深刻化するアライグマ被害への対応策神戸市では市民と連携した「KOBEアライグマバスターズ」が始動!
全国的に特定外来生物に指定されているアライグマの被害が増加し、農作物被害・住宅への侵入・糞尿による衛生被害・文化財など古い建物の被害、生態系への影響など様々な問題が発生しています。
国によると農作物の被害額において2004年度は約1億3,000万円であるのに対し、2024年には約6億9,000円と20年間で5倍以上になっています。また、都心部での目撃・相談数も増加傾向にあり全国的な課題となっています。
神戸市でも市民からの相談件数や農作物被害額は増加傾向にあり、2024年度にはイチゴやブドウなどの果物を中心に約3,273万円もの被害がありました。また、市内の里山公園ではレッドリストに登録される希少な在来種の捕食も確認されています。
こうした状況を受け、神戸市では2026年5月に新たな市民参加型の取組「KOBEアライグマバスターズ」を始動させ、7月から活動を始めました。
1)神戸市でのアライグマ捕獲頭数と農作物被害額|2024年度は全国でもトップクラスの捕獲数に
市では従来から様々なアライグマ対策を実施しており、市内の捕獲頭数は増加傾向にあります。特に箱わなの増設を行った2024年度に関しては、全国市町村別の捕獲頭数としてトップクラスの2,948頭となりました。 2025年度は減少していたものの、相談件数や被害額は依然として多い状況であり、従来の対策に加えた新たな取組が必要となっています。

アライグマ捕獲頭数と農作物被害額 ( 神戸市 )

農作物被害

建物被害
2)KOBEアライグマバスターズの始動|市民と連携した新たな担い手の確保
そこで神戸市では、捕獲を行う新たな担い手の確保のため、緑地や河川、公園等の公共的な場所において捕獲活動を行う「KOBEアライグマバスターズ」の募集を実施したところ、当初想定していた5団体を大きく上回る20団体の登録となりました。
募集団体 | 5名以上の市民団体 (自治会、NPO法人など)
活動内容|箱わなやセンサーカメラの設置、適切な見守り、エサ交換等
捕獲謝礼|3,000円/頭(処理・運搬も行う場合は8,500円/頭)
活動に際しては座学による講習会と現地講習会を市職員(鳥獣対策専門員等)がおこない、安全面・技術面を支援します。

◼️7月よりバスターズの活動を開始しています!
応募団体には随時ヒアリングのうえ、順次研修等を実施し、活動を開始していただいています。
応募の動機としては「地域のアライグマを何とか減らしたい」という声が多くありました。今月から必要な講習を終えた団体から活動が開始。高校の部活動として活動している団体もあり、多様な団体が市内各地でアライグマ対策に取り組んでいます。
登録団体…20団体158名(2026年7月21日現在)

バスターズとして初めて捕獲したアライグマ(神戸高校・生物班提供)
3)神戸市の鳥獣対策の取組
神戸市では従来からアライグマやイノシシ・クマなどの有害鳥獣の相談に対応する専門の窓口「鳥獣相談ダイヤル」を2015年4月から設置するなど、積極的に有害鳥獣の対策に取り組んできました。
捕獲人材の育成や啓発のため2014年から模擬銃を使った説明や射撃の実況見学を行うハンター体験会を開催。2022年には自治体で初めて外来生物に特化した啓発施設「外来生物展示センター」を開設しました。
2024年には、市内に設置するアライグマの箱わなを700基から1,400基へ倍増し、捕獲エリアの拡大と被害が多いエリアでの集中的な捕獲を推進。2025年4月には、有害鳥獣の目撃・被害状況を神戸市公式LINEから報告出来るようにしました。さらに、同年11月からは鳥獣対策専門員を配置。現在は2名の専門員が専門的・科学的知見に基づいた効果的な捕獲等を進めています。


吉田 洋(2025年11月~)

岩下 明生(2026年5月~)
参考|神戸市鳥獣相談ダイヤル相談件数
2023年度:3,095件(うちアライグマ 868件)、2024年度:3,831件(うちアライグマ 1,077件)
2025年度:4,468件(うちアライグマ 701件)
■山との境を約300台のセンサーカメラで監視
また、クマやシカの侵入にも目を光らせており、2018年から市内の山間部で動物等を分析するAIが搭載されたセンサーカメラによる監視を継続しています。撮影された動物等がAIの分析によりニホンジカやツキノワグマと判定された場合、関係部局等の職員へ画像や位置情報を送信する仕組みで、隣接市にてクマが確認された2024年には100台を増設しました。
このAI搭載のセンサーカメラ約250台に加え有害鳥獣捕獲用カメラ約50台を含めた約300台の監視カメラで動態調査を続けてきました。

センサーカメラの映像

設置された捕獲檻
■神戸市で初のツキノワグマの確認|センサーカメラ約200台の増設
2026年6月に、センサーカメラによりツキノワグマが神戸市内の山林ではじめて確認されました。神戸市では速やかに鳥獣対策専門員や森林動物研究センターによる専門的知見に基づいた調査や、周辺住民への注意喚起を実施。専用のドラム缶を用いた捕獲檻も設置しました。そして更に約200台のカメラの増設も決定。8月中に約100台、さらに年度内に約100台を設置し体制強化をおこないます。
また、住宅街の防犯カメラをクマ対応にも活用することで、万が一山間部以外での目撃情報があった場合にも確認できるようにします。市内の防犯カメラは2025年度末時点で4,200台あり、2026年度末までには1,300台増設し計5,500台の設置を予定しています。
センサーカメラの増設に向け、6月30日からクラウドファンディング型ふるさと納税で寄附を募集しています。神戸市民の方も寄附が可能で、いただいた寄附金はセンサーカメラ増設費用の一部に充当します。

神戸市では引き続き安心して生活できるよう市民のみなさまと一緒に鳥獣対策に取り組んでいきます。
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