cypress》1980年, 油彩、キャンバス (二連画220.3 x 360.7 cm
《Minnesota》1980年, 油彩、キャンバス (四連画)260.4 x 621.7 cm
《South》1989年, 油彩、キャンバス (二連画) 260.1 x 400.1 cm
Courtesy of Fondation Louis Vuitton
Photo credits: (C) Keizo Kioku / Louis Vuitton

(作品画像クレジット)
Courtesy of Fondation Louis Vuitton
Photo credits: (C) Keizo Kioku/Louis Vuitton

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