NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]「ICCアニュアル2026 遺す/残る/受けとめる」展の開催について

■NTT東日本が運営する文化施設NTTインターコミュニケーション・センター※1(以下、ICC)では、2026年6月20日(土)より、「ICCアニュアル 2026 遺す/残る/受けとめる」展を開催いたします。

■「ICCアニュアル」は、メディア・アート※2作品をはじめとする、現代のメディア環境における多様な表現をとりあげる展覧会です。2006年度から2021年度まで開催した「オープン・スペース」展のコンセプトを引き継ぐ形で、2022年度から長期展示の「ICCアニュアル」として開催しています。

■今年度の「ICCアニュアル2026」では、歴史と技術、メディアの関係に着目し、それらが歴史や記憶の形成にどのように関わってきたのかを考えるとともに、「遺す/残す」という行為そのものについても考えます。

※1 日本の電話事業100周年記念事業として1991年からのプレ活動を経て、1997年にNTTが設立した科学技術と芸術文化の融合をテーマとする文化施設。
※2 コンピュータをはじめとするさまざまな先端メディア・テクノロジーを使用したアート作品を総称する言葉。

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]「ICCアニュアル2026 遺す/残る/受けとめる」展の開催について
ウー・チーユー《セルロイドの物語:無主地のデータ》2024年

すずえり+比嘉了《Resistance Array》2026年      撮影:西野正将           

1. 「ICC アニュアル 2026 遺す/残る/受けとめる」展の開催概要
英展覧会名: ICC Annual 2026: What Is Left, What Remains, and What We Take on
開催期間 :2026年6月20日(土)~2026年11月8日(日)
会場   :NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーB
開館時間 :午前11時~午後6時(入館は閉館の30分前まで)
入場料  :一般 800円(700円)、大学生600円(500円)
      無響室作品体験 一般・大学生 200円
      年間パスポート 2,000円
※( )内は15名様以上の団体料金
※障害者手帳をお持ちの方および付添1名、65歳以上の方と高校生以下の方、ぐるっとパスをお持ちの方は無料
休館日  :毎週月曜日、ビル保守点検日(8/2[日])
※月曜日が祝日もしくは振替休日の場合、翌日を休館日とします。ただし、9/22[火・祝]は開館します。
休館日以外においても、開館時間の変更および臨時休館の可能性がございます。
最新情報はICCウェブサイト(https://www.ntticc.or.jp/)などでお知らせします。
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC](NTT東日本株式会社)

2. 展覧会概要
 「ICCアニュアル」は、メディア・アート作品をはじめとする、現代のメディア環境における多様な表現をとりあげる展覧会です。2006年度から2021年度まで開催した「オープン・スペース」展のコンセプトを引き継ぐ形で、2022年度から長期展示の「ICCアニュアル」として開催しています。今年度の「ICCアニュアル2026」では、歴史と技術、メディアの関係について考えます。
 現代のメディア環境において、生成AIなどの技術の発展により、情報はかつてない速度と規模で生み出され、流通しています。そのなかで、私たちが接する情報はアルゴリズムによって選ばれ、再編成されてもいます。こうした情報環境のもとでは、何が記録され、どのように共有されるのかという枠組みそのものが変わりつつあるのではないでしょうか。歴史や記憶もリアルタイムに更新される可能性があり、ときに政治的・経済的な力学のもとで書き換えられることも見られます。
 そこで本展では、歴史と技術、メディアの関係に着目し、それらが歴史や記憶の形成にどのように関わってきたのかを考えるとともに、「遺す/残す」という行為そのものについても考えます。記録メディアに内在する選別や排除の構造、デジタル環境におけるイメージの流通とそこで働く力学、さらには西洋近代以降の知覚の枠組みからこぼれ落ちてきたコミュニケーションのあり方など、さまざまな視点から読み解くことのできる作品を取り上げます。また、歴史に直接言及していなくても、記憶の継承について新たな視点をもたらす作品も含まれます。これらの作品を通して、メディアと歴史の関係を多角的にとらえます。
 本展は、何が遺され、残されたものをどのように受けとめるのかという問いを通して、歴史と記憶のあり方をあらためて問い直します。

