2026年ハッセルブラッド国際写真賞受賞者・ザネレ・ムホリをはじめ、国内外の写真家が集結

ザネレ・ムホリ《Bester VIII, Philadelphia》2018年Courtesy Zanele Muholi; Southern Guild, Cape Town/New York; and Yancey Richardson, New York. (C) Zanele Muholi
写真がみせる「と」の世界をテーマに掲げるT3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2026は、このたび全12展示のラインナップを発表します。2026年ハッセルブラッド国際写真賞受賞者ザネレ・ムホリによる展示を含む12展示を2026年10月3日(土)~26日(月) まで展開します。
(※展示数や開場時間については変更になる場合がございます。最新の情報は公式Webサイトをご確認ください)
【メイン企画展】
ザネレ・ムホリ|ものが王冠になるとき、会場|TOFROM YAESU TOWER
2026年ハッセルブラッド国際写真賞受賞者であり、現代写真を代表するアーティストの一人、ザネレ・ムホリによる展覧会。世界で最も権威ある写真賞のひとつとされるハッセルブラッド国際写真賞を受賞したムホリは、南アフリカを拠点に、写真を通して人種、ジェンダー、セクシュアリティ、そしてアイデンティティをめぐる問いを投げかけ続けています。
本展では、代表作〈Somnyama Ngonyama, Hail the Dark Lioness(漆黒のライオネスよ、讃えよ)〉を中心に紹介します。洗濯ばさみやゴム手袋など、家事労働やケアを象徴する身近なものを王冠や装身具へと見立てたセルフポートレートは、歴史の中で不可視化されてきた労働や記憶に新たな意味を与え、尊厳と誇りを力強く表現しています。
展覧会タイトル「ものが王冠になるとき、」は、ありふれた日用品が価値や尊厳の象徴へと姿を変える瞬間を表しています。ムホリの作品は、「誰が見るのか」「誰が見られるのか」という写真の根源的な問いを投げかけると同時に、写真が存在を肯定し、新たな関係性を生み出す表現となり得ることを示します。
T3のテーマ「と」にも響き合う本展は、「撮る/撮られる」「主体/客体」といった二項対立を超え、写真が人と人、人と社会をつなぐ新たな可能性を提示します。
Zanele Muholi(ザネレ・ムホリ)
ザネレ・ムホリ(Zanele Muholi)は1972年、南アフリカ・ダーバン近郊のウムラジ生まれ。ケープタウンを拠点とするヴィジュアル・アクティヴィスト。黒人LGBTQIA+の生を記録し、讃え、守り伝えることを実践の核とする。セルフポートレート連作『Somnyama Ngonyama(ソムニャマ・ンゴニャマ)』では自ら被写体と作り手を兼ね、人種、ジェンダー、労働、セクシュアリティ、表象を探求する。支配的な視覚の歴史とステレオタイプに対峙し、黒人性を取り戻す試みを続けている。作品はテート・モダン(ロンドン)、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)、ブルックリン美術館(ニューヨーク)、アムステルダム市立美術館、ヨーロッパ写真美術館(パリ)など世界の主要美術館で展示され、第61回ヴェネチア・ビエンナーレにも参加。2026年、ハッセルブラッド国際写真賞を受賞。
【メイン企画展】
ルーカス・フォグリア|コンスタント・ブルーム会場|東京ミッドタウン八重洲

ルーカス・フォグリア〈Constant Bloom〉より
「人間と自然の関係」を一貫したテーマに制作を続け、国際的に高い評価を受けるアメリカの写真家、ルーカス・フォグリアによるシリーズ〈Constant Bloom〉を紹介します。
ペインテッド・レディ(ヒメアカタテハ)は、世界最長の渡りを行う蝶として知られています。本作では、アフリカから中東、地中海を越え、ヨーロッパへと移動する蝶の軌跡をたどりながら、同じように国境を越えて移動する人々の姿を重ね合わせています。
ルーカス・フォグリアは、蝶の移動と人間の移動をひとつの風景として見つめることで、自然と人間、生態系と政治的境界線を切り離されたものではなく、互いにつながり合う存在として描き出します。私たちが「境界」と呼ぶものは、本当に明確な線として存在しているのか──作品は、その問いを静かに投げかけます。
T3のテーマ「と」にも響き合う本展は、人と自然、人と人、そして異なる土地や文化を結ぶ見えないつながりに目を向け、新たな世界の見方を提示します。
【企画展1】
サラ・ファン・ライ|L’epaisseur du temps(時の奥行)会場|東京建物日本橋ビル/三栄ビル

