Liminal 池内ヨシカツ展
池内ヨシカツ展実行委員会(京都府 文化生活部 文化政策室内)は2026年10月13日(火)~ 25日(日)の12日間(10月19日・月曜日は休館)、『Liminal - 池内ヨシカツ展』を京都市京セラ美術館「光の広間」(京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124)にて開催いたします。


池内ヨシカツ
◾ Yoshikatsu Ikeuchi(池内ヨシカツ)
京都市生まれ。作曲家・美術家・京都府文化観光大使。
幼少期より創作が身近にある環境で育つ。高校生の頃から自身の楽曲をインターネット上で発表し、本格的な創作活動を開始。坂本龍一が音楽を担当した映画「怒り」の劇中曲や文化庁移転記念楽曲など数多くの作曲を手掛けてきた。「見ること」「聴くこと」という異なる表現の隔たりに焦点を当て、香港、ソウル、バンコク、台湾など、アジア各地で個展を開催。2023年には京都府文化観光大使に就任。近年は京都府と共同プロジェクトを立ち上げ、アーティストの支援・育成にも取り組んでいる。
*Solo Exhibitions
MUSORY - Yoshikatsu Ikeuchi Exhibition(京都国立博物館・2025年11月)
Liminal - Yoshikatsu Ikeuchi Exhibition(京都市京セラ美術館・2026年10月)
Yoshikatsu Ikeuchi Exhibition(京都市美術館別館・2027年1月)
profile text provided by the artist

Yoshikatsu Ikeuchi "A Trace of Seeing" 2026 Oil on canvas_910x727mm
◇ Liminal - 池内ヨシカツ展に寄せて - アーティストステイトメント見ること、聴くことのあいだには、表現間の隔たりがあります。
ひとつの色が、特定の音に置き換わることはなく、その逆もまた同じです。音が時間のなかに消えていく一方で、絵は痕跡としてその場に留まります。そのあいだに生まれる関係は、あらかじめ決められたものではなく、みることと聴くことのなかで、そのつど形を変えていきます。近い距離で関わるものほど、ひとつの意味に置き換えることはできません。会場を移ろう光は、音と絵のあいだを通り抜けるように、時間と共に全体の表情をゆっくりと変えていきます。今回の展覧会では、異なる表現をひとつに統合するのではなく、そうした変化が生まれる条件を作品として構成していきます。

Yoshikatsu Ikeuchi "Unbecoming Self" 2026 Oil on canvas_803x652mm
◇ 異なる表現の隔たり - アーティスト本人によるノート作曲家として、言葉や映像など異なる表現を音楽として置き換える実践が増えるなかで、意味や感覚はそのまま移されるのではなく、変換の過程で別の関係へと組み替えられていくことを意識するようになりました。
その経験から、異なる表現間の隔たりや、その間で生じる「生まれるもの」と「失われるもの」へと関心を持つようになりました。この関心は、輪郭の不整合や歪みとして、絵画へとつながっています。それは形を保ちながら、身体の一部だけが別の構造へと変わっており、変換の中で新しく現れるものと、消えていくものが同時に共存する状態が表されている。鑑賞者はまず、描かれた人物を「子ども」「無垢」といったイメージで捉える事が多いかもしれません。しかし、輪郭の不整合や歪み、表情が読み取りにくい省略された顔の構造は、最初に抱いた印象では捉えきれません。人物を言葉に置き換えた途端、その言葉によって伝わるものと、そこからこぼれ落ちるものが見えてくる。それは何者かは分かるのに、どのような存在なのかを言い切れない姿として、画面に残り続けています。

