『Liminal – 池内ヨシカツ展』開催のご案内
池内ヨシカツ展実行委員会(京都府 文化生活部 文化政策室内)は2026年10月13日(火) - 25(日)の12日間(10月19日・月曜日は休館)、『Liminal - 池内ヨシカツ展』を京都市京セラ美術館
「光の広間」(京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124)にて開催いたします。

■ Yoshikatu Ikeuchi(池内ヨシカツ)とは

池内ヨシカツ
京都市生まれ。
作曲家・美術家・京都府文化観光大使
幼少期より、創作が日常の中にある環境で育つ。 正月には、画家である祖父から出されるお題をもとに、家族で絵を描くことが恒例となってい た。 絵を描くこと、音をつくること、何かを表現することが、早くから身近な営みとしてあった。
高校生の頃より、自身の楽曲をインターネット上で発表し、本格的に音楽制作を始める。
2016年には、坂本龍一が音楽を担当した映画『怒り』の劇中音楽を作曲。 その後も音楽活動を続ける一方で、絵画や立体作品にも取り組み、視覚表現と音楽を行き来しな がら創作を重ねてきた。
ある時期、病気を機に左耳の聴こえ方の変化を経験する。この経験は、自身の感覚と向き合う契機となり、音の聴き方、身体で受け取る感覚、表現との距 離をあらためて見つめ直す時間となった。 その後の創作では、音楽と絵画を別々の領域としてではなく、感覚や記憶を表現へと結ぶ方法と して捉え、創作の幅を広げている。
2023年、京都府文化観光大使に就任。
近年は京都府と連携した公募を実施し、若手音楽家の支援・育成にも取り組む。 自身の創作活動に加え、次世代の表現者が活動の場を得るための機会づくりにも関わっている。
2025年11月『MUSORY ~ 池内ヨシカツ Experience ~』展開催(京都国立博物館)。
絵画、立体、音楽を横断しながら、感覚の変化や記憶、身体と表現の関係を探る創作を続けてい る。
*Solo Exhibitions
MUSORY - Yoshikatsu Ikeuchi Exhibition(京都国立博物館・2025年10月)
Liminal - Yoshikatsu Ikeuchi Exhibition(京都市京セラ美術館・2026年10月)
Yoshikatsu Ikeuchi Exhibition(京都市美術館別館・2027年1月)
*Group Exhibitions
Seeing Again(Tang Contemporary Art・ソウル・2026年5月)
First Sight (GALLERY CURU・バンコク・2026年5月)
Title TBA(Galerie Zberro・パリ・2026年10月 / Art Basel Paris Week)
*Art Fairs
ART CENTRAL(香港・2026年3月)
ART BUSAN (釜山・2026年5月)
Frieze Seoul(ソウル・2026年9月)
Art Jakarta(ジャカルタ・2026年10月)
◇ Liminal - 池内ヨシカツ展に寄せて ― アーティストステイトメント
見ること、聴くことののあいだには、翻訳できないものがあります。
ひとつの色が、特定の音に置き換わることはなく、その逆もまた同じです。
音が時間のなかに消えていく一方で、絵は痕跡としてその場に留まります。
そのあいだに生まれる関係は、あらかじめ決められたものではなく、みることと聴くことなかで、そのつど形を変えていきます。
近い距離で関わるものほど、ひとつの意味に置き換えることはできません。
会場を移ろう光は、音と絵のあいだを通り抜けるように、時間と共に全体の表情をゆっくりと変えていきます。
今回の展覧会では、異なる表現をひとつに統合するではなく、そうした変化が生まれる条件を作品として構成していきます。