(C)Sarah van Rij
写真やコラージュ、セルフポートレートを通して、詩的なイメージを生み出す写真家、サラ・ファン・ライによる展覧会です。さまざまな場所や瞬間、現実から切り取られた断片をレイヤー状に組み合わせた作品には、記憶が幾重にも重なり、時間が折り畳まれ、見慣れた風景がどこか不思議な世界へと変容していきます。それは、目に見える世界を記録するというよりも、私たちの認識と想像のあいだに存在する視覚言語を浮かび上がらせる魔法のようです。
本展では、風景やオブジェクト、身振りに加え、東京の街並みもまた、幾層もの時間を宿す風景として作品に織り込まれています。異なる場所や記憶、時間が静かに重なり合うことで、「時の奥行」が立ち現れます。
【企画展2】
植田正治&牟禮朱美|Shoji Ueda's Inner Child / さなぎの中は誰も知らない会場|東京建物八重洲ビル

植田正治 (C)沼田早苗

牟禮朱美 (C)阿部章仁
フランスのインデペンデントキュレーターであるマーク・フューステルがキュレーションを手掛けています。
・Shoji Ueda’s Inner Child(植田正治)
日本写真を代表する写真家、植田正治の作品を、「子ども」という視点からあらためて見つめ直す展覧会です。鳥取砂丘を舞台にした独創的な演出写真で広く知られる植田正治ですが、本展では代表作『童暦』(1971年)を中心に、子どもたちに向けられたまなざしに焦点を当てます。そこには、被写体を見つめる観察眼だけでなく、世界への尽きることのない好奇心と遊び心が息づいています。
展覧会「Shoji Ueda's Inner Child」は、生涯自らを「アマチュア」と呼び続け、自由な発想で写真表現を追求した植田正治の創作の原点をたどるとともに、写真を通して世界を発見し続けた稀有な写真家の姿を紹介します。
・さなぎの中は誰も知らない(牟禮朱美)
植田正治の写真精神を受け継ぎながら、現代の視点で「思春期」を見つめ続ける写真家、牟禮朱美による展覧会です。鳥取県境港市を拠点に地元の学生たちを撮影し続ける牟禮は、「思春期」という言葉に結びつけられた固定的なイメージではなく、言葉では捉えきれない揺らぎや、移ろいゆく感情を写真を通して丁寧に見つめてきました。制服という「さなぎ」に包まれた十代の少女たちの姿は、被写体である少女たちと作家自身の記憶が静かに重なり合う風景として描かれます。
本展は、植田正治の作品とあわせて展示されることで、時代を超えて受け継がれる写真のまなざしと、撮る者・撮られる者の関係性の変化を浮かび上がらせます。
【企画展3】
アントニー・ケアンズ、ピータン|STUDIO+|拡張する現代写真 #2 Maison Europeenne de la Photographie(MEP)との国際共同企画
会場|TODA BUILDING 3F

Exhibition view 'PXL CTY' by Antony Cairns at MEP - Maison europeenne de la photographie, Paris, 2022. (C)Tadzio

(C)PIDAN 字宙の一粒を持ち支えようとした妄想
Maison Europeenne de la Photographie(MEP)との国際共同企画として開催する展覧会です。本展は、MEPが新進作家と実験的な写真表現を世界へ発信するプラットフォーム「STUDIO」と連携し、ロンドンを拠点に活動するアントニー・ケアンズと、東京を拠点に活動するPIDAN(ピータン)による作品を紹介。写真というメディアの境界を軽やかに越えながら、データや情報、物質とイメージ、現実とフィクションなど、多様な関係性を横断する作品を通して、現代写真の新たな可能性を提示します。
「フランスとイギリスと日本」「パリとロンドンと東京」「制度化された展示空間とビルの間隙」──複数の「と」が交差する本展は、T3 2026のテーマ「と(&)」を、展示そのものの構造によって体現する企画です。

MEP(メゾン・ユーロペンヌ・ド・ラ・フォトグラフィー)は、フランス・パリを代表する写真芸術の国際機関であり、著名作家から次世代アーティストまで幅広い展示を行っています。その中でも「STUDIO」プログラムは、若手・新進アーティストに初個展の機会を提供する先鋭的な制度であり、MEPが作品制作費を負担し、報酬も支払う支援型のモデルを採用しています。このプログラムは写真と文学、映像、科学などの異分野横断的対話も重視されており、近年の欧州文化政策の先端的事例としても注目されています。
【企画展4】
鈴木のぞみ&上原沙也加|写真と想像力:鈴木のぞみ & 上原沙也加 with the Higashikawa Award Collection
会場|Gallery & Bakery Tokyo 8分(TODA BUILDING 1F)

