【登壇報告】スペースシードホールディングス代表 、「重力の異なる暮らしをデザインする展」トークセッションに登壇──月面での暮らしを支える「微生物の力」を発信

~ 発酵と微細藻類が、月面の食と物質循環を支える。軌道上での培養実験の計画と可能性を語る ~

【登壇報告】スペースシードホールディングス代表 、「重力の異なる暮らしをデザインする展」トークセッションに登壇──月面での暮らしを支える「微生物の力」を発信


スペースシードホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:鈴木健吾、以下「当社」)は、代表取締役の鈴木健吾が、一般社団法人EX Gravityが主催する「重力の異なる暮らしをデザインする展」(2026年7月21日(火)/会場:オルクドール・サロンAOYAMA、東京都港区南青山)のトークセッションにパネリストとして登壇したことをお知らせします。

本展は、重力の異なる環境での暮らしや文化をデザインするという思考実験を通じて、地上の生活そのものを見つめ直すことをテーマとしています。当社は「SFをノンフィクションにする」をミッションに掲げ、宇宙利用研究を中核とした宇宙系ディープテックの事業を進めています。本セッションで鈴木は、月面での暮らしを成り立たせる鍵として「微生物の力」を挙げ、当社が進める軌道上での培養実験の計画とあわせて、微細藻類を含む微生物が月面の食・物質循環・ものづくりを支えうる道筋を示しました。

セッション概要
本展は、基調講演・特別講演・トークセッションで構成され、2026年7月21日(火)16:00~20:00、オルクドール・サロンAOYAMAで開催されました。鈴木は、デザイン・建築・宇宙開発など異なる領域の登壇者とともに、トークセッションのパネリストとして議論に参加しました。
※プログラム・登壇者の詳細は、主催である一般社団法人EX Gravityの公式情報(gravitydesign.jp)をご参照ください。

当社からの発表内容

1. 月面での暮らしを支えるのは、微生物の力



鈴木は、月面のように物資の補給が限られる環境でこそ、微生物の働きが暮らしの土台になると述べました。発酵は、限られた原料から食べられるものを増やし、保存性と風味を生み出す技術です。あわせて微細藻類は、光と二酸化炭素から有機物を作り出すため、食料となるタンパク質や脂質の供給源になると同時に、二酸化炭素を取り込み酸素を生み出す物質循環の担い手にもなります。



こうした微生物・微細藻類の働きを組み合わせることで、運んでいくのではなく、現地で「作り、めぐらせる」暮らしが構想できると論じ、当社が宇宙×発酵、宇宙×医学を事業の柱に据えている理由を説明しました。





2. 直近の宇宙実験の計画 - 軌道上で微細藻類を育て、地球へ持ち帰る



その構想を確かめるために、当社は宇宙関連事業の一環として、微細藻類を軌道上で培養し、地球へ持ち帰る超小型の細胞培養モジュールの開発を進めています。微小重力下では、微細藻類の増殖や成分、遺伝子発現が地上と異なることが知られており、この変化を確かな知見にするには、軌道上で得たサンプルを実際に持ち帰り、地上試験との再現性を厳密に検証することが欠かせません。



鈴木は、回収・帰還型の軌道上研究プラットフォームを用いた直近の実験計画を紹介し、月面での暮らしを構想するうえでの一歩目にあたると位置づけました。





3. 月面の建築物、菌によるコンポジット材料へ - 微細藻類が使える可能性



本セッションでは、他の登壇者から、月面での建築物や、菌を用いたコンポジット材料を現地で生産するという構想が示されました。鈴木は、これらの構想にも微細藻類が活用できる可能性があると言及しました。菌を育てて素材にする発想では、菌が育つための栄養源(炭素源)を現地でどう賄うかが課題になります。微細藻類は、光と二酸化炭素から有機物を作り出せるため、その栄養源を月面で生み出す供給源になりうるという見立てです。



食料と資源を別々の系として運ぶのではなく、光と二酸化炭素を入口に、食べるものと建てるものを同じ物質循環の中でつくる--鈴木は、微生物と微細藻類がその接点になりうると述べ、建築・デザインと生物学が交わる領域として今後の連携に期待を示しました。





代表コメント
「重力が違えば、食べることも、健康を保つことも、暮らしの形そのものが変わります。それでも、限られた原料から食べられるものを作り出し、めぐらせるという微生物の働きは、月面でも変わらず力を発揮すると考えています。今回、建築やデザインの視点をお持ちの皆さまと同じ場で議論するなかで、微細藻類が食料だけでなく、月面で建材を育てるための資源にもなりうるという道筋が見えてきました。私たちはまず、軌道上で藻類を育てて地球に持ち帰り、地上との違いを確かめるところから始めます。『SFをノンフィクションにする』というミッションに向けて、一つずつ実証していきます。」
鈴木 健吾(すずき けんご) スペースシードホールディングス株式会社 代表取締役、博士(農学)博士(医学)。理化学研究所 「藻類資源アップサイクル研究チーム」チームディレクター。微細藻類研究と事業化を長く牽引し、宇宙×発酵/宇宙×医学を軸に、地球と宇宙をつなぐ持続可能な技術の社会実装に取り組む。著書に『ミドリムシ博士の超・起業思考』(日経BP)。


当社の関連する取り組み
当社は、宇宙での自立研究システム「SpaceAgent」の開発を中核に、宇宙×発酵/宇宙×医学の領域で開発を進めています。あわせて、宇宙環境での自律的な実験を支える基盤に関する特許2件を、リジェネソーム株式会社、株式会社IDDK、株式会社スペースノーム研究所との共同で出願したことを2026年6月に公表しています。また、機械学習を活用して「実機で作れる材料候補」を選び抜くマテリアルズ・インフォマティクス(MI)探索システムを自社構築し、関連する基盤特許を出願したことも同月に公表しています。

「重力の異なる暮らしをデザインする展」について


スペースシードホールディングス株式会社について
スペースシードホールディングスは、「SFをノンフィクションにする」をミッションとして、投資活動、研究活動ならびに事業創出を行う宇宙系ディープテックベンチャービルダーです。発酵とロンジェビティ技術の社会実装を支援する「Fermentation and Longevity Fund」プログラムの運用などを軸に、社会課題を解決する事業の創出に取り組んでいます。2040年までに各種ステークホルダーとともに、人類が宇宙空間で居住するのに必要な技術を揃えることを目指しています。
https://ss-hd.co.jp/

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