【展覧会】舘鼻則孝の新作個展「PRIMARY COLORS」が開催「構造色」を発現させるインクを用いた作品シリーズを含む新作65点を公開

2022年4月16日 土曜日 1:48 PM

舘鼻則孝の新作個展「PRIMARY COLORS」の会場となるKOSAKU KANECHIKAは、品川・天王洲エリアで注目のアートスポットTERRADA ART COMPLEX 5Fの現代美術画廊

2022年4月16日(土)から5月28日(土)まで、個展「PRIMARY COLORS」を開催いたします。本展では、色素を用いず光の反射によって生じる発色現象である「構造色」を発現させる、特殊なインクを用いた作品シリーズ《Primary Colors》を初めて発表します。「構造色」とは、光の波長程度の微細構造によって生じる発色現象です。物質自体に色素がなくても、その微細な構造によって光が干渉・分光することで発色して見えます。


(C) 2022 NORITAKA TATEHANA K.K., Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION


舘鼻則孝 個展 “PRIMARY COLORS”

2022年4月16日(土)~5月28日(土)
KOSAKU KANECHIKA |TERRADA ART COMPLEX



この度、舘鼻則孝は、2022年4月16日(土)から5月28日(土)まで、個展「PRIMARY COLORS」をKOSAKU KANECHIKAにて開催いたします。本展では、色素を用いず光の反射によって生じる発色現象である「構造色」を発現させる、特殊なインクを用いた作品シリーズ《Primary Colors》を初めて発表します。


Primary Colors, 2022, (C) 2022 NORITAKA TATEHANA K.K., Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION


Primary Colors, 2022, (C) 2022 NORITAKA TATEHANA K.K., Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION


Primary Colors, 2022, (C) 2022 NORITAKA TATEHANA K.K., Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

「構造色」とは、光の波長程度の微細構造によって生じる発色現象です。物質自体に色素がなくても、その微細な構造によって光が干渉・分光することで発色して見えます。自然界ではモルフォ蝶やタマムシ、貝殻などの例が挙げられ、その鮮やかな色彩が特長です。この「構造色」を用いた特殊なインクには、色素となる染料や顔料が含まれず、定着時にインク膜内に微細構造を形成する技術によって色が発現します。

今回制作に技術協力した富士フイルム株式会社の開発した「構造色インクジェット技術」は、デジタルデータを用いて意匠性に優れた加飾印刷を可能にするものです。このような構造色を発現させるインクを用いたインクジェット技術は、世界的に革新的な新鋭技術であり、本展で初めて公開されます。




Primary Colors, 2022, (C) 2022 NORITAKA TATEHANA K.K., Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

舘鼻は新しい平面作品のシリーズ《Primary Colors》において、この革新的なインクジェット技術とアクリル絵具を用いた彩色を掛け合わせるという実験的な試みを行いました。そこで最先端の技術が可能にした発色現象と、絵画的な抽象表現が出会うことで、新たな視覚表現が生み出されています。

絵画における抽象表現には豊かな歴史があり、バーネット・ニューマンに代表されるようなカラーフィールド・ペインティングにおける抽象表現手法は、「地と図」の関係を否定することで成立する奥行きの無い平面が前提となっています。一方、舘鼻が考える画面(フィールド)における「地と図」の関係は、モチーフが存在しないことで成立する平面という捉え方ではなく、東京藝術大学在学中に学んだ伝統的な染色技法である、友禅染の技法的制約から導き出された価値観でした。


そのような価値観について、舘鼻は次のように語っています。

私が学んだ友禅染においては、正絹を糸目と呼ばれる細い輪郭線で染め分けるという技法的な制約があり、そのためモチーフが存在する場合でも「地と図」の関係は常に対等に表現される。謂わば、「地と図」を否定した同一平面上にモチーフが存在できるという点が、ヨーロッパ絵画における透視図法を活用した写実主義とは相対する、日本独自のデフォルメ表現を生んだ一端であると考えている。またこのような表現は、ヨーロッパ式の透視図法が広まった江戸時代以前からある価値観であり、日本独自の表現手法とも言える。


(C) 2022 NORITAKA TATEHANA K.K., Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION


(C) 2022 NORITAKA TATEHANA K.K., Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION


(C) 2022 NORITAKA TATEHANA K.K., Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

新作《Primary Colors》では、構造色が発現するインクが塗布された樹脂シートにアクリル絵具を彩色することで、色面を生成しています。表面に見ることができる図像は、舘鼻自身が本作のために撮影した被写体である「雲」の画像を複数枚合成したもので、これまでにも舘鼻作品のテーマとなっている「一対の視点」という捉え方とも繋がるところがあります。

雲による表現は、国宝・洛中洛外図屏風でも見受けられるような、眼下に広がる人々の生活の有様をフレームし分節することで、複数の視点を1枚の画面の中に成立させるという役割も担います。「天と地」や「生と死」というような、舘鼻が作中で掲げる「一対の視点」による日本独自の価値観を象徴するモチーフであるとも言えます。


(C) 2022 NORITAKA TATEHANA K.K., Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION


(C) 2022 NORITAKA TATEHANA K.K., Courtesy of KOSAKU KANECHIKA, Photo by GION

本展で舘鼻が採用する素材や技法は、革新的な新鋭技術ですが、その背景には伝統工芸技法を活かした創作を続けるなかで生まれた視点がありました。富山県の高岡漆器における伝統的な装飾技法として継承される螺鈿(らでん)等、自然界に存在する魅力的な素材や原材料を用いた作品をこれまで多く制作することで、自然界に存在する構造による発色現象を作品に取り入れてきたことが、今回の着想の源となったのです。

新作で用いている構造色インクは、物質的な制約から解放された視覚的に偏向した作品を生み出すきっかけとなっています。一方、作品のフォームに対するアプローチをどう捉えるべきか、という点についての舘鼻の考えはまだ途上にあり、創作を通して答えを導き出したいと舘鼻は言います。

伝統と革新を独自の視点で接続させることで、常に新しい視覚表現をひらく舘鼻の挑戦を是非ご高覧ください。


アーティストプロフィール
舘鼻則孝(たてはな のりたか)
1985年東京生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で、幼少期から手でものをつくることを覚える。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。「イメージメーカー展」(21_21 DESIGN SIGHT、2014)、「Future Beauty」(東京都現代美術館など国際巡回、2012)、個展「呪力の美学」(岡本太郎記念館、2016)、個展「It’s always the others who die」(POLA Museum Annex、2019)、個展「NORITAKA TATEHANA: Refashioning Beauty」(ポートランド日本庭園、2019)、「和巧絶佳」(パナソニック汐留美術館など4会場を巡回、2020-22)等の他、ニューヨーク、パリ、ベルギーなど世界各地で作品を発表。2016年3月にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を開催など、幅広い活動を展開している。作品はメトロポリタン美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されている。また昨年に続き、東京都が主宰する「江戸東京きらりプロジェクト」の一環として企画され、東京の伝統産業に焦点を当てたオンライン展覧会「江戸東京リシンク展」(旧岩崎邸庭園、2022)の展覧会ディレクターを務めている。

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開催概要
展覧会  舘鼻則孝「PRIMARY COLORS」
会 期  2022年4月16日(土)- 5月28日(土)
開 廊  11:00 - 18:00(日・月・祝は休廊)
会 場  KOSAKU KANECHIKA(https://kosakukanechika.com
住 所  東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 5F
入場料  入場無料

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