A TRACE OF SEEING2062年
油彩・キャンバス
910×727mm

UNBECOMING SELF2026年
油彩・キャンバス
803×652mm

ELUSIVE2026年
油彩・キャンバス
530×455mm

PASSING2026年
油彩・キャンバス
530×455mm

REMNANT OF LIGHT2026年
油彩・キャンバス
530×455mm

SURFACE MEMORY2026年
油彩・キャンバス
530×455mm
「Liminal 池内ヨシカツ展」に寄せて 山本浩貴
池内ヨシカツのなかで、絵画と音楽の制作は、密接に結びついたものでありながら、同時に互いに独立して存在するものでもある。池内にとって、そのいずれもが創造と表現の営みであり、彼は幼少期から両者に親しんでいた。一方、池内は絵画と音楽は相互に翻訳可能な形式ではなく、単に絵を音に、あるいは音を絵に「変換」しているのではないと強調する。むしろ、彼は、それらのあいだにある「互換性の空隙」、すなわち翻訳不可能な部分を探求している。「Liminal 池内ヨシカツ展」でも、彼が創造する視覚的イメージと聴覚的サウンドは自律しつつ共鳴し、共鳴しつつ自律している。
一般に、池内の絵画は具体的なイメージを伴う「具象画」とされる。かたちのない音響的感覚と深くかかわる彼の作品としては、意外かもしれない。だが、池内は絵画を「見るという行為に入るための一時的な入り口」と考える。それは作者の感覚を直接的に図像に置き換えたものではなく、それゆえに抽象的な形態を帯びない。作品を眺めるうち、鑑賞者は奇妙な感覚に襲われる。一見すると容易に認知できる日常的モチーフが、徐々に見慣れないものへ変容していく感覚。そうした認識のズレは、私たちに根源的な問いを意識させる--「本当は何が描かれているのか」、「自分は何を根拠に見ていたのか」と。
本展には、池内が左耳に難聴を抱えるようになった経験が影響を与えた。この作曲家にとって大きなハンデとなりうる経験を、彼はポジティブな仕方で創造活動に昇華した。音の聞こえ方が変化したことによって、池内は自身の身体音に意識を向けるようになった。すなわち、呼吸や心拍など、身体を有する人間が不可避的に発する音である。その音は生命活動の証しでもある。難聴の経験は、身体の外側で鳴る音から身体の内側で鳴る音へと関心の拡張を促した。本展は、池内が身体音に耳を澄ませた結果として生まれる音が、その絵画と自律的に共鳴し合いながら奏でる視覚・聴覚的な協奏曲である。
山本浩貴 文化研究者。1986年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、ロンドン芸術大学にて修士号・博士号取得。香港理工大学ポストドクトラルフェロー、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科助教、金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科芸術学専攻講師を経て、2024年より実践女子大学文学部美学美術史学科准教授。単著に『現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル』(中央公論新社、2019年)、『ポスト人新世の芸術』(美術出版社、2022年)、『12ヶ月でわかる現代アート』(美術出版社、2025年)、『地域芸術祭とは何か』(平凡社、2026年)。
◾ 展覧会タイトル
Liminal - 池内ヨシカツ展
◾ 会期
2026年10月13日(火) - 25日(日)
オープニングレセプション(by invitation only)
Date&Time: 2026年10月13日(火)20:00 - 22:00
Venue: 京都市京セラ美術館 中央ホール
◾ 会場
京都市京セラ美術館 本館1F「光の広間」
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町 124
*アクセス
・電車 地下鉄東西線「東山駅」より徒歩約8分
京阪「三条駅」・地下鉄東西線「三条京阪駅」より徒歩約16分
・市バス JR・近鉄・地下鉄「京都駅」から:A1のりば:5系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
阪急「京都河原町駅」から:Eのりば:46系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
Hのりば:5系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
京阪「三条駅」から:Dのりば:5系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
◾ 開館時間
10:00 - 18:00(最終入場時間:17:30)
◾ 入場料
無料
◾ 池内ヨシカツ:オフィシャルアートブック
美術評論家・文化研究者の山本浩貴氏との対談をはじめ、本展出品作品などの図版、
池内ヨシカツ自身による作品解説などを収録したオフィシャルアートブックを刊行予定です。
仕様:ハードカバー・約100ページ
販売について:後日、Yoshikatsu Ikeuchiオフィシャルサイトおよび公式Instagramにて発表
◾ 展示作品
油絵:20点・ドローイング:3点・彫刻:3点・サウンドインスタレーション
◾ オフィシャルサイト www.ikeuchiyoshikatsu.com
◾ SNS インスタグラム @yoshikatsuikeuchi
◾ ハッシュタグ #yoshikatsuikeuchi #池内ヨシカツ
#liminal #リミナル
◾ 主催:MUSORY池内ヨシカツ展実行委員会(京都府 文化生活部 文化政策室内)
◾ 後援:α-Station(株式会社エフエム京都)・株式会社京都放送
◾ 協賛:株式会社プレサンス
◾ 協力:RSN Japan 株式会社(リーデル・ジャパン)
立命館大学 情報理工学部 西浦敬信教授
企業プレスリリース詳細へ
PRTIMESトップへ