赤ちゃんの頭のかたち、ヘルメット治療の前に「診て、見極めて、つなぐ」 ―足立小児頭のかたちセミナー2026を開催
本リリースのポイント
- 小児科と脳神経外科が共同で主催。頭蓋変形の予防・鑑別診断・治療適応・保護者への説明を地域で学ぶ機会に- 参加者アンケートでは、紹介すべき重症度の目安や家庭でのケアへの学習ニーズを確認。次の地域教育の課題も明らかに
- 頭蓋健診・頭のかたち相談を担う足立医療センターと、頭蓋健診から適応に応じたヘルメット治療まで一貫して担う0歳からの頭のかたちクリニック。それぞれの診療機能を通じて、地域の小児・新生児医療を支える
株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(東京都中央区、代表取締役CEO 大野秀晃、以下当社)は、東京女子医科大学附属足立医療センターの小児科・脳神経外科が主催し、当社が共催した「足立小児頭のかたちセミナー2026」が、2026年9月10日(木)、同センターとオンラインのハイブリッド形式で開催されたことをお知らせします。会場・オンラインを合わせて約100名が参加しました。
本セミナーでは、赤ちゃんの頭のかたちについて悩みのあるすべての乳児をヘルメット治療へ結び付けるのではなく、まず病的頭蓋変形を見逃さず、一人ひとりの自然経過や重症度を評価し、必要な相談・支援・専門医療へつなぐことを主題に、小児科と脳神経外科の視点から知識と診療経験を共有しました。
参加者からは、専門医へ紹介する重症度の目安や、家庭で伝えるケアの具体策をさらに学びたいとの声も寄せられました。
┃開催概要・座長・演者
- 名称:足立小児頭のかたちセミナー2026- 開催日時:2026年9月10日(木)19:00~20:30
- 会場・形式:東京女子医科大学附属足立医療センター 大会議室1・2/会場・オンラインのハイブリッド形式
- 主催:東京女子医科大学附属足立医療センター 小児科・脳神経外科
- 共催:株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー
- 後援:東京都産婦人科医会、荒川区医師会、荒川区小児科医会、荒川区産婦人科医会
- 参加者数:会場・オンライン合計 約100名
- 生涯教育:日本医師会生涯教育講座:カリキュラムコード72「成長・発達の障害」1.5単位
座長:松岡 尚史 先生
東京女子医科大学附属足立医療センター 小児科 教授・診療部長
演者:草川 功 先生
東京都市大学人間科学部 特任教授/0歳からの頭のかたちクリニック 顧問・医師
演題:小児科医が知っておくべき赤ちゃんの頭の形の基本
演者:横佐古 卓 先生
東京女子医科大学附属足立医療センター 脳神経外科 講師
演題:足立医療センターでの頭のかたち診療について

セミナー当日の会場の様子
┃頭のかたち外来は、ヘルメット治療を勧めるためだけの場ではない
東京女子医科大学附属足立医療センターでは、2023年10月から頭のかたち外来を運営しています。横佐古先生の講演資料では、2023年10月~2026年8月の「頭のかたち相談初診数」が286件、「ヘルメット作成数」が46件と報告されています。相談初診には、大泉門が狭いといった相談も含まれます。プレスリリース:東京女子医科大学附属足立医療センター「赤ちゃんの頭のかたち外来」開設

横佐古先生は、外来の主な目的を、相談に来た乳児に治療介入が必要な頭蓋変形がないか確認することとしています。頭蓋縫合早期癒合症や乳児期水頭症など、見逃してはいけない疾患を念頭に、頭蓋の形、縫合部、頭囲の推移などの身体診察と画像検査を組み合わせて評価する考え方を示しました。
本リリースでいう「適正な頭蓋健診」は、頭のかたちを計測・評価するだけでなく、医師が病的頭蓋変形の可能性や発育・発達、自然経過などを評価し、必要な支援や専門医療へつなぐ診療を指します。ヘルメット治療を行う場合にも、医学的な評価とご家族への説明を先に置くことが基本です。
┃小児科の基礎知識と、脳神経外科の診療経験をつなぐ
草川功先生「小児科医が知っておくべき赤ちゃんの頭の形の基本」草川先生は、治療を考える前に知っておくべき基礎知識と、小児科医が必要な専門医療へつなぐ役割を中心に講演しました。寄稿コメントでは、位置的頭蓋変形への対応を治療から始めるのではなく、疾病の認識、予防、適切な診断、治療という過程で捉え、助産師、保健師、看護師にも科学的根拠に基づく情報を共有する必要性を指摘しています。