会場イメージ
■ 知覚、身体、時間、そして他者性
作曲家としての活動も背景に持つ池内にとって、音や像は、ただそのまま受け取られるものではありません。
音楽や絵画、あるいは風景など、何かに触れた時に、感覚が起動する。
意識していなかった感覚が、少し輪郭を持ちはじめる。
池内はそのように知覚が立ち上がる瞬間をみつめています。
その眼差しの先に、作品制作のはじまりがあります。
同じ音楽を聴き、同じ風景を前にしても、そこから立ち上がる世界の受け取り方はひとりひとり違う。
その人の内で立ち上がる知覚が、作品の出発点になっています。
作家が手がかりとするのは、世界が一様には届かないという知覚のありようです。
同じ景色も、ある人には通り過ぎ、別の誰かには長く留まる。
その受け取る速度の違いは、身体によって異なり、欠落ではなく、ひとつの入口として見つめられています。
像は鮮明に立ち上がるのではなく、淡い色彩が幾重にも重なり、滲みながら定着していく。
そこでは、時間がゆるやかに折り重なっています。
知覚の輪郭が立ちのぼるとき、そこには響きを帯びた余白も生じます。
この余白は、何もないという意味ではありません。
意味がまだ定まらない、ゆらぎのような朧げな余白です。
それは絶対的に定められたものではなく、ひとりひとりの内にそれぞれに少しずつ像を結んでいきます。
同じ場所にいても、同じ世界を共有しているとは限らない。
その他者性の感覚が、画面の底に流れています。
画面に現れる人物たちは、無垢で受け身の存在ではありません。むしろ、自分だけの内面世界をもった存在です。
その作品は、親密で自伝的なものとして読むこともできます。
同時に、静かなプレゼンスの表現としても受け取ることができます。
際立っているのは、複雑な感情を、説明ではなく表情やまなざしによって宿している点です。
人物たちは多くの場合、黙っていて、ひとりでいます。
それでも、画面の中で強い存在感を放っています。
人物たちは自分について説明しません。
ただ、こちらを見ている。
簡単には消費されない強さがあります。
その静けさの中にこそ、池内の表現を特別なものにしている手がかりがあります。
■ 京都からアジアへ広がる、ただひとりの表現
池内の出発点は、美術の文脈だけにあるのではありません。
音楽、記憶、個人的な感情の蓄積。それらが、絵画以前の層として作品の深部にあります。
世界が一様には届かないという知覚。
受け取りかたを分ける、身体。
ゆるやかに折り重なる、時間。
そして、同じ場所にいても同じ世界を見ているとは限らないという、他者性。
こうした感覚は、技法として受け渡されるものではありません。
ひとりの人間が、どう世界に触れてきたか。
その積み重ねだけが、画面に滲み出てきます。
興味深いのは、この個の探究が、いま東アジアの現代美術に生まれつつある視覚言語と深く響き合っていることです。
現在、アジアの複数の都市で作品が紹介されていることは、池内の表現が、地域を越えて共有される感覚に触れていることを示しています。
閾(しきい)の感覚、そこに立つ静けさを湛えた池内の作品。
京都の新しい世代の芸術を展望する上で見逃せない存在といえるでしょう。
■展覧会タイトル
Liminal - 池内ヨシカツ展
■ 会期
2026年10月13日(火) - 25日(日)
■ 会場
京都市京セラ美術館 本館1F「光の広間」
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 124
■休館日
2026年10月19日(月)
■開館時間
10:00 - 18:00(最終入場時間:17:30)
■入場料
無料
■ 展示作品
油絵:20点・ドローイング:3点・彫刻:3点・サウンドインスタレーション
■池内ヨシカツ:オフィシャルアートブック
美術評論家・文化研究者の山本浩貴氏との対談をはじめ、本展出品作品などの図版、
池内ヨシカツ自身による作品解説などを収録したオフィシャルアートブックを刊行予定です。
仕様:ハードカバー・約100ページ
販売について:後日、Yoshikatsu Ikeuchiオフィシャルサイトおよび公式Instagramにて発表
■オフィシャルサイト:www.ikeuchiyoshikatsu.com
■主催:MUSORY池内ヨシカツ展実行委員会(京都府 文化生活部 文化政策室内)
■後援:α-Station(株式会社エフエム京都)
■協賛:株式会社プレサンス
■協力:RSN Japan 株式会社(リーデル・ジャパン)
立命館大学 情報理工学部 西浦敬信教授
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