海洋体験は磯観察やビーチコーミングだけじゃない!専門家に学ぶ『児童教育×海釣りの可能性』を開催しました!

2023年9月4日 月曜日 11:17 AM

2023年8月29日(火) 函館市国際水産・海洋総合研究センター

一般社団法人Blue Commons Japanは8月29日(火)、放課後児童クラブ・放課後等デイサービスの指導員など児童教育に携わる方々を対象に、児童向け余暇(レジャー)活動の事例を紹介する講座「専門家に学ぶ『児童教育×海釣りの可能性』」を開催いたしました。 このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。




イベント概要 





「専門家に学ぶ『児童教育× 海釣りの可能性』」企画の背景


これまで当法人は、小学生を主対象とした講座を開き、さまざまな切り口から海に親しむ機会を提供してきましたが、今年度は対象を中高生にも広げ、函館エリアにおける「人と海との接点」を広げることに努めています。その一方で、学校や放課後児童クラブ・放課後等デイサービスなど児童教育の現場において、実践的な海洋教育を行う機会が限られているとの現状も見聞きしてきました。理由の一つとして、函館は三方を海に囲まれているにも関わらず、小さな海水浴場が1カ所あるのみで、安全に海に親しめる場所が非常に限られていることが挙げられます。

そこで今回は、子どもたちの安全を確保しながらできる海洋体験の事例紹介やその効果を学ぶとともに、海に入らずにできる海洋体験の例として釣りを体験し、児童と海をつなぐ人を増やすきっかけ作りの場とするとともに、ゆくゆくは各教育現場でその成果を活用してもらうことを目標に掲げました。

海について多面的に学べる「釣り」は児童向け海洋教育に最適 


今回の参加者は、放課後児童クラブ・放課後等デイサービスの指導員などとして日常的に子どもたちと接している方が大半。実践的な海洋教育・海洋体験の事例について知るため、磯の観察会や海に関するワークショップなどを数多く開催しているNPO法人ディスカバーブルー(神奈川県二宮町)代表理事の水井涼太さんから、オンラインでお話を聞きました。

同法人が取り組んでいる海洋体験の事例として、磯観察やプランクトンの観察、ビーチコーミングなどを紹介し、さらに「磯の生き物観察をした後に、磯の生物多様性が高い理由を話す」「砂浜と磯の両方を観察し、環境によって生き物の種類や数が違うことを知る」など、海洋体験の学びを深める手法を説明した水井さん。何度も函館の海を訪ねた経験を踏まえて「函館には海について学べるコンテンツが多く、水産・観光・造船などさまざまな切り口がある」「海辺と市街地が近く、歴史に裏打ちされた海洋都市としてのアイデンティティーがある」「海洋環境に多様性がある」と話し、函館が海洋教育に適したまちであることを強調しました。


児童教育としての海釣りについては「海の中を想像し、糸を通して海の中をのぞきこむことができるうえに、体験としての魅力がある。さらに、釣った魚を食べることを通して『海と暮らしの結びつき』を実感し、海の生態系への理解も深めることができる」と説明。さまざまな側面から海についての理解を深めることができる「海釣り」は、優良な海洋教育プログラムになりえることを指摘しました。

海が直面する課題について考えるために、海をしっかり楽しむ               


続いて、釣り具のテスターを務めるほか、地元ケーブルテレビNCVの釣り番組「釣りバカZ」に出演するなど、釣り普及のために幅広く活動するフィッシングアドバイザーの鈴木遊介さんが登壇。当法人スタッフとのクロストーク形式で、釣りについての基礎知識や心構えなどを参加者に伝えました。

「釣りをする時は、まず楽しんでほしい。思いっ切り楽しんだら、海のいろいろな問題について自然に興味を持てるはず」と鈴木さん。「釣れている時に釣りをやめるのは難しいが、たくさん釣れたからと言って食べきれないほど持ち帰ったら、命を粗末に扱うことになるし、魚が減っていずれは釣れなくなってしまう」とも話し、食べきれる分だけ釣って持ち帰る「おかず釣り」をしようと呼び掛けました。

函館湾の岸壁でサビキ釣りに挑戦!意外な魚との出会いが待っていた 


いよいよ待ちに待った海釣りの時間。会場すぐ前の岸壁へ徒歩で移動し、まずは鈴木さんから仕掛けの付け方などの説明を聞きます。釣り初心者も多く、糸の通し方やリールの扱い方に戸惑う場面もありましたが、鈴木さんやスタッフのサポートを受けながら参加者自身で釣り竿と仕掛けをセッティング。準備ができた人から、次々に海へ釣り糸を垂れました。

この日は、函館湾を回遊しているイワシやサバをねらってサビキ釣りに挑戦。当初は全く当たりがありませんでしたが、しばらくするとコマセ(撒き餌)の効果で岸壁から魚の姿がはっきりと見えるように。イワシと思われる小型の魚が釣り針のすぐそばを泳ぎ、コマセを食べている様子も見えました。
そんな中、岸壁に響き渡る「釣れたー!」との声。リールを巻いて海面から姿を現したのは、ぷっくりとした体長15センチほどのフグ。透明のケースに入れてみんなで観察し、普段遠い存在のように感じていたフグが身近な海にも生息していることを実感しました。
その後もわずかに当たりが来ましたが、釣れたのはいずれもフグ。参加者は自然を相手にする釣りの厳しさと、すぐそこに見える魚たちと竿と糸で対話する楽しさに触れ、笑顔で釣り体験を締めくくりました。


参加者からの声 


「単に釣りを楽しむだけでなく、未来につなげる環境保全を続けていく大切さを学んだ」
「実際に海に行くだけでなく、海に関連する事業などからアプローチする海洋教育にも可能性があると感じた」
「身近な場所で学べることはまだまだたくさんあり、海で泳ぐ以外にも子どもと一緒に楽しめることは多いのだと感じた」
「教育者側も、海洋教育が重要であるとの認識はありつつも、どう教えて良いか、情報をどう得たらよいかなどに困っているのが現状なのだと知った」
「児童に海洋体験をするときにライフジャケットなどをそろえられないので、貸出しなどがあると良いと思った」

協賛について                                   


今回の「専門家に学ぶ『児童教育×海釣りの可能性』」をはじめ、当法人が主催する「釣り」を取り入れた海洋教育体験プログラムに対し、世界的な釣具ブランド「DAIWA」を事業展開するグローブライド株式会社より、釣具やライフジャケット、児童を対象とした海洋体験の参考書籍などの協賛をいただきました。
ライフジャケットの着用を実演する当法人スタッフ
<団体概要>
団体名称:一般社団法人 Blue Commons Japan(ブルー コモンズ ジャパン)
URL:https://www.hakodate-umi.com/
活動内容  :函館朝市ミニ水族館の運営、海に関連した「子ども向け講座」を実施



日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/

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