草川功先生による講演の様子。治療の前に知っておくべき基礎知識と、地域で乳児・ご家族を支える医療者の役割を取り上げました。
横佐古卓先生「足立医療センターでの頭のかたち診療について」
横佐古先生は、同センターの診療実績、頭蓋縫合早期癒合症等との鑑別、自然経過を踏まえた治療評価、予防的な生活支援や理学療法、ヘルメット治療に関する研究を整理しました。講演資料では、治療効果の評価には自然改善を考慮すること、治療の開始基準等にはなお検討課題があることも示されています。
自然改善を医学的に評価することと、十分に診察せず「自然に治る」として相談を終えることは別です。本セミナーは、頭のかたちを心配するご家族に、必要な評価と説明を行い、治療が必要な乳児には適切な選択肢を提示するための学びの場となりました。
┃参加者が求めたのは「いつ紹介するか」と「家庭で何を伝えるか」
事前質問には、受診を勧める基準、紹介先となる医療機関、向き癖への対応、頭蓋縫合早期癒合症との鑑別など、日常の相談対応に直結する問いが寄せられました。受講後のアンケートでも、次の項目への学習ニーズが多く示されています。
セミナー全体の満足度については、有効回答41名のうち38名(92.7%)が「非常に満足」または「やや満足」と回答しました。自由記述には、家庭でのケアの具体策や紹介時期をさらに知りたいとの声があり、次の研修で扱う課題が示されました。
※アンケートは参加者による任意回答で、全参加者や地域の医療者全体を代表する調査ではありません。満足度は41名、学習ニーズは39名が有効回答です。「さらに知りたい」という回答は、知識や能力の不足を判定した結果ではありません。
┃地域で相談を受け止め、必要な専門医療へつなぐ
赤ちゃんの頭のかたちに関する相談は、小児科外来だけでなく、新生児訪問、乳児健診、助産・母子保健の場にも寄せられます。今回の講演と参加者の声からは、身近な場所で相談を受け止める医療・保健関係者と、専門的な鑑別や治療判断を担う医療機関が、互いの役割と相談先を知ることの重要性が浮かび上がりました。横佐古先生は、足立区を中心とした城北エリアの小児科医や健診・保健関係者との連携を継続し、本当に治療を必要とする乳児に適切な選択肢を提示する診療を目指すと述べています。専門外来に蓄積された知見を地域の相談対応へ還元することが、本セミナーの次の課題です。
当社は、地域での情報提供・相談・紹介判断に必要な知識を広げる「均てん化」と、高度な鑑別・治療や教育を地域の中核医療機関につなぐ「集約化」を両輪として、医療者の教育と連携を支援していきます。診断・治療判断は医師が担い、当社は製品の設計・製造と技術・運用面の支援を担います。
新潟県助産師会主催、当社共催の「新潟小児頭のかたちSummerセミナー2026」では、多職種による予防的な生活支援と地域の相談・診療体制を議論しました。また、第35回日本外来小児科学会のランチョンセミナーでは、病的頭蓋変形を見逃さず、乳児健診・外来小児科から専門医療へつなぐ役割を取り上げました。今回の足立セミナーも、地域の診療経験を医療・保健の現場へ伝える継続的な取り組みの一つです。
新潟小児頭のかたちSummerセミナー2026の開催報告
第35回日本外来小児科学会ランチョンセミナーの開催報告
┃地域の医療・保健関係者と、次の学びと連携へ
当社は、地域の小児科、産科、助産師、保健師、看護師など、乳児とご家族を支える皆様からの、頭蓋健診に関する情報共有や研修・連携のご相談を受け付けています。日常の相談で生まれる問いを持ち寄り、専門医療へつなぐための学びを、医療者とともにつくります。┃座長・演者コメント

