花手水発祥の地で、時を超えた「もう一つの京」が初公開。寛永行幸400年記念「洛中洛外図屏風」特別公開
「花手水の発祥地」として全国的なフォトジェニックスポットの地位を確立した、京都府長岡京市の古刹・柳谷観音 楊谷寺(所在地:京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2)。
この楊谷寺が今、観光ブームを超えた「寺院としての本来の役割」と「歴史的・文化財的価値の継承」へと大きく舵を切ろうとしています。
寛永行幸から400年という節目を記念し、今年7月に長岡京市協力による秘仏のご本尊・「十一面千手千眼観世音菩薩」の学術調査に続き、2026年10月17日(土)~10月25日(日)の期間で楊谷寺所蔵の「洛中洛外図屏風」の特別公開が決定しました。
楊谷寺ではこうした学術調査や非公開文化財の特別公開をはじめ、同寺がもつ歴史的価値や文化財としての側面を次世代へ正確に継承していく試みに力を注いでいます。
今回の初公開を通じて、かつて京を生きた人々の息吹や400年前の賑わいを感じるとともに、楊谷寺が誇る貴重な文化財と「祈りの空間」を味わうことができます。
同作は2015年の京都文化博物館の特別展「京を描く」での展示以降の公開はされておらず、公での展示は実に10年ぶりとなり、かつ寺内で屏風単独での公開は初となります。(屏風は安全確保と文化財保護のため撮影不可となります)


1. 寛永行幸から400年。眠りから覚める秘蔵の「洛中洛外図屏風」
洛中洛外図屛風とは、織田信長から上杉謙信へ贈呈された狩野永徳作の「上杉本」が有名で、教科書や副読本に京の暮らしの様子として掲載されていますが、同じモチーフの作は複数存在することはご存じでしょうか?今回初公開されるのは、柳谷観音 楊谷寺所蔵の「洛中洛外図屏風」。寛永行幸から400年の節目を迎える今年、静かに守り伝えられてきたもう一つの京の姿が、いま初めてその姿を現します。
豪奢な煌めきの中に、かつて京を生きた人々のみずみずしい暮らしの風景が鮮やかに描かれており、400年前の空気感を間近で感じられる非常に貴重な機会となります。
この機会でしか得られない鑑賞体験を通して、絢爛たる金箔の上に描かれた賑わいの息吹をぜひ間近でご体感ください。
拝観には洛中洛外図屛風があしらわれた特別デザインの拝観チケットの他、特別拝観をご利用の皆様へ「記念ポストカード」をプレゼントいたします。配布は三種の中からランダムとなりますが、追加でポストカードのみ購入することもできます。

▲拝観特典で授与されるポストカード
2. 「映え」の先へ──歴史的価値と文化財保護への真摯な取り組み
柳谷観音 楊谷寺は「花手水の発祥地」として、歴史鑑賞体験を始め、写真映えや花を愛でる多くの参拝者に親しまれてきましたが、今年はこの特別公開や、先日行われた長岡京市文化財保存活用課の学術調査を皮切りに、文化財保護と歴史的側面の発信を軸に寺院本来の役割である「祈りと歴史の継承」により深く向き合う取組を進め、次世代へと続くお寺としての魅力を一層高められるよう意欲的に取り組んでいくとのことです。
▲四季折々の風景を見せてくれる上書院
3.「見に行く場所」から、「体感する場所」へ。文化財の空間を「体験する」新たな試み
特別公開の舞台となるのは貴賓来訪の茶室空間として知られ、四季折々の絶景を誇る「上書院」。
名勝庭園を望むこの場所は、今年6月公開の映画「黒牢城」のロケ地となるなど、柳谷観音 楊谷寺を象徴する文化的空間の一つでもあります。
これまでの特別公開では、多くの来訪者が限られた時間の中での入れ替え制によって室内や庭園を見学するスタイルが中心でした。
しかし同寺では現在、本来日本の歴史の中で文化サロンや文化継承の場として寺という存在があったことに着目し、「効率を優先した短時間の鑑賞では、お寺本来の癒やしや歴史の真価が伝わりきらない」という思いから、従来の拝観形式を根本から見直し始めています。
今後は効率的な「鑑賞のみの観光的要素」から脱却し、過ごす時間そのものを価値として捉える「体感型」の拝観が味わえるように工夫していくとのことです。
これまでのように、文化財や映えの空間を単に「見る」「写真を撮って終わる」だけではなく、静寂の中で歴史や文化とじっくり対話できるような、より上質な体験プログラムの導入を検討しているといいます。
実際に現地を訪れ、400年前の京都や寺院文化に触れてみる。
今回の「洛中洛外図屏風」公開は、そうした「楊谷寺が目指す新たな空間・文化体感スタイル」の皮切りとなる注目の機会となりそうです。
【開催概要】
イベント名寛永行幸400年記念 文化財特別公開「洛中洛外図屏風」
開催期間
2026年10月17日(土)~10月25日(日)
拝観時間
9:00~16:00(最終受付15:30)
※閉門17:00
拝観場所
柳谷観音 楊谷寺 上書院 京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2
拝観料
2,000円(記念ポストカード付)
※別途、入山時に入山料500円
協力
長岡京市文化財保存活用課
公式サイト
https://www.yanagidani.jp/
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