京都 蔦屋書店(京都市下京区 京都高島屋S.C.[T8]5F・6F)では、 店内6F アートスクエアにて2024年1月15日(月)~2月1日(木)にかけて、西久松友花・河合桂2人展「漂う境目」を開催します。
特集ページ|https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/37741-1536431213.html
概要
陶芸家・西久松友花と漆芸家・河合桂は、ともに京都市立芸術大学大学院を修了、現在は京都を拠点に制作を続けています。
西久松の作品は、歴史文化的背景を持つ象徴物の形や装飾を土で象形することで再構築・再解釈しています。土のゆがみや釉薬の化学変化など窯で焼成することで生じる現象に神秘を感じており、緻密で色鮮やかな作品には祈りの対象のようにも感じさせます。
河合は、日本古来から人々の生活を支えてきた漆の可能性を引き出すため試行錯誤しています。塗りと研ぎを繰り返すことで生まれる独特の艶を纏う表層と、漆特有の加飾技法による蒔絵や螺鈿などの模様で、作り手に潜む奥底の想いや根源的な部分を描き出します。
同じ学び舎で過ごし、素材は違えど美しい加飾が特徴的な作品、制作活動に祈りのような感覚を持っていることなど、共通点の多い二人。お互いに通じるものを感じており、今回西久松の誘いで二人展が実現しました。本展では、展示に合わせて特別に二人のコラボレーション作品も発表。それぞれの確固たる作品世界観が時に交わり新たな視点を見出すような展示となります。
展示コンセプト
古来より人類にとって他者との関わりは生存に不可欠であった。
集団生活を通じて生命を繋ぎ、歴史・文化を継承してきた。
現代の流動的で情報過多な社会は人間関係を希薄にし、自己と他者との境界線を曖昧にする。個としての存在感が薄れ、代替可能で不確かな存在であるという感覚に陥ってしまう。
漆や釉薬を塗ることによって表層を多い、文様や装飾を施す事で外的なものから自己を護り、結界のようなものを作っているのかもしれない。
漆や陶磁器という古来から現代に伝わる素材と対峙し、ものを生み出す事は、自己というあいまいな存在の輪郭を確かめ、不安や恐怖から自己を解放し縋る対象を追求するための行為へと繋がっている。
西久松 友花、河合 桂
アーティストステートメント
私はこれまで現代へと残る伝世品、歴史文化的な背景を持つ象徴物の形態や色彩を装飾的な観点から関心を持ち、それらを土で象形し再構築する試みを続けてきた。
それは、時代や暮らしが変化しても変わることのない普遍的な価値観の再考や再構築の試みでもある。
時代や文化が異なる対象同士をドローイングによって部分的に抽出して構成し、陶という素材に変換する。
表面に釉薬を纏い焼成を経て生まれた作品は、最初に手掛かりとした元の姿の印象はどこか残しつつも、全く別の造形物となっている。
手の中で生まれた形の中に宿る“何か”が依代となり、形のないものに形を与え、自身が縋れる偶像のような存在を視覚化したい。
未知や不可視なものへの恐怖から解放するための、縋り祈る対象としての作品を追求している。
西久松 友花
私は日本古来の素材である漆を使って、存在をテーマに制作している。
現代において大量の情報が渦巻く中で、あらゆる情報が自分の中に入ってくるようになった。
それは、自分と他者との境界を曖昧にし、個としての存在が薄れていく感覚を覚えた。それと同時に、自分とはなにか、人間とはなにか、といった根源について考えるようになった。
私はそんな漠然とした不安や危機感から、漆の特徴である、塗ることで外的なものから護り、強固なものにする役割や、文様や装飾を施すことで、そのものの存在を際立たせようと試みている。
それは自分という曖昧な存在の輪郭を確かめるための、行為につながっている。
河合 桂
販売について
展示作品は、店頭とアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」にて販売します。
店頭|1月15日(月)10:00より販売開始
OIL by 美術手帖|1月22日(月)10:00~2月1日(火)18:00の期間に販売
https://oil.bijutsutecho.com/gallery/1131
※オンラインでのお取り扱いは一部作品のみとなります。
※プレセールスの状況により会期開始前に販売が終了することがあります。
アーティストプロフィール
西久松 友花/Nishihisamatsu Yuka
1992年 京都生まれ