座長
松岡尚史先生
東京女子医科大学附属足立医療センター 小児科 教授・診療部長
2025年9月、高知県における位置的頭蓋変形をめぐる訴訟報道は、周産期医療に携わる多くの医療従事者に大きな衝撃を与えるものでした。位置的頭蓋変形に対しては、2000年代以降、脳神経外科や形成外科を中心にヘルメット矯正療法が治療の選択肢として導入されてきました。一方で、疾病予防という本来あるべき医療の視点から、保護者や社会に対する十分な啓発や情報提供が行われないまま、今日に至った側面もあります。本事例を通じ、医療事故・医療訴訟に至るプロセスや、自由診療に特有の課題について、医療従事者自身が実践的な知識を身につけることの重要性を改めて痛感いたしました。
今回のセミナーでは、すべてのご家族に公正な医療へのアクセスと情報提供の機会が確保されること、多職種が共通の知識をもって取り組む健診体制の構築、そして専門医による科学的根拠に基づいた透明性の高い保険診療の重要性について、活発な議論も行われました。小児科医としても、「自然に治る」といった曖昧な認識にとどまることなく、位置的頭蓋変形について正しく理解し、適切な情報提供と診療につなげていくことが重要です。こうした取り組みを積み重ねることで、東京都区東北部(足立区、荒川区、葛飾区)において、患児とご家族にとってより質の高い、安心・納得につながる医療が根付いていくことを願っております。今後も、多職種の皆さまと連携しながら力を尽くしてまいります。最後になりましたが、ご参加いただいた医療従事者の皆さまに、心より御礼申し上げます。また、素晴らしいご講演をいただいた講師の先生方の熱意とご尽力に、深く敬意を表します。

足立小児頭のかたちセミナー2026で、座長を務めた松岡尚史先生。小児科と脳神経外科が主催し、会場とオンラインを結んで開催しました。

演者
草川功先生
東京都市大学人間科学部 特任教授
0歳からの頭のかたちクリニック 顧問・医師
近年、「なぜ急に頭のかたちを気にするようになったのか?」「ヘルメット治療のために宣伝しているのではないか?」といった声を耳にすることが増えました。
その背景には、我が国における位置的頭蓋変形への診療が、脳神経外科や形成外科を中心に、ヘルメット矯正療法という治療から始まったという経緯があります。本来、医療は疾病の認識、予防、適切な診断、そして治療という段階を踏んで進められるべきですが、位置的頭蓋変形への対応は、必ずしもそのような過程を経て発展してきたとはいえません。
そして、このような歴史が形成された背景には、子どもたちと接する最前線に立つべき私自身を含めた小児科医が、この問題に医療として十分に向き合うことなく、「自然に治る」という必ずしも根拠の明確でない認識のもとで、ご家族に対応してきたことも関係しているのではないかと考えています。
我が国においても、世界標準の医療認識に基づいた診療を実現するためには、小児科医はもちろんのこと、妊婦や母親と日常的に接する助産師の皆さま、乳児健診などを通じて子どもやご家族に関わる保健師、看護師の皆さまにも、SNSなどで広がる根拠の不明確な情報ではなく、科学的根拠に基づいた正しい情報を共有していくことが重要です。このことは、私自身、以前から強く感じていたところです。
このたび、東京女子医大足立医療センター脳神経外科・小児科主催で開催された「足立小児頭のかたちセミナー2026」は、我が国における頭のかたちの診療に、大きな転換点をもたらす機会になったのではないかと感じております。
演者
横佐古卓先生
東京女子医科大学附属足立医療センター 脳神経外科 講師
乳幼児の頭のかたちに対する関心が高まっていますが、位置的頭蓋変形の多くは成長に伴う自然改善が期待でき、すべてのお子さんにヘルメット治療が必要なわけではありません。一方で、頭蓋縫合早期癒合症など、早期の診断と専門的治療を必要とする疾患を見逃さないことは非常に重要です。今回、足立区を中心とした城北エリアの小児科医や健診・保健に携わる皆さまと、頭蓋変形の診かたや専門医へ紹介するポイントを共有できたことを大変有意義に感じています。今後も地域の医療・保健機関と連携し、一人ひとりの自然経過や重症度を適切に評価したうえで、本当に治療を必要とするお子さんに適切な選択肢を提示できる診療を目指していきたいと考えています。
│頭のかたちを医師に相談したいご家族へ
赤ちゃんの頭のかたちが気になる場合、相談内容や希望する診療によって受診先を選ぶことができます。病的頭蓋変形の可能性を含めた頭蓋健診を受けたい場合と、ヘルメット治療を含めて治療の必要性や選択肢を総合的に相談したい場合では、医療機関が担う役割も異なります。■ 病的頭蓋変形の鑑別など、頭蓋健診を受けたい方
東京女子医科大学附属足立医療センター
東京女子医科大学附属足立医療センターでは、2023年10月から「頭のかたち外来」を開設しています。同外来では、頭蓋縫合早期癒合症や乳児期水頭症など、治療介入や専門的な対応が必要な疾患を見逃さないことを重視し、頭蓋の形状、頭蓋縫合、頭囲の推移などの身体診察に加え、必要に応じて画像検査を組み合わせて評価します。単に頭のゆがみの程度を測るのではなく、「位置的頭蓋変形なのか、病的頭蓋変形の可能性があるのかを医学的に見極める『頭蓋健診』」を中心とした専門外来です。
「頭の形が気になるが、まず病気が隠れていないか確認したい」「かかりつけ医や乳児健診で頭の形について指摘された」といった場合の専門的な相談先となります。
東京女子医科大学附属足立医療センター「頭のかたち外来」
■ ヘルメット治療を含め、頭のかたちについて総合的に相談したい方
0歳からの頭のかたちクリニック(東京日本橋、表参道神宮前、大阪、福岡)
本セミナーで講演した草川功先生が顧問・医師を務める「0歳からの頭のかたちクリニック」(東京日本橋、表参道神宮前、大阪、福岡)は、当社製の頭蓋矯正ヘルメット「Qurum Fit」を採用する乳幼児頭蓋医療の専門クリニックです。
「頭のかたちが気になる」「治療が必要か分からない」という段階から相談でき、初診では頭のかたちや重症度だけでなく、病的頭蓋変形の可能性も含めて医師が評価します。そのうえで、経過観察、家庭でのケア、必要に応じた専門医療への紹介、ヘルメット治療など、赤ちゃんの状態に応じた選択肢を説明します。
小児科、小児脳神経外科、形成外科、小児外科など、複数の診療科を背景に持つ医師が乳児の頭蓋診療に携わっており、頭蓋健診から治療の必要性、ヘルメット治療までを含めて相談できることが特徴です。
ヘルメット治療を前提とした受診ではありません。これまでの赤ちゃんの頭のゆがみに関する診療約20,000件のうち、ヘルメット治療を選択されたご家族は約9,000組(※注)であり、診察結果や3D計測による客観的なデータをもとに、医師の判断とご家族の意向を踏まえて診療方針を決定しています。
また、紹介状なしで初診予約ができ、完全予約制で土日祝も診療しているため、平日の受診が難しいご家族にも相談しやすい診療体制を整えています。初診時には専用の3Dスキャナーで頭のかたちを短時間で計測し、客観的なデータと医師の診察・説明をもとに今後の方針を検討します。
頭のかたちについて専門的な評価を受けたい方、治療が必要かどうかを含めて相談したい方、ヘルメット治療について具体的に相談したい方の受診先の一つです。
※注:0歳からの頭のかたちクリニック調べ(2026年10月現在)
0歳からの頭のかたちクリニック
東京日本橋院:初診のご予約はこちらから
表参道神宮前院:初診のご予約はこちらから
・株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーについて

