産むにまつわる価値観・選択肢を問い直す展示『産まみ(む)めも』、渋谷OZ Studioにて3月18日~23日に開催!

2023年2月16日 木曜日 12:17 PM

美術家・井上 裕加里 / 美術作家:碓井ゆい / 建築コレクティブ:GROUP / デザイナーアーティストデュオ:TAK STUDIO / プロダクトデザインスタジオ:ふしぎデザイン らが作品を発表

公共とデザインによる、産むの物語を問いなおす展覧会『産まみ(む)めも』。本展では、「産む」に関するリサーチ・協働のプロセスおよび5組の作家による作品をご紹介。不妊治療や特別養子縁組など「産む」に対して向き合ってきた当事者・これから「産む」に向き合い選択を控える方々・5組のアーティストが混ざり合い、対話と表現を通じたワークショップを実施。各アーティストはこの協働の過程をもとに作品制作をしました。産まない・産みたい・産む・産めない・産もうか…といった複雑な「産む」の向きあい方を問いかけます。複数の可能性に想いを馳せ、ことばを交わし、一人ひとりが「産む」の物語を紡ぎなおすきっかけになることを願います。




少子高齢化、不況、気候変動、個人の分断、感染症の拡大。近年の変化しつづける社会で拠り所もない。不安と生きづらさが漂う時代には「これが社会の当たり前」と受け入れるのではなく、わたしがどうしたいかの問い直すことがより必要となっています。

そのひとつが「産む」にまつわる物語。多様性の時代、家族のかたちも変わりはじめる一方、「30歳前後で結婚して子どもを産む」という物語はいまだに強固。その外側に広がる、特別養子縁組という選択肢や、カップルの5.5組に1組が不妊治療の経験者という事実は知りません。

──「産む」の当事者ときいて、どんなひとたちを思い浮かべるでしょうか。

いろんなひとがいます。結婚したら産むべきと、周りの重圧に苦しむひと。産みたいと願っても不妊や同性同士が理由で産めないひと。悩みつつも産まないことを選んだひと。産もうかと迷っているひと。それだけじゃない。「産む」は誰と、どんな日々をあゆみ、どんなまちで暮らし、どう生きがいを見出し、いかに死ぬか…一人ひとりの生そのものにつながります。

「産む」は個人的であると同時に、とても公共的なことがらです。「産む」を考えるとは、未来を担う子どもたちを考えること。子どもなしに社会は未来に残らない。産み育てるひとの自己責任ではなく、だれもがすでに「産む」に関わっています。 しかし日々の中で「産む」について話しあう機会もなく、タブー視すらされている。だからこそ、わたしなりの「産む」に向きあいはじめる場が必要だと感じました。

一般社団法人 公共とデザインは「多様なわたしたちによる公共」の実現を目指し、個々人の表現と対話を通じた社会課題への実験を共創する環境づくりをしています。その一環として2022年4月から、さまざまな当事者および5組の作家とともに、リサーチ&ワークショップを行ってきました。

本展では、そうした「産む」をめぐるコデザインのプロセス、および5組の作家による作品を展示します。産まない・産みたい・産む・産めない・産もうか・そのあわいにある無数の向きあい方。その複数の可能性に想いを馳せ、ことばを交わし、一人ひとりの「産む」の物語を紡ぎなおすきっかけになることを願います。



開催概要


「産まみ(む)めも」
URL:https://publicanddesign.studio/umamimumemo

期間: 2023年3月18日~23日
開館時間: 12時~20時
入場料: 無料
主催: 一般社団法人 公共とデザイン

参加アーティスト: 井上 裕加里 / 美術作家:碓井ゆい / 建築コレクティブ:GROUP / デザイナーアーティストデュオ:TAK STUDIO / プロダクトデザインスタジオ:ふしぎデザイン

協力(あいうえお順、敬称略): 川井清考 (亀田IVFクリニック幕張)・石川恵 (亀田IVFクリニック幕張) / 志賀志穂(あゆみの会)/ 株式会社ninpath / NPO法人Fine(ファイン) / NPO法人フォレシア / 藤田順子(認定NPO法人フローレンス赤ちゃん縁組事業部)/ まにゃ / 株式会社ライフサカス / 若林理央



開催場所OZ studio 渋谷


渋谷区東1-25-5 フィルパーク渋谷東3F 渋谷駅C1またはC2出口から7分/新南口6分



当事者・プレ当事者との協働について


本プロジェクトでは、「産むを問い直す」をリサーチの起点として、様々な文献やヒアリングを行いました。医師・看護師・不妊治療の経験者・特別養子縁組の養親・本領域に従事するNPO法人や起業家の方々などにお話を伺いました。