鈴木のぞみ《見沼代用水 通船堀をデザインした欄干の穴から 緑区 埼玉》 2023年 <Monologue of the Light>より

上原沙也加《沖縄県 豊見城市 瀬長》2017年<眠る木>より ※受賞時の作品名「The Others, 2016-2019」から改訂
近年、目覚ましい活躍を見せる鈴木のぞみと上原沙也加。写真を通じて優れた表現活動を行う作家に贈られる「写真の町」東川賞(新人作家賞)をともに受賞した二人の、東川賞受賞作と近作を紹介します。本展のキーワードは、想像力です。
街中や日用品に見られる小さな穴を通った光が作る映像を印画紙や日用品に定着させ、もうひとつの世界の姿を可視化する鈴木のぞみ。目の前の風景に折り重なる時間や出来事の痕跡をたどりながら、沖縄を撮り続ける上原沙也加。二人は、被写体や情報を記録するだけでなく、その場所や物に宿る歴史や意味へと眼差しを向けています。
本展は美術館主任学芸員の大澤紗蓉子がキュレーションを手がけ、写真の余白に広がる時間や記憶を読み解き、一枚の写真の奥にある世界を想像する機会を創出します。
【企画展5】
児玉浩宜 & South Ho|T3 NEW TALENT:Trace Layers会場|東京スクエアガーデン 1F

(C)South Ho
T3 NEW TALENT育成対象者であるインディペンデントキュレーター・池田佳穂による本展では、児玉浩宜とSouth Hoという二人の作家を通して、都市の表面に刻まれた痕跡から時間の重なりをたどります。児玉浩宜は、社会的な出来事の渦中で変化する都市空間を見つめ、人々の行為や集まりによって刻々と移り変わる風景を捉えます。一方、South Hoは、抗議活動や社会運動のあとに残された痕跡に目を向け、時間とともに日常へ溶け込んでいく記憶を描き出します。二人の異なる時間軸を往還することで、本展は都市を単なる物理的な空間ではなく、出来事や記憶が折り重なりながら書き換えられていく場として捉え直します。
【企画展6】
piczo|レインカネーション会場|八重洲ダイビル ヤエチカ(八重洲地下街)25階段

piczo 2024年 <reincarnation>より
ロンドンを拠点に活動したのち、現在は日本を拠点に国内外で活躍する写真家、piczoによる展覧会です。
20年間暮らしたイギリスを離れ、日本へ拠点を移す前に訪れたアイスランド。同じ被写体、同じルート、同じホテルをたどる旅を通して、過去の記憶と現在の風景が静かに重なり合います。
展覧会タイトル「reincarnation」が示すように、本展は写真を固定された記録ではなく、新たな意味を宿しながら生まれ変わり続ける存在として捉えます。写真を通して、記憶と時間、そして風景との新たな関係性を描き出します。
【企画展7】
アイラゴン|人類の三回目の呼吸会場|YANMAR TOKYO B1F HANASAKA SQUARE

(C)️Ayalguun 《人類の三回目の呼吸》2026
中国・内モンゴル自治区出身、現在は京都を拠点に活動するアーティスト、アイラゴンによるインスタレーション。遊牧民の住居であるゲルを想起させる円筒形の空間に、羊毛フェルトで編まれた白い三つ編みのロープと、祖父から受け継いだ伝統歌唱「ホーメイ」、そして自然の音が響き合う作品です。呼吸、自然、人間――循環する生命の営みを通して、モンゴルと日本、伝統と現代、失われるものと受け継がれるものを静かに結び直します。
本展は、ヤンマーグループのHANASAKAの理念のもと、新たな才能を社会へひらく「HANASAKA SQUARE」の取り組みとして開催されます。
フェスティバルと連携してアソシエイト展も開催し、エリアを盛り上げます。
【アソシエイト展1】
村越としや|沈黙の中身はすべて言葉だった会場|JINS銀座店
会期|8月11日(火)~11月11日(水)

(C)Toshiya Murakoshi, "A gradual thaw", 2011-2015
【アソシエイト展2】
富士フイルム GFX Challenge Grant Program 2025 受賞作品展会場|京橋エドグラン 1F ガレリア(10月16日~10月26日)

(C)Wang Jiay
【スチューデントプログラム】
閻 玥琳|T3 STUDENT PROJECT 2025 Grand Prix 受賞作家展 閻 玥琳「絆 / BOND」会場|富士フォトギャラリー銀座(10月2日~10月8日)/大丸東京店(1F JR 側デジタルサイネージ)

(C)Yan Yuelin

【T3 PHOTO FESTIVAL開催概要】
「写真」という日本が誇る文化資産を軸に、八重洲・日本橋・京橋・銀座エリアの都市空間を横断して展開するアートフェスティバル「T3」は、2026年10月3日から24日間にわたり開催します。日本語で最も小さな接続詞「と」をテーマに、世界中の写真家とともに、人と人、世界と世界をつなぐ新たな可能性を写真を通して探ります。
日程|2026 年 10月3日(土)~26日(月)
*T3 PHOTO ASIAは10月16日(金)~19日(月)に開催
入場|無料
主催|一般社団法人 TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY
主管|株式会社シー・エム・エス
企画|T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 実行委員会
https://t3photo.tokyo/
@t3photofestivaltokyo
・︎デジタルスタンプラリー“無敵すぎるネコ”を探しながら、東京を巡ろう!