ジャパン・メディカル・カンパニーは、3Dプリンティング、3D計測、患者別設計技術を活用し、乳児用頭蓋形状矯正ヘルメットと、手術前シミュレーション・外科手術トレーニング用モデルを開発・製造する医療機器メーカーです。1897年創業の大野興業を前身とし、約130年のものづくりの技術を受け継いでいます。
2012年に初の国産頭蓋形状矯正ヘルメットAimet(アイメット)を脳神経外科医と共同開発し、2018年にジャパン・メディカル・カンパニーとして独立しました。
現在は、乳児用頭蓋形状矯正ヘルメットQurum Fit(クルクフィット)、赤ちゃんの頭のかたち測定アプリ、治療支援アプリmetto、医療用精密立体モデルKEZLEX等を開発・製造・販売しています。
当社製頭蓋形状矯正ヘルメットによる累計治療症例は21,000症例以上です。大学病院・こども病院等の採用施設数は国内最多(2026年7月当社調べ)で、適正な頭蓋健診と適正なヘルメット治療の普及、診療水準の均てん化と集約化に取り組んでいます。
■社名:株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー
■設立:2018年5月
■代表取締役:大野秀晃
■事業内容:医療機器・医療雑品の開発・製造・販売
■URL:https://japanmedicalcompany.co.jp
・本リリースに関するお問い合わせ・ご質問はこちら
セミナー共催のご相談、位置的頭蓋変形に対するヘルメット適正治療研修会への参加についてのお問い合わせ、乳幼児の頭蓋健診や頭蓋矯正治療に関するお問い合わせを受け付けています。
株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー
広報窓口:コーポレイト・デザイン室 柳本 瑞穂
TEL:03-5829-8342 / E-mail:[email protected]
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