
画像1.日本産ナガサキアゲハ(左)とインド産テンジクアゲハ(右)
ナガサキアゲハは日本から東南アジアまで広く分布するアゲハチョウ科の仲間の大型種で、多くの亜種が知られています。また、ナガサキアゲハとその近縁種で構成されるグループ(ナガサキアゲハ群)には、熱帯域を中心にアカネアゲハやテンジクアゲハなどの種が知られ、東南アジアの島嶼ではアケロンアゲハやジョルダンアゲハなど希少種や、絶滅種のランプサクスアゲハも知られています。これらのチョウはモルモン・スワローテイル(Mormon swallowtail)という英名で呼ばれています。
近年、分子系統解析によってアゲハチョウ属の分類体系が変わり、Papilio memnon thunbergiiという学名があてられていた日本のナガサキアゲハには、Papilio agenorという学名が提唱されました。agenorという名前は今までPapilio memnonの大陸産の亜種名にあてられていましたが、種に昇格し種小名になりました。中でも驚きなのは、インドやスリランカに分布するテンジクアゲハが、日本産を含むナガサキアゲハとは遺伝的に同一とされたことです。
本展示では、世界のナガサキアゲハとその近縁種の最新の分類体系や希少種を紹介します。斑紋が似ているのに別種、斑紋が全く異なるのに同種、希少で滅多に見られない種など、モルモン・スワローテイルの世界に踏み込んでみてください。
開催概要
- 名 称:ミニ展示「ナガサキアゲハとその近縁種の多様性~絶滅種から分布拡大種まで紹介~」- 会 期:令和8年4月4日(土)~5月10日(日)
- 開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 休 館 日:月曜日(ただし休日の場合はその翌平日)
- 場 所:大阪市立自然史博物館 本館1階 ナウマンホール
〒546-0034 大阪市東住吉区長居公園1-23
TEL:06-6697-6221(代表) FAX:06-6697-6225
地下鉄Osaka Metro御堂筋線「長居」駅下車3号出口・東へ800m
JR阪和線「長居」駅下車東出口・東へ1,000m
ホームページ: https://omnh.jp/
- 観 覧 料:常設展入館料(大人300円、高大生200円)
※中学生以下、障がい者手帳など持参者(介護者1名を含む)、大阪市内在住の65歳以上の方は無料(要証明)。30人以上の団体割引あり。
展示で紹介する主な標本
ナガサキアゲハ:日本では西南部に分布し、近年温暖化で分布を拡大させている。大阪府では1980年代より記録が増加した。テンジクアゲハ:青い斑紋を持ち、インドやスリランカに分布する。インドのマハーラーシュトラ州のチョウに選定されている。かつて独立種Papilio polymnestorであったが、ナガサキアゲハとは遺伝的な差がないことが判明した。
マーヨアゲハ:秘境アンダマン諸島の亜種で、オスの後翅は青い斑紋をもち、メスの翅は細めで尾状突起が太い。
ワタナベアゲハ:台湾の固有種で、和名は発見者の渡辺亀作氏(台湾駐在の警察官)に由来する。
ジョルダンアゲハ:スラウェシ島北部に分布する希少種。非常に大型で、メスは白化しオオゴマダラ属に擬態していると考えられている。
ランプサクスアゲハ:ジャワ島に分布していたが1980年代を最後に記録がなく、絶滅種とされる。

画像1.日本産ナガサキアゲハ(左)とインド産テンジクアゲハ(右)斑紋は大きく異なり、かつて別種であったが、最近の研究では遺伝的な差異がなく同種とされている。

画像2.ナガサキアゲハ日本本土亜種(東京都八王子市 2024年10月17日)温暖化で分布を拡大させ、現在は首都圏でも普通に見られる。

画像3.ナガサキアゲハ南西諸島亜種(沖縄県大宜味村 2025年11月4日)奄美群島や沖縄諸島に分布し、沖縄島では最も普通に見られる種の一つ。メスは白化する。

画像4.絶滅種のランプサクスアゲハ(1970年代のジャワ島産標本)
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