(C)Masayuki Oki
八重洲・日本橋・京橋・銀座エリアを舞台に、隠れたネコを探すデジタルスタンプラリーを開催します。東京駅では、ネコ写真家・沖昌之の作品で構成されたインフォメーション展を実施。歌川国芳の浮世絵『其のまま地口 猫飼好五十三疋』に着想を得て、現代の街に現れる個性豊かなネコたちがT3 PHOTO FESTIVAL TOKYOと街をつなぐガイド役として登場します。スマートフォンを片手に街を巡り、ネコたちを探しながら、展示と街歩きをあわせてお楽しみいただけます。集めたスタンプに応じて素敵なオリジナルグッズをプレゼント。
インフォメーション展
会場|JR東京駅グランスタ八重洲B1通路(八重洲地下中央口改札外)
・︎ ArtlasによるAI音声ガイド&インタラクティブT3マップ
アートとカルチャーに特化したAIアプリ「Artlas(アートラス)」との協働により、T3をより深く、より自由に楽しめるデジタルサービスを提供します。子どもから学生、大人まで、さらに視覚的なサポートを必要とする方にも配慮したAI音声ガイドをはじめ、作品について自由に質問できるAIチャット、複数の会場をスムーズに巡るためのインタラクティブマップが利用可能に。さらに、デジタルスタンプラリー「無敵すぎるネコ」もArtlasアプリ内で展開。
街を歩きながら写真や展示と出会い、自分のペースで写真祭を巡る、新しい鑑賞体験を提案します。
・︎10月16日(金)~19日(月)まではTOFROM YAESU TOWERへ!
・アジア全域における写真の文化的・創造的な可能性を再考することを目的にスタートした写真フェア「T3 PHOTO ASIA」を 6F「東京建物 ぴあ シアター&カンファレンス」にて開催・アーティストや出版者が自ら作品を持ち寄るブックフェア「T3 BOOK MARCHE」を開催(17日、18日)
・ホイットニー美術館、ポンピドゥー・センター、シカゴ美術館--世界の主要文化機関のキュレーターたちが集い、写真とアジアの現在を語る「T3 Talk Program」を開催
・︎パリ日本文化会館でT3 NEW TALENTによる展示「Five Viewsー箱庭日本ー」を開催
世界に向けて活躍できる現代作家やキュレーターを発掘・支援することを目的にスタートした 「T3 NEW TALENT」で選ばれた、5組の日本人作家による展示「Five Views- 箱庭日本-」がパリ日本文化会館にて10月6日(火)~11月14日(土)に開催されます。【助成】

文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター支援基金)

アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】

オランダ王国大使館

大和日英基金

ゲーテ・インスティトゥート東京
【特別協賛】
東京建物株式会社、東京ミッドタウン八重洲、TOFROM YAESU、東京スクエアガーデン、戸田建設株式会社
【協賛】
株式会社シグマ、富士フイルム株式会社、ヤンマーコーポレーション株式会社、ヤンマーホールディングス株式会社、ダイビル株式会社、写真文化首都「写真の町」東川町、株式会社ジンズ、一般社団法人東京ステーションシティ運営協議会、大丸東京店、一般社団法人京橋彩区エリアマネジメント、中央日本土地建物株式会社、HAMACHO HOTEL、東京建物 ぴあ シアター&カンファレンス
【特別協力】
東京地下鉄株式会社、京橋エドグラン、富士フォトギャラリー銀座、ArtSticker(運営:The Chain Museum)、Artlas、POETIC SCAPE、MISA SHIN GALLERY
【地域広報連携】
ARTE TOKYO、アーティゾン美術館、IG Photo Gallery、キヤノンギャラリー銀座、国立映画アーカイブ、シャネル・ネクサス・ホール、ソニーイメージングギャラリー、東京ステーションギャラリー、BUG(運営:株式会社リクルートホールディングス)、ポーラ ミュージアム アネックス、三菱一号館美術館(運営:三菱地所株式会社)、森岡書店、ライカギャラリー東京
【後援】
東京都中央区、日本橋六之部連合町会、京橋一の部連合町会
【公認】
フランス写真200周年
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