リサーチをもとに組み立てた、当事者・プレ当事者(=これから産む選択を控える方)・本展示で出品される作家を交えたワークショップでは、様々な角度から「産む」について考えるプロセスをとりました。例えば、実際の体験談に基づく演劇ツールキット「産magination」を使ったワークでは、不妊治療などのシーンにおける夫婦のやりとりなどを即興で演じることで、自らの言葉にできないところや無意識の偏見などが露わになり、そこから新たな対話を生み出すきっかけとなりました。



また、産むにまつわる個々人の問いの探求から「もしも」の世界観を想像し、「産むを問い直すセレクトショップの商品」を100円ショップの材料をつかって制作しました。ワークショップ最終日にプチ展覧会をおこなったワークショップ参加者による試作品を、本展示でも数点展示する予定です。

プレ当事者の制作作品の一部






参加作家・作品概要

対話と表現を通じた約2ヶ月間のワークショップを経て、各アーティストはこの協働過程をインスピレーショにそれぞれの作品制作を行っていただきました。

井上裕加里



美術家。2014年成安造形大学 芸術学部芸術学科美術領域現代アートコース 卒業。私は、東アジアの近現代に潜在する歴史認識、文化観の差異や関係性、地域性をテーマに映像作品を制作しています。他者・他国を排除する動きが世界で顕在化している今日、「他者」とは何であり、「私たち」と「私たち以外」の境とは何であるのかを作品を通して考察しています。

【作品概要】
新たな家族の形を実践する人々のお話をお聞きすることで「家族はどうしたら家族になれるのか?」という問いを考える。


碓井ゆい


撮影:デルフィン・パロディ、提供:青森公立大学 国際芸術センター青森

美術作家。1980年東京都出身、埼玉県在住。多摩美術大学美術学部卒業、京都市立芸術大学大学院修士課程修了。身の回りの素材や手芸の技法を用い、社会制度や歴史についての批評や考察を平面・立体作品で表現する。

【作品概要】
生殖補助医療の治療の中で凍結された胚たちの会話を通じて、私たちの「産む」を考える。

GROUP

異なる専門性をもつ5人からなる建築コレクティブ。建築/美術/政治/労働/都市史の相互的な関係性に焦点を当てた活動を展開している。

大村高広

1991年生まれ。博士(工学)、建築設計・意匠論

齋藤直紀

1991年生まれ。博士(工学)、一級建築士、建築設計・都市論

【作品概要】
異なる家族形態を持つ世帯が、周囲に開いたり閉じたりしながら、集まって暮らす住宅のあり方を調査・提案し、モックアップを制作しました。

TAK.STUDIO+ふしぎデザイン

TAK.STUDIO

越出つばさと土田恭平からなる、東京を拠点とするアーティスト&デザインデュオです。詩的な感性とインダストリアルの美学を融合させ、新しいプロダクトを作り出します。

ふしぎデザイン

プロダクトデザイナーの秋山慶太が運営するデザインスタジオです。「作り、考え、伝えることで、ふしぎな価値を生み出す」というステートメントのもと、心を動かし共感を生むデザインを行っています。

【作品概要】
セクシュアルマイノリティの方々や不妊治療に悩む方々と話すなかで生まれた、5種類の鳥の形をした張り子のお守り「ハリコドモ」を制作しました。



一般社団法人公共とデザインについて


【一般社団法人公共とデザイン】
https://publicanddesign.studio/
共同代表:石塚理華・川地真史・富樫重太

公共とデザインは「多様なわたしたちによる公共」を目指し、企業・自治体・共同体と実験を共創するソーシャルイノベーション・スタジオです。

住民との協働や生活者起点のリサーチ、実験やワークショップ等に基づく事業創出など、社会課題の当事者との協働からのプロジェクト創出に取り組んでいます。わたしたちは、ソーシャル・イノベーションのためのデザインを通じて、社会課題の当事者が望ましさを描くことに軸足を起きながら、多様な他者としての行政や専門家が既存の社会構造・ルール・慣習などを見つめ直し、各人が価値観を上塗りしながら新しい活動が生み出されることを支援しています。

【本プロジェクトについて】
本プロジェクトは公益財団法人日本財団の2022年度助成で「地域とそこに暮らす市民と共に行う持続可能な都市づくり」事業として行なっております。



【問い合わせ先】
一般社団法人公共とデザイン
publicanddesign.pad@gmail.com

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