【北海道 釧路市】釧路湿原にて国内2例目となるシマクイナの巣を発見しました

釧路市立博物館は、2025年8月釧路湿原にて国内2例目となるシマクイナの巣を発見しました。本種は希少種かつ巣の発見が極めて困難であるため、学術的にも非常に価値の高いものです。

シマクイナとは?

シマクイナ(Coturnicops exquisitus)は極東ロシア~中国東部、日本に分布し、個体数の少なさ等から環境省レッドリストの絶滅危惧IB類(上位から2番目に危機的な状況)に選定されている希少種です。
これまで国内において、シマクイナは冬鳥(越冬のためにやってくる鳥)とされていましたが、近年の研究によって、夏鳥(繁殖するためにやってくる鳥)でもあることが分かりました。そのため、国内において初めて実際に繁殖及び巣を確認できたのはごく最近である2018年でした。
今回の巣の発見は国内2例目であり、近年繁殖が明らかになった背景からその生態はほとんど未知であるため、非常に価値の高い資料です。

釧路湿原のシマクイナ(撮影:石毛千栄子氏)

発見の経緯

当館職員が釧路湿原にてシマクイナ調査のため、湿原を歩行中、そばで本種の鳴き声を確認。付近で巣があるのではと思い、草むらを探すと巣と卵を発見。計測後、後日再訪すると本種が卵を抱いていたため、シマクイナの巣及び卵であることが分かりました。

シマクイナの巣と卵


今回の発見の特徴

今回は抱卵中の個体の発見であり、これは世界でも数例の記録しかありません。この個体は残念ながら抱卵放棄したため環境省へ確認の上、巣と卵を回収しました。卵発見の国内における事例は現在確認中ですが、巣の発見以上の価値があると考えられ、今後の研究に大きく役立つとみられます。

本発見を紹介する展示を開催中

会期:9月17日(木)~10月25日(日)午前9時30分~午後17時
会場:釧路市立博物館1階常設展示室(要入館料)
主催:釧路市立博物館
共催:釧路市立博物館友の会、釧路自然史研究会
【パネル展示】
・国内におけるシマクイナの歴史
・シマクイナの世界及び国内、釧路湿原の分布状況
・釧路湿原での発見に至った経緯
【実物資料】
・実物に回収した巣、卵、シマクイナのはく製

釧路市立博物館

釧路市立博物館は1936年に開館し、今年で90周年を迎えました。釧路の歴史・自然を紹介する総合博物館であり、1階は釧路の自然、2階は釧路の歴史、最上階はアイヌとタンチョウについて紹介しています。7mを越すシロナガスクジラの下あごやミンククジラの全身骨格標本、釧路の漁業の発展に貢献した川崎船、多種多用なアイヌ民具、ドーム型タンチョウのジオラマ等、釧路を包括的に学べる施設です。



北海道釧路市

釧路市は、北海道東部の太平洋岸に位置する、人口約15万人の港町です。平成17年に旧釧路市・阿寒町・音別町が合併して誕生し、湿原、湖沼、森林、海がつながる広大で多彩な自然と、ほどよい都市機能が調和しています。釧路湿原国立公園と阿寒摩周国立公園をはじめとする雄大な自然に恵まれ、特別天然記念物のタンチョウや阿寒湖のマリモなど、世界的にも貴重な動植物が息づいています。釧路地域には港の風景が広がり、阿寒地域にはアイヌ文化が受け継がれ、音別地域には蕗が季節を告げる清らかな川の風景があります。夏は8月でも約21℃と涼しく、爽やかな風の中で過ごせることも大きな魅力です。世界三大夕日のひとつに数えられる釧路の夕日をはじめ、それぞれの地域が持つ個性豊かな魅力が重なり合い、ひとつの釧路を形づくっています。

釧路市立博物館公式サイト https://www.city.kushiro.lg.jp/museum/index.html
釧路市公式サイト https://www.city.kushiro.lg.jp/

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