【国立アイヌ民族博物館】第12回テーマ展示「アイヌ民族とキリスト教 ―聖公会のつながりのなかで―」2027年3月13日から開催決定

激動の時代、聖公会のつながりに生きたアイヌ民族の物語

 国立アイヌ民族博物館(北海道白老町、野本正博 館長)は、第12回テーマ展示「アイヌ民族とキリスト教 ―聖公会のつながりのなかで―」を開催します。

本展覧会開催までの背景

 2019年に国立アイヌ民族博物館設立準備室が、立教小学校が所蔵するアイヌ資料の調査を行いました。その後、当館で開催した2023年度特別展示「“アウタリオピッタ” アイヌ文学の近代」をきっかけに、同資料の調査を当館研究員、立教小学校教諭、立教学院研究者らで本格的に進めてきました。2024年3月には、同資料が国立アイヌ民族博物館に寄託されました。その後も調査を進めるとともに、資料が収蔵されることに関わったバチラー八重子、立教小学校の教諭有賀千代吉とゆかりの深い3館(国立アイヌ民族博物館、立教学院展示館、辰野美術館)において、巡回展を開催することになりました。巡回展ではありますが、3館はそれぞれの特色をいかした展示を行います。なお、辰野美術館が所在する長野県辰野町は、有賀千代吉の生地です。また、2026年10月には、当館と立教学院のさらなる関係強化のため、連携協定を締結することとなりました。



【国立アイヌ民族博物館】第12回テーマ展示「アイヌ民族とキリスト教 ―聖公会のつながりのなかで―」2027年3月13日から開催決定
バチラー八重子が有賀千代吉に送り、立教小学校の児童に見せるために説明書きがつけられたと考えられる写真。右からバチラー八重子、ジョン・バチラー、ルイーザ

本展覧会の趣旨

 明治以降、アイヌ民族に対する同化政策などによって、それまでの生活の基盤であった狩猟や漁猟が禁じられ、自分たちのことばであるアイヌ語の継承が困難となり、生活習慣も禁じられるなど多くの制限を余儀なくされました。そして、それまでの暮らしが激変したことで生活が困窮し、激しい差別を受けるなど、アイヌ民族にとっては苦難の時代でした。
 しかし、そうした厳しい時代のなかでも、アイヌ民族は何を信じ、いかに生きたのか。本展覧会では、キリスト教の一教派であり、立教学院が属する教派である聖公会に注目することで、こうした寄る辺なき時代のなか、生きるよすがとしての信仰のもとに集った人たちと、そこで築かれた人と人のつながりに焦点を当てます。
 また、本展は立教小学校が所蔵するアイヌ資料を核としています。同資料は、聖公会のつながりを介して、1950年代後半にバチラー八重子(1884-1962)から立教小学校の教諭である有賀千代吉(1895-1987)に送られたアイヌ資料などで構成されています。バチラー八重子はその生涯をかけて、聖公会の伝道師としてウタリ(同胞)を訪ね歩き、感謝の祈りを共にしたことで知られています。
 バチラー八重子のもつ複雑で多様なつながりに注目することで、アイヌ民族が経験した近代のひとつの側面を映し出し、キリスト教というそれまでとは異なる信仰を受け入れながら、そのつながりによって生きようとしたことの意味に迫ります。
 なお、立教小学校のアイヌ資料は、2024年3月から国立アイヌ民族博物館に寄託されています。

基本情報

- 展覧会名称
第12回テーマ展示「アイヌ民族とキリスト教 ―聖公会のつながりのなかで―」
- 共催
国立アイヌ民族博物館、立教学院、立教学院展示館、辰野美術館
- 会場
国立アイヌ民族博物館 特別展示室(北海道白老郡白老町若草町2-3-1)
- 会期
国立アイヌ民族博物館 2027(令和9)年3月13日(土)~5月16日(日)
- テーマ展示WebサイトのURL
https://ainu-upopoy.go.jp/event/seikoukai2027/
- 内覧会
2027(令和9)年3月12日(金)13:30~15:30
- 特別展示観覧料 無料
※国立アイヌ民族博物館の入館にはウポポイの入場料が必要となります。

巡回展情報

 本展は立教学院展示館、辰野美術館との巡回展になります。巡回情報は以下の通りです。
- 立教学院展示館(東京都豊島区)
タイトル:「人がつなぐ文化遺産―立教小学校所蔵『アイヌ資料』の物語」
会  期:2026(令和8)年10月10日(土)~12月6日(日)

- 辰野美術館(長野県辰野町)
タイトル:没後40年 有賀千代吉とアイヌ文化(仮)
会  期:2027(令和9)年10月16日(土)~11月28日(日)(予定)

学校法人立教学院との連携協定の締結について

 国立アイヌ民族博物館と学校法人立教学院は、さらなる連携強化のため、立教小学校所蔵アイヌ資料を核とした調査研究、教育活動等における連携協定を締結することになりました。
- 締結日:2026(令和8)年10月10日

画像素材をご利用される方へ

 本展覧会の広報を目的として画像をご利用の場合は、画像下に表記されたキャプションを表記してご使用ください。
※国立アイヌ民族博物館は、民族共生象徴空間(愛称:ウポポイ)のなかにあります。

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