【新国立劇場】ブリテン没後50年 今こそ観るべき圧倒的傑作『ピーター・グライムズ』!現代に痛切に問いかける20世紀オペラの金字塔

ミラノ・スカラ座公演より Photo: Brescia and Amisano (C) Teatro alla Scala
新国立劇場(東京都渋谷区)は、11月23日(月・祝)より、ベンジャミン・ブリテンの代表作『ピーター・グライムズ』を新制作上演します。イギリス東海岸の漁村を舞台に、孤独な漁師ピーター・グライムズが村人たちから嫌疑をかけられ、追い詰められていく物語で、孤立と集団心理、希望と絶望を緊張感の中に描きます。弱者への眼差しに満ちたブリテンの音楽は、人物の心理を克明に描写して社会の不条理を浮き彫りにすると共に、海のうねりや嵐を力強くも美しく雄弁に描き、圧倒的に劇的な力で観る者の心を掴みます。ロバート・カーセン演出は2023年10月にミラノ・スカラ座で初演されたもの。グライムズの内なる情動とエスカレートする集団心理の暴力性を現代的なタッチで浮き彫りにし、絶賛を博しました。スカラ座でもグライムズ役に出演した世界的テノールのジョヴァノヴィッチ、エレン役が絶賛されるサリー・マシューズ、ワーグナー歌手として世界を駆けるシャナハンと、強力な歌手が揃います。指揮はブリテンに長年力を注いでいる大野和士。そして群集心理を体現し、「もう一人の主役」として真価を発揮する新国立劇場合唱団にもご期待ください。
公演詳細
孤独な魂の叫びと暴走する集団心理。ブリテンの弱者への視線があぶり出す社会の真実

ミラノ・スカラ座公演より Photo: Brescia and Amisano (C) Teatro alla Scala
イギリスを代表する作曲家ベンジャミン・ブリテンの代表作『ピーター・グライムズ』は、1945年にロンドンで初演され、ブリテンの名を一躍有名にした傑作です。ブリテンの故郷オールドバラを思わせる荒涼とした漁村を舞台に、孤独な漁師ピーター・グライムズが村人たちから少年殺害の嫌疑をかけられ、追い詰められていく物語。貧困の中で孤立していくピーター・グライムズの悲痛な叫びと暴走する集団心理とが描かれ、グライムズのささやかな希望、挫折、絶望への転落を緊張感の中に綴り、社会の不条理を私たちへ突き付けます。海や月の光、嵐を描写する音楽の美しさ、力強さも特徴で、『ピーター・グライムズ』から編曲された「4つの海の間奏曲」は、オーケストラ作品として頻繁に演奏される名曲です。
2026年はブリテン没後50年。社会の弱者への眼差しを持ち続けたブリテン、そして舞台を愛し舞台作品に力を注ぎ続けたブリテンの真骨頂と言える、記念碑的上演です。
ミラノ・スカラ座で絶賛されたロバート・カーセン演出版
演出のロバート・カーセンは、日本でも、バイエルン州立歌劇場、ミラノ・スカラ座など著名劇場の来日公演やサイトウキネン・フェスティバルで数々の演出作が紹介されている、世界トップ演出家のひとり。本プロダクションはカーセン演出により2023年10月にミラノ・スカラ座で初演され、「スカラ座はまさに大当たりを引いた(Il Giornale della Musica)」「SNS上でリンチ行為が横行する現代に、痛切なまでに共感を呼ぶ(Financial Times)」「息苦しい空間が、誰も逃れることのできないオールドバラの生活の狭隘さを効果的に伝える(Opera Magazine)」などと絶賛を博しました。ミラノでも観客の心を激しく揺さぶったカーセンの研ぎ澄まされた演出に、期待が募るばかりです。

ミラノ・スカラ座公演より Photo: Brescia and Amisano (C) Teatro alla Scala

ミラノ・スカラ座公演より Photo: Brescia and Amisano (C) Teatro alla Scala
大野和士×ジョヴァノヴィッチ!ドリームキャストがオペラパレスに勢揃い!

