【銀座 蔦屋書店】植田工の個展「Punctuation Marks」を8月26日(土)より開催。時間の経過に作品が耕される、描き重ねたシリーズの最新作を発表。

2023年8月9日 水曜日 6:47 PM

銀座 蔦屋書店(東京都中央区 GINZA SIX 6F)では、アーティスト植田工による個展「Punctuation Marks」を店内アートスペースFOAM CONTEMPORARYにて、2023年8月26日(土)~9月12日(火)の期間に開催します。


“A Girl” 2023/455×333mm/アクリル、キャンバス
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/blog/art/35207-1009420804.html
概要


植田工は東京藝術大学大学院美術学部美術解剖学を修了。その後、有名テーマパークのデザイン部門を経て、アーティスト活動を始めました。大学在学中に美術解剖学の非常勤講師だった脳科学者・茂木健一郎氏と出会い、そこから茂木氏に師事することとなりました。その中で、2012年に個展の機会を与えられたことが起点となり、絵描きとしての活動が始まったといいます。2017年に独立してからは、かつて従事していたアニメーションと芸術・アートを共存させながら、絵画、イラスト、デザイン、映像、コラムなど様々な分野で作品発表を続けています。
本展では、植田が過去に描いた絵に、新たな図像を重ね描くことで生まれた作品を中心に発表します。タイトルは、“句読点”という意味の「Punctuation Marks」と名付けました。植田は完成形を目指し描くのではなく、描く中で生まれる変化に身を委ね、時に即興的で偶発的な制作スタイルで筆を置きます。絵は描かれる中で変化し、また作品が完成した後も経年変化していくという前提の中で、作品はどのように存在するのか。絵に作家が耕す時間とストーリーを持たせることで、時代や時間の淘汰に耐える生命力のある作品を作り出しています。
今後、植田の作品はどのように変化し、存在し続けるのでしょうか。その変遷の一端を、ぜひ会場でご覧ください。
“Like A Guernica” 2023/727×606mm/アクリル、キャンバス
“A Mother and A Child” 2023/333×242mm/アクリル、キャンバス
本展に寄せて


ここ最近、絵画が先行するのではなく絵画とよばれる物が先行してある、というようなことが実感を持ってきました。ただの絵の具と支持体との掛け合わせの物が、どのように存在するのか。展覧会は作品の居場所探しのようにも思います。

ここ数年、発表した絵が手元に戻ってきてから、あとになってその絵に積極的に別の絵を描くことがあります。描き直すというよりも、新たに乗せるという具合です。

振り返ると、大学の卒業制作のときにすでにそのことを試してみていました。
首席になると、卒業制作の作品が大学の美術館に収蔵されると聞いて、何十年もひと目に触れず置きっぱなしにされたらけっこう経年変化もして、「ペンチメント =下絵の修正描き」が現れるんじゃないかということが脳裏を過りました。劣化を逆手に、敢えて最初から下絵に何かを仕込んで、何十年もしたら全然違う絵になってたら面白いなというイタズラで、スプレー描きした文字を隠すように上から女性の絵を描きました。

絶対に首席をとらねばと意気込んで朴訥とした絵を描きましたが、55人いる学生の中で自分はビリだったとのちに教授に告げられ、その絵もいまや行方知れずとなってしまいました。
 
高松塚古墳の壁画も、墓を開いた途端に酸化して絵の具が剥落してしまったというようなことを聞いて、人が見ようとした途端に逃げていってしまったことは残念なことのようで、美しいことなのではないかとも思えました。微かに残った痕跡にもとの姿を想うことこそ、人間の身の丈のように思えます。大事なものは隠され、そうそう見えるものではないのでしょう。

このたび出展する作品は描き重ねの作品と新たな1枚の絵とが展示されています。
いつかまた現れてくるかもしれない描き重ねた絵と、いつかまた変わっていくかもしれない絵です。

描くときはあまり考えずに描き始めます。絵の完成が先行しているわけではないので暗中模索で描き続けていると、現れては捕まえそびれ、描き進めると消えていき、それでもまだ描き進める、その連続する変化の中で、これかな?と思えたときに手を止めています。

変化し続ける中でいったん形をとどめますがそれもまたかならず変化していくので、物としてあり続けられる時間に何かが宿るような気がしています。絵の森の中で生命の種のようなものを探しています。

植田工

販売について


展示作品は、会場にて8月26日(土)11時より販売します。
※作品はプレセールスの状況により、会期開始前に販売が終了することがあります。

アーティストプロフィール



植田工/Takumi Ueda
1978年 東京都生まれ。
2005年 東京藝術大学 絵画科油画専攻 卒業。
2007年 東京藝術大学大学院 美術解剖学専攻 修了。

2012年 「Creativity continues」 Rise Gallery(碑文谷/東京) 
2015年 個展「Maria」RiseGallery(碑文谷/東京)
2018年 池上高志+植田工《マリア、人工生命、膜、魚》青森トリエンナーレ(ACAC/青森)、日本科学未来館(お台場/東京)へ出展。
2019年 渋谷アロープロジェクト(JR山手線高架下)壁画作製、アトレ目黒店内にて壁画作製。
2020年 個展「フランダースの犬の事など」CAPSULE(三宿/東京)
2021年 個展「Wander」AKIO NAGASAWA GALLERY(青山/東京)
2022年 個展「infantile 」A/D GALLERY(六本木/東京)

<刊行書籍>
『生命のサンドウィッチ理論』文・池上高志、絵・植田工(2012年 講談社)
『植田工の展覧会のミカタ』文・絵 植田工(2021年 オデッセー出版)

展覧会詳細


植田工 個展「Punctuation Marks」

会期|2023年8月26日(土)~9月12日(火)※終了日は変更になる場合があります。
定休日|月曜日
時間|11:00~19:00 ※最終日は18時まで
レセプション|2023年8月25日(金)18:30~20:00 ※予約不要
会場|FOAM CONTEMPORARY
入場|無料
主催|銀座 蔦屋書店
お問い合わせ|03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/blog/art/35207-1009420804.html

FOAM CONTEMPORARY



柔軟な企画内容をイメージする<液体(LIQUID)>と、従来のホワイトキューブとしての設備を完備した空間<個体(SOLID)>を掛け合わせ、中間的な様態“FOAM”という名のもと、日本のアートシーンを多角的に映し出す表現空間。

ロゴの最初の“O”は、泡をイメージさせるようにあえて形を崩しています。それは、日々変化していく現代のアートシーンそのものを表現しながら、アーティストの自由で柔軟な無限に存在する表現のイメージを表しています。
時代のアクチュアリティーに寄り添いながら、ライフサイクルを超えたところにあるアートの価値や醍醐味を探求、醸成する表現空間として、キャリアや年齢を問わず注目すべき様々なアーティストを紹介していきます。
Instagram|https://www.instagram.com/foamcontemporary/

銀座 蔦屋書店


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CCCアートラボは、企画会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の中で「アートがある生活」の提案をする企画集団です。わたしたちは「アートがある生活」の提案を通じて、アートを身近にし、誰かの人生をより幸せにすること、より良い社会をつくることに貢献したいと考えています。これまで行ってきた、店舗企画やアートメディア、商品開発やイベントプロデュースなど、長年の実業経験を通して培った知見をもとに、わたしたちだからできるアプローチで企画提案をします。
https://www.ccc-artlab.jp/

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