台湾原住民タイヤル族の文化継承者、尤瑪・達陸氏が登壇。多摩美術大学、文様と記憶の未来を探る国際シンポジウムを10月17日に開催

多摩美術大学アートとデザインの人類学研究所、開所20周年を記念し、第5回「記憶の道」シンポジウムを八王子キャンパスにて開催


「文様創造:生成する記憶の未来へ」ポスタービジュアル(写真:港千尋 / デザイン:中村陽道)

多摩美術大学(東京都世田谷区・八王子市/学長:内藤廣)は、2026年10月17日(土)に八王子キャンパスにて、第5回「記憶の道」シンポジウム「文様創造:生成する記憶の未来へ」を開催いたします。本シンポジウムはアートとデザインの人類学研究所の開所20周年を記念するもので、同研究所が主催し、芸術学科「21世紀文化論」との共催で行われます。

今回のシンポジウムでは、台湾原住民タイヤル族の重要伝統工芸保存者であり、アーティストとしても活動する尤瑪・達陸(ユマ・タル)氏を講演者に迎えます。伝統織物や民族衣装の研究・復元、文化継承に取り組みながら、現代美術へと昇華させてきた尤瑪氏。本学の研究者・教員らとともに、創造の歴史と未来について語り合います。

第5回「記憶の道」シンポジウム
「文様創造:生成する記憶の未来へ」開催趣旨

受け継がれた文様は、記憶を紡ぎ、新たな創造を生む
多摩美術大学の第二代学長を務めた人類学者・石田英一郎は、図案・文様研究の精神的系譜を受け継ぎ、「文様をして人間の創造の歴史を語らしめよ」と説きました。そして、文化人類学・芸術・デザインの融合を目指し、文様研究所を設置しました。

その理想を受け継ぎ、2006年に開設されたのが芸術人類学研究所(現・アートとデザインの人類学研究所)です。開所20周年を迎えた2026年、多摩美術大学文様研究プロジェクト協力のもと、当時の精神を現代へとつなぎ、台湾をはじめとする世界の文化との交流を通して、文様が記憶をどのように受け継ぎ、新たな創造を生み出していくのかを考えます。

開催概要


登壇者プロフィール


尤瑪・達陸|Yuma Taru
尤瑪・達陸|Yuma Taru台湾原住民タイヤル族の文化継承者・アーティスト。重要伝統工芸保存者。台湾中部イリュン・ペヌックス(Ilyung Penux)地域に生まれる。伝統織物・民族衣装の研究・分析・復元に長年取り組み、その技術と文化を継承しながら、多様な創作活動と実験的な作品制作を展開。タイヤル文化を学び継承する経験を通して、民族の哲学や精神性を現代美術の表現形式や作品のコンセプトへと昇華させている。また、伝統文化を基盤としながら、さまざまな現代素材を取り入れた表現にも積極的に挑戦している。近年は、「Before the Storm: Taiwan on the Frontier of Past and Future」(2025-2026年、ルートヴィヒ現代美術館、ハンガリー)、「フォルモサ∞アート――台湾の原住民藝術の現在」(2025年、国立民族学博物館、日本)、「重述的記憶」(2024年、尊彩藝術中心、台湾)、第14回光州ビエンナーレ(2023年、韓国)など、国内外の展覧会に参加。