左上より大野和士、R.カーセン、B.ジョヴァノヴィッチ、S.マシューズ、J.シャナハン、N.ピッコロミーニ、渡邊仁美、今野沙知恵、糸賀修平、河野鉄平、齊藤純子、村上公太、吉川健一、大塚博章
タイトルロールのピーター・グライムズ役に出演するのは、ウィーン国立歌劇場やメトロポリタン歌劇場の常連として活躍する世界的テノール、ブランドン・ジョヴァノヴィッチ。このロバート・カーセン演出のプロダクションのミラノ・スカラ座での初演にも出演し、爆発的な攻撃性と優しさ、脆さを行き来する圧倒的な表現が「観客の心を激しく揺さぶった」と絶賛されました。
グライムズが思いを寄せるエレン役には欧州主要劇場で活躍し、各地でエレンを歌って称賛を集めるイギリスのソプラノ、サリー・マシューズ、バルストロード船長にワーグナー歌手として国際舞台を駆けるジョーダン・シャナハンと理想的な歌手が揃います。
指揮はブリテンを特に愛し、モネ劇場、リヨン歌劇場、エクサンプロヴァンス音楽祭、そして世界中のオーケストラで数々のブリテン作品を指揮している大野和士自らが当たります。
暴走する群衆となり、もう一人の主役として真価を発揮する新国立劇場合唱団にもご期待ください。
「ピーター・グライムズ」トレイラー映像
https://www.youtube.com/watch?v=L_B3wqjzp_Y
芸術監督・大野和士からのメッセージ
2026年11-12月はブリテンの傑作『ピーター・グライムズ』を上演します。元来私には、新国立劇場でブリテンを上演したいという強い想いがあり、今の、現代社会にこそ響く作品をと考え、本作を選びました。主人公の漁師グライムズは実直で裏表のない男ですが、周囲から誤解され、社会から疎外されていきます。しかし、ブリテンの鋭い視線が描くのは、彼を糾弾する「村人(集団)」の側に潜む闇です。子供の行方不明を巡り村人が彼を詰問する場面の合唱など、人間の心理の奥底を描く音楽の劇性はたぐい稀なものです。作中に流れる波のような音楽は、この問題が時代を超えた普遍的テーマであることを暗示しています。
演出は、2023年にミラノ・スカラ座でのこの舞台の初演も話題を呼んだ巨匠ロバート・カーセン。アイディア豊富で信頼の厚い彼との上演が楽しみです。キャストには、スカラ座でも主演した世界的テノールのブランドン・ジョヴァノヴィッチ、英国の名ソプラノのサリー・マシューズを迎えます。実力派の邦人キャスト、そして本作の鍵を握る新国立劇場合唱団の圧倒的な表現力にもご注目ください。モネ劇場、リヨン歌劇場に続き、私にとって3度目の『ピーター・グライムズ』。これまでに蓄えた経験を活かしていけたらと思っています。皆さま、劇場でお待ちしております。
<あらすじ>
1830年頃、北海に面した漁村。見習いの少年を死なせた罪に問われた漁師ピーター・グライムズの裁判が行われている。偶然の事故であると無実を主張するグライムズだが、付き合い下手な彼に対して、村人たちは疑惑の目を向ける。グライムズが想いを寄せる教師エレンは新たな徒弟を紹介するが、この少年もまた不慮の事故に遭ってしまう。村では少年の捜索が行われ、疑惑の念は増すばかり。グライムズに同情的なバルストロード船長も彼を庇いきれず、グライムズは一人海に船を漕ぎ出す―。

ミラノ・スカラ座公演より Photo: Brescia and Amisano (C) Teatro alla Scala
<NEW>『ピーター・グライムズ』オペラトーク開催決定!
20世紀英国を代表する作曲家ベンジャミン・ブリテンの傑作『ピーター・グライムズ』をより深く楽しめるオペラトークの開催が決定!ゲストには演出のロバート・カーセン、指揮を務める大野和士オペラ芸術監督が登場!
ロバート・カーセン(演出・照明)

大野和士オペラ芸術監督(指揮)
日時:11月19日(木)19:00 会場:新国立劇場オペラパレスホワイエ
料金:<一般・会員 >2,000円(税込・自由席)、<U25> 1,500円(税込・自由席)
出演:<司会>林田直樹
<ゲスト>ロバート・カーセン(『ピーター・グライムズ』演出・照明)
大野和士(『ピーター・グライムズ』指揮、オペラ芸術監督)
※その他登壇者の詳細は後日発表いたします
詳細はこちら→https://www.nntt.jac.go.jp/opera/news/detail/6_032245.html
2026/2027シーズン公演 『ピーター・グライムズ』(新制作)
令和8年度(第81回)文化庁芸術祭主催公演 昭和100年記念公演
【公演日程】
2026年11月23日(月・祝)14:00/26日(木)14:00/29日(日)14:00/12月2日(水)14:00/5日(土)14:00
【会場】新国立劇場オペラパレス
【スタッフ・出演】指揮:大野和士/演出・照明:ロバート・カーセン/美術・衣裳:ギデオン・デイヴィー/照明:ピーター・ヴァン・ブラート/映像:ウィル・デューク/振付:レベッカ・ハウエル
出演:ブランドン・ジョヴァノヴィッチ、サリー・マシューズ、ジョーダン・シャナハン、ニコール・ピッコロミーニ、渡邊仁美、今野沙知恵、糸賀修平、河野鉄平、齊藤純子、村上公太、吉川健一、大塚博章/合唱:新国立劇場合唱団/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
【チケット料金】 S:31,900円 ・ A:26,400円 ・ B:19,250円 ・ C:12,100円 ・ D:8,250円・ Z(当日のみ):1,980円
新国メンバーズ(要無料登録)はU25(S席5,500円)・U39(S席12,100円)優待チケットあり。
【チケットのお求め】新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999 WEBボックスオフィス https://nntt.pia.jp/
※WEBボックスオフィスで学生(5%)、ジュニア(20%)、高齢者(5%)割引チケットもお取り扱い中。
※新国立劇場当日券は、学生の方は50%割引となります(D席・Z席除く)。ボックスオフィス(窓口・電話)で取扱。
【アクセス】京王新線(都営新宿線乗入)初台駅中央口直結
公演およびチケットの詳細については、新国立劇場ウェブサイトをご覧ください。
公演情報WEBサイト https://www.nntt.jac.go.jp/opera/petergrimes/
新国立劇場について
新国立劇場は、日本唯一の現代舞台芸術のための国立劇場として、オペラ、バレエ、ダンス、演劇の公演の制作・上演や、芸術家の研修等の事業を行っています。オペラ部門は2018年9月より世界的指揮者の大野和士が芸術監督に就任し、世界の主要歌劇場と比肩する水準のオペラ公演を年間およそ10本上演、高校生のためのオペラ鑑賞教室の実施等を行っています。所在地:東京都渋谷区本町1-1-1 https://www.nntt.jac.go.jp/

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