3. 出品作家(五十音順)
 ウー・チーユー
 キム・ヨンウン
 小林椋
 SUGAI KEN
 すずえり+比嘉了
 葉山嶺
 ローサ・メンクマン
 森永泰弘
新進アーティスト紹介コーナー「エマージェンシーズ!」
「エマージェンシーズ!」は、今後期待される新進アーティストやクリエイターの最新の作品やプロジェクトなどを紹介するコーナーです。2006年以降、合計47組の作品を展示しています。今年度は2回の開催を予定しています。

 エマージェンシーズ! 048 宮下恵太
 展示期間 2026年6月20日(土)~8月16日(日)

 エマージェンシーズ! 049 杉田碧
 展示期間 2026年9月12日(土)~11月8日(日)
コレクション作品展示(有料エリア内)
 グレゴリー・バーサミアン《ジャグラー》
無料展示エリア(予定)
 岩井俊雄《マシュマロモニター》
 映像アーカイヴHIVE(ハイヴ)

4. 関連イベント
 会期中には出品作家やゲストによるアーティスト・トーク、ギャラリーツアー、シアターでの上映プログラムなどを開催予定です。 最新情報はICCのウェブサイト(https://www.ntticc.or.jp/)などでお知らせします。

 アーティスト・トーク ウー・チーユー
 開催日時:2026年6月20日(土)午後2時より

 アーティスト・トーク 森永泰弘
 開催日時:2026年6月20日(土)午後4時より

 アーティスト・トーク キム・ヨンウン
 開催日時:2026年6月21日(日)午後2時より

5. 今後の展示予定
ICC キッズ・プログラム 2026(仮称)
開催予定期間 2026年7月25日(土)~8月30日(日)
企画展(仮称)
開催予定期間 2026年12月5日(土)~2027年3月7日(日)
「Digital×北斎」展(仮称)
開催予定期間 2026年12月~2027年3月

*展覧会名、会期などは2026年4月27日現在の情報です。
*各展覧会における関連イベントなど詳細は、展覧会ごとに発行するプレスリリースにてお知らせいたします。

6. ICCのご案内
 所在地:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
 (京王新線 初台駅東口から徒歩2分)







【参考】出品作家と作品例
ウー・チーユー
《セルロイドの物語:無主地のデータ》2024年
《セルロイドの物語:展示された映画の工場》2025年 ほか

ウー・チーユー「セルロイドの物語」シリーズの展示風景2025年




初期の映画フィルムに用いられたセルロイド。その原料である樟脳は、日本統治期の台湾において重要な生産資源でした。「セルロイドの物語」シリーズはこの樟脳を起点に、映画の成立を支えた植民地の歴史を辿り、森林伐採や資源採取、そこに動員された労働に光を当てるとともに、現代のAIによるイメージ生成を支える構造への接続を試みます。本展では、本シリーズの複数の映像作品を中心に構成されるインスタレーションを発表予定です。

キム・ヨンウン
《未来の聴取者へ 1》2022年
《未来の聴取者へ 2》2022年
《未来の聴取者へ 3》2025年


キム・ヨンウン《未来の聴取者へ3》2025年 (C) YoungEun Kim




音や聴取は社会政治的および歴史的に構築されたものと捉える作家が、蝋管録音を起点に、録音メディアに内在する政治性を問い直す三作品。20世紀初頭に蝋管に録音された韓国の伝統音楽や、アメリカにおけるアイルランド移民の歌を手がかりに、ノイズ除去による断片化、蝋管への再録音、AIによる女性合唱への変換といった手法を用います。これらのプロセスを通じて、録音が声を記録すると同時に排除してきた構造を浮かび上がらせます。