深津裕子 | Yuko Fukatsu
染織史・服飾史家。多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻教授、同文様研究プロジェクト代表。テキスタイルの歴史研究、デザイン、保存修復まで幅広く手掛ける他、多摩美術大学文様研究プロジェクト代表としてアジアを中心に世界に広がる装飾文様研究を推進中。著書には『もっと知りたい日本の文様』など。
佐々木成明|Naruaki Sasaki
映像作家。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース教授、同文様研究プロジェクト。メディアアート作品を国内外の美術館で発表する活動と並行し、ゲーム・デジタルコンテンツ、CM、舞台作品の映像化、映像を使用した舞台の演出なども手がける。編著書に『情報映像学入門 (情報メディア・スタディシリーズ) 』『砂漠芸術論――環境と創造を巡る芸術人類学的論考』がある。
港千尋|Chihiro MINATO
写真家。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース教授、同アートとデザインの人類学研究所所長。芸術の発生、記憶の予兆などをテーマに制作と研究を続けている。著書に『記憶――創造と想起の力』『インフラグラム――映像文明の新世紀』『風景論――変貌する地球と日本の記憶』など多数。「第2回浪漫台三線藝術季」(台湾)国際キューレーター。
椹木野衣|Noi SAWARAGI
美術批評家。多摩美術大学リベラルアーツセンター教授、同アートとデザインの人類学研究所所員。1991年に初評論集『シミュレーショニズム』を刊行。他に『日本・現代・美術』『後美術論』『震美術論』『末世の芸術――来たるべき無人類のために』など著書多数。福島県の帰還困難区域で開催中の“見に行くことができない展覧会”、「Don’t Follow the Wind」では実行委員も務める。
佐藤直樹|Naoki SATO
デザイナー、画家。多摩美術大学グラフィックデザイン学科教授、同アートとデザインの人類学研究所所員。1994年『WIRED』日本版創刊にあたりアートディレクターに就任。1998年アジール・デザイン(現アジール)設立。2010年アートセンター「アーツ千代田 3331」設立に参画。2012年「トランスアーツ東京」を機に絵画制作へと重心を移す。3331クリエイティブディレクター。「東京ビエンナーレ」市民委員。
安藤礼二 | Reiji Ando
文芸評論家。多摩美術大学芸術学科教授、同図書館長。大学時代は考古学と人類学を専攻。出版社の編集者を経て、文芸評論家として活動を開始する。著書に『神々の闘争 折口信夫論』『光の曼陀羅 日本文学論』『列島祝祭論』『縄文論』『井筒俊彦 起源の哲学』など多数。監訳書に井筒俊彦『言語と呪術』。最新刊として『空海』がある。
金沢百枝|Momo KANAZAWA
美術史家。多摩美術大学芸術学科教授、同アートとデザインの人類学研究所所員。主な著書に『ロマネスクの宇宙 ジローナの《天地創造の刺繍布》を読む』『ロマネスク美術革命』『イタリア古寺巡礼』シリーズ、『キリスト教美術をたのしむ 旧約聖書篇』など。『工芸青花』でスペイン、スイス、ロシア、フランスなどのロマネスク美術や工芸について連載中。読売新聞読書委員。
陳芃宇 | Pengyu CHEN
画家。多摩美術大学絵画学科日本画専攻講師、同アートとデザインの人類学研究所所員。筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術専攻博士後期課程修了。第19回フィレンツェ賞展大賞受賞のため、フィレンツアカデミア美術学校に聴講、レジデンス参加(2017)。2024年第51回創画展創画会賞受賞。現在創画会準会員。日本、台湾、韓国、イタリアなど個展・グループ展多数。

アートとデザインの人類学研究所について

「芸術」という営みを数万年におよぶ「人類史の時空からとらえなおす」研究をおこなっています。従来、考古学や文化人類学などの研究に限定されてきた人類の創造活動を、初めて総合的芸術研究の中で正面から対象化し「芸術学×人類学=アート・アンソロポロジー」として発進させたのがはじまりです(2006年に多摩美術大学芸術人類学研究所が開所)。芸術人類学とは、人類史の長大なスパンにおいて過去・現在・未来へと進むあらゆる「表現(リプレゼンテーション)」を、自然と人、人と物、人と人の「関係性において刻々に生成するもの」としてとらえ、そこから人の有機的な心身のはたらきを明らかにしていく行為です。そのため私たちは「アート&デザイン」「ヒューマニティーズ(人文科学)」「サイエンス(自然科学)」の3領域を結びつけ、わが国と世界の民族・文化集団の芸術の生成と展開を先史からみつめ探究しています。人が自然から恵みを受け、その心・知・術によって創造してきたもの表現の蓄積を掘り起こすことによって、私たちは21世紀の現在が最も必要としている、真の「生命力の再生」へ寄与していきたいと考えています。



アートとデザインの人類学研究所 所内(「悠久のロックアート」展示風景)

八王子キャンパス 交通アクセス

所在地:東京都八王子市鑓水2-1723
アクセス方法:
◎JR横浜線・京王相模原線「橋本駅」北口バスロータリー6番乗り場より、神奈川中央交通バス「多摩美術大学行」で約8分
◎JR中央線「八王子駅」南口バスロータリー5番乗り場より、京王バス「急行 多摩美術大学行」で約20分
◆詳細な交通アクセスはこちら:
https://www.tamabi.ac.jp/access/

■学校法人多摩美術大学について
学校法人多摩美術大学理事長:青柳正規
多摩美術大学学長:内藤廣
所在地:〒158-8558 東京都世田谷区上野毛3-15-34
創 立:1935年
大学概要:創立以来「もの派」を牽引した関根伸夫、菅木志雄ら、またデザイン界でも深澤直人、佐藤可⼠和など世界を舞台に活躍する才能を数多く輩出。八王子市と世田谷区に2キャンパスを擁し、絵画、彫刻、工芸、デザイン、建築、映像、演劇、芸術学など幅広い領域を網羅する15学科/専攻/コースと大学院を設置。
https://www.tamabi.ac.jp

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