第28回日本絵本賞の表彰式が、6月22日、城西国際大・東京紀尾井町キャンパスで行われました。「日本絵本賞」を受賞した『ねことことり』(世界文化社)は、日本を代表する生物画家・舘野鴻が作をつとめ、その弟子であるなかの真実が絵を描いた、師弟による共作。表彰式の様子と、原画展の最新情報をお伝えいたします。
『ねことことり』第28回日本絵本賞表彰式 舘野鴻・なかの真実の師弟が笑顔で表彰台に
6月22日、城西国際大・東京紀尾井町キャンパスで行われた「第28回日本絵本賞表彰式」(全国学校図書館協議会主催)。「日本絵本賞」を受賞した『ねことことり』(世界文化社)は、日本を代表する生物画家・舘野鴻が作をつとめ、その弟子であるなかの真実が絵を描いた、師弟による共作です。
「今回の作品は、”ねことことりの友情物語”として評されることが多いですが、実は天然資源の過剰な搾取や、人と自然界との関係性など現実世界で起きているリアルな出来事をファンタジーの土台に忍ばせています。そうした視点で読んでいただくと、この物語の見えかたが違ってくると思います」。生物画家として、これまで徹底的に自然と向き合い、描写し続けてきた舘野さんは、受賞に寄せて本作に込めた思いを語りました。
舘野さんに師事し細密画を学んできたなかのさんは、本作を描くにあたり、舘野さんと野山に出かけるなど、自然観察のためのフィールドワークを重ねたといいます。「先生は山を登るとき、どんどん先に行ってしまうんです。自分は先生のうしろ姿を追いかけるのに必死で。絵を描くときも同じです。先生のイメージした世界やテーマを、どうやったら自分に表現できるだろうかと、必死で。花も猫も鳥も、本当はもっと美しい。もっともっと、美しく描きたい…常にそんな気持ちと闘いながら描いていました」。
舘野さんとなかのさんは、本作の続編も構想中とのこと。次回作への意気込みを笑顔で語りました。
■関連動画:「第28回日本絵本賞 表彰式」『ねことことり』受賞コメント
https://youtu.be/AlqIy8JGFAU?t=3262
『ねことことり』原画展巡回 最新情報
2022年10月より、全国で好評巡回中の絵本原画展の最新情報をお伝えします。
極限まで美しさを追求して描かれた細密画を、ぜひ間近でご覧下さい。
■6月23日(金)~7月12日(水)
ネコヤブックス 〒190-0013 東京都立川市富士見町2-11-7
https://necoyabooks.com/
■9月30日(土)~10月15日(日)
玉村町文化センター 〒370-1105 群馬県佐波郡玉村町福島325
http://www.tamamura-bunka.or.jp/
著者プロフィール
作/たてのひろし(舘野鴻)
1968年、神奈川県生まれ。絵本作家・生物画家。幼少期より、熊田千佳慕氏に師事。美しい細密画で多くの人々を魅了している。2017年、『つちはんみょう』(偕成社)で小学館児童出版 文化賞を受賞。絵本に『しでむし』『ぎふちょう』『がろあむし』(偕成社)「みかづきのよるに」「うんこ虫を追え」(福音館書店)、『あまがえるのかくれんぼ』『あまがえるのぼうけん』(世界文化社) など、読み物に『ソロ沼のものがたり』(岩波書店)がある。
絵/なかの真実
1984 年、神奈川県生まれ。デザイナーとして勤務後、イラストレーターとして活動。2017年より舘野鴻氏に師事。水彩を使用した細密画、表現するための絵描き道を学ぶ。「みどりの がけのふるいいえ」(世界文化社)で絵本作家デビュー。「いきものづくし ものづくし」シリーズ(福音館書店)の4巻内「しろくろのいきもの」、6巻内「さるのかお」の作画を担当。
刊行情報『ねことことり』
『ねことことり』
■発売日:2022年10月4日(火)
■作:たてのひろし
■絵:なかの真実
■定価:1,650円(税込)
■発行:株式会社世界文化ブックス
■発行・発売:株式会社世界文化社
https://www.amazon.co.jp/dp/4418228063
関連書籍『みどりのがけのふるいいえ』 なかの真実さんのデビュー作!
『みどりのがけのふるいいえ』
■発売日:2023年5月17日(水)
■著者:なかの真実
■定価:1,540円(税込)
■発行:株式会社世界文化ブックス
■発行・発売:株式会社世界文化社
https://www.amazon.co.jp/dp/4418238204
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