小林椋(こばやし むく) 新作

小林椋 新作のためのスケッチ




作家・稲垣足穂(1900-77)は、第一次世界大戦以降に実用性のみを追求するようになる前の飛行機にこそ意味を見出し、生涯関心を寄せつづけました。そして、実用性を失った、飛行の不可能性を象徴するものとして「空中飛行器」という言葉を好んで用いました。小林は、この言葉に含まれる足穂の飛行機観と、リンク・トレーナーと呼ばれる初期のフライト・シミュレーターという、二つの「飛ばない飛行機」を起点として、「飛ぶこと」または「落ちること」の実践を考察する器具群を新作として発表します。

SUGAIKEN(すがい けん) 《「...ん!?」-虚響室-》(仮題|新作)

SUGAI KEN




ICCの無響室のために制作される新作。模造した家鳴り音や、特殊な設定でバイノーラル録音した無響室での足音などを高精細なスピーカーで鳴らすことにより、音が展示室内であたかも発生しているかのような錯覚を誘発し、在るはずのない誰か(もしくは何か)の気配を出現させます。SUGAIはこの作品において、「ここではない何処か」への架空トリップではなく、「今ここにいること/在ること」への聴覚的な揺さぶりを志向します。

すずえり+比嘉了(ひが さとる) 《Resistance(レジスタンス) Array(アレイ)》2026年

すずえり+比嘉了《Resistance Array》2026年     撮影:西野正将  参考図版




《Resistance Array》は、現代において情報がミームとして伝播する様子とそれによる連帯のあり方に着目した作品です。デモにおけるレーザーポインタの利用がSNSを通じて世界各地に広がった経緯を参照し、投稿されたテキストの内容と投稿同士の関連性を機械学習で分析し、ネットワーク化した結果が投影されます。また、本作品ではすずえりが近年取り組んでいる光に音声重畳を行う可視光通信の仕組みがレーザー光に応用され、レーザー光が受信機に当たった時だけ、音声がスピーカーから出力されます。

葉山嶺(はやま れい) 《LYMENA(リーメナ)》2025年

葉山嶺《LYMENA》2025年




《LYMENA》は、CGのコウモリたちが生息する「立ち入ることのできない洞窟」と、その周囲に生じる瞑想的時間からなるインタラクティブな映像作品です。作者が完成させた3DCGのコウモリたちは、敢えて目の前から隠されています。それでも、プログラム上は確かに存在する彼らの気配は、小さな森の霧の中に漂います。姿を見ることができない何かとの間に関係を生み出すことや、立ち止まることの創造性について、作者は問いかけます。

ローサ・メンクマン「Image(イメージ) Remains(リメインズ)」2026年

ローサ・メンクマン「Image Remains」2026年




メンクマンは、画像処理の分野では「解像度」を意味する「Resolution」をより広く捉え、処理を実行するうえで前提となるプロトコルや基準とそれらの解釈との関係性によって変わりうるものとして研究しています。本作は、画像処理技術において「何が遺され/失われるのか、それを決めるのは誰か」を問う、主に3つの映像作品からなる作品シリーズです。過去の作品と同様、ヴァルター・ベンヤミン(1892-1940)の論考「歴史の概念について」で「歴史の天使」として言及されたパウル・クレー《新しい天使》(1920)が主人公となり、直線的ではない、より多様な記録や歴史の作られ方について考察していきます。

森永泰弘(もりなが やすひろ)
《Auto-ethnography(オートエスノグラフィ): HAMAKAI(ハマカイ)》(新作)

フィールドワーク時の記録写真(2023年、ブラジル)参考図版




本作は立体音響技術を用いた没入型サウンド・インスタレーションです。ハマカイとはアマゾン最後の狩猟民と言われるアワ族が、森での狩猟中に獲物となる動物の鳴き真似をするボーカル・コミュニケーションの一種です。作家は現地でフィールドワークを行いハマカイをレコーディングし、同時にアワ族が直面している違法な森林伐採や製鉄原料の運搬鉄道などの音も記録してきました。現在のアワ族の居住空間に併存する多様な音を捉え、さらに参与観察を行う作家自身の視点の客観化を演劇的な手法によって試みた多元的な音表現を行います。

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