江戸時代の画家、原在中による観音三十三身図が一休寺方丈にて全33幅公開します。全幅公開されるのはお盆のこの時期のみとなります。
一休禅師晩年の寺として知られる酬恩庵一休寺(京都府京田辺市)では毎年8月の15.16日に境内方丈にて江戸後期の画家であり原派の祖として知られる原在中による観音三十三身図を公開しています。こちらは観音菩薩が三十三のシチュエーションに応じて応身(姿を変え)して衆生を救うさまを描いています。この日には観音信仰にまつわる限定の朱印も授与いたします。
■概要
曝涼-原在中観音三十三身図特別公開
開催日 2023年8月15日 16日
拝観時間 9時から17時
拝観料 500円(大人)200円(小学生)300円(中学生)400円(大学生)
駐車料金 300円(1日)
■観音三十三身図とは
『観音経』は法華経のなかの「観世音菩薩普門品第二十五」という一章です。ここでは、 観世音菩薩が、私たちが人生で遭遇するあらゆる苦難に際し、観世音菩薩の偉大なる慈 悲の力を信じ、その名前を唱えれば、必ずや観音がその音を聞いて救ってくれると説い ています。冒頭の部分からまた最後、偈による世尊偈の部分まで全編にわたり三十三の困難な状況に応じ、観音菩薩が姿を変え衆生を救うさまが描かれてる。
観音とは音、つまり衆生の声を観る、聴くことが出来る菩薩を表している。
■原在中とは
江戸時代中期に初代の在中(1750~1837)は原派を創始します。宮中や春日大社などの仕事を引き受け、代々絢爛豪華で細密な世界を描き出しました。京都府内には原派による障壁画が数多く現存しています。それらは公家や天皇・院家の人々の目を楽しませ、また裕福な町人もこぞって作品を求めました。
原派を特徴づけるのは、有職故実にのっとった表現であり、在中以降、息子の在正、在明はそれぞれ多くの絵手本を受け継ぎながら古代の紋様や装束についての知識を備えました。そのため徐々に原家は特異な立場を築き、江戸時代以降の京都画壇で大きな力を有しました。
在中の師は石田 幽汀、丸山応挙とは同時代である。在中26歳に当たる安永4年(1775年)版『平安人物誌』には、応挙、伊藤若冲、池大雅、与謝蕪村、望月玉仙、呉春、曾我蕭白などに伍して載せられており、当時すでに一家として認められていた。
■近年の原派の評価
伊藤若冲や丸山応挙など江戸後期の画家ではよく知られるところだが、原派の存在はあまり一般的に知られることはありませんでした。しかしながら実際に拝見してわかるようにその彩色の美しさなど他の画家たちにも引けを取らないものがあり、近年評価が著しい。
今春には京都文化博物館にて京を飾るもう一人の絵師として「原派、ここに在り-京の典雅」が開催。
2023年2月18日(土)~4月9日(日)
今秋には西宮市の西宮市大谷記念美術館にて開催される「画人たちの仏教絵画」にもこちらの三十三身図他、涅槃図など原在中作品の出展が決まっている。
2023年10月21日(土) ~ 2023年11月26日(日)
■限定朱印
一休寺はお正月など季節ごとに限定朱印を授与。こちらの曝涼でも限定朱印を授与いたします。今回は水墨画作家のmisuzuの画とコラボした限定のもの。見開きにて1000円。こちらは書置きのみとなります。
※写真は前年度のもの、今年はデザインが変わります。
※misuzu https://www.instagram.com/p/CYSjhp9Pn7Q/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==
■問い合わせ先
酬恩庵一休寺
京都府京田辺市薪里ノ内102
TEL0774-62-0193
拝観時間 9時から17時(宝物殿は16時30まで)
企業プレスリリース詳細へ
PRTIMESトップへ