2018年 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程工芸専攻陶磁器 修了
〈個展〉
2022年 化生(芝田町画廊/大阪)
〈グループ展〉
2022年 とどまるもの、とどまらないもの(真言宗御室派総本山仁和寺/京都)
2023年 美の予感2023-生彩-(高島屋/東京、京都、名古屋、大阪)、循環の合図(Marco gallery/大阪)、Slow Culture #kogei(京都市立芸大ギャラリー@KCUA/京都)、空中幽泳(ギャラリーヒルゲート/京都)
〈受賞歴〉
2017年 Kyoto Art for Tomorrow-京都府新鋭選抜展2017 NHK京都放送局賞
2018年 京都花鳥館賞奨学金 最優秀賞
2023年 ART & CITY AWARD presents シエリアタワー中之島 グランプリ
河合 桂/Kawai Kei
1996年 神戸生まれ
2022年 京都市立芸術大学大学院美術研究科漆工専攻 修了
〈個展〉
2022年 河合桂個展-迂華の間-(ギャラリー白/大阪)
〈グループ展〉
2023年 国際漆展・石川2023(石川)、IAG AWARDS 2023(東京)
2022年 第6回ファーストパトロネージュプログラム(東京)、丹波篠山まちなみアートフェスティバル(兵庫)、Art Continuation Project 第1~4回まで毎回出品(阪神梅田本店)
2021年 あいづまちなかアートプロジェクト2021(福島)、漆ふたり、(京都)
2019年 クラフトandアート丹波篠山「いらか」2019(兵庫)
〈受賞歴〉
2023年 国際漆展・石川2023 入選、LAG AWARDS 2023 入選
2022年 京都市立芸術大学作品展 大学院市長賞
2020年 京都市立芸術大学作品展 漆工奨学賞
展覧会詳細
西久松友花・河合桂2人展「漂う境目」
会期|2024年1月15日(月)~2024年2月1日(木)
時間|10:00~20:00 ※最終日は18:00まで
会場|京都 蔦屋書店 6F アートスクエア
主催|京都 蔦屋書店
協力|YUMEKOUBOU GALLERY
入場|無料
お問い合わせ|075-606-4525
特集ページ|https://store.tsite.jp/kyoto/event/t-site/37741-1536431213.html
京都 蔦屋書店
京都 蔦屋書店は、全フロアを通じてアートと文化の「伝統と最先端」が共振する場です。芸術分野を広く取り扱う約6万冊の書籍と、日常のアートピースとなるような文具・工芸品のほか、フロア内に点在するアートスペースでは、注目の現代アート作品を展示。店頭と合わせてECサイトでもご案内いたします。約120席あるSHARE LOUNGEでは、カフェや仕事場、イベントスペースとして、居心地の良い空間を提供します。
住所|〒600-8001 京都府京都市下京区四条通寺町東入⼆丁目御旅町35 京都高島屋S.C.[T8]5・6階
電話番号|075-606-4525
営業時間|10:00~20:00
※6Fシェアラウンジのみ、8:00~22:00
HP|https://store.tsite.jp/kyoto/
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TTC LIFESTYLE株式会社は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、高島屋、東神開発が設立したアート販売における相互チャネルの活用、ライフスタイルコンテンツを提案する店舗の出店・運営を行う合弁会社です。3社の強みである「ライフスタイルや文化の発信・提案」に関わる合弁事業を行うことで、シナジーの最大化を目ざします。また、アート分野の市場開拓に取り組むとともに、魅力的なコンテンツの提案を通じてアートシーンの活性化および、お客様のより豊かなライフスタイルの実現に貢献してまいります。
CCCアートラボ
CCCアートラボは、企画会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の中で「アートがある生活」の提案をする企画集団です。わたしたちは「アートがある生活」の提案を通じて、アートを身近にし、誰かの人生をより幸せにすること、より良い社会をつくることに貢献したいと考えています。これまで行ってきた、店舗企画やアートメディア、商品開発やイベントプロデュースなど、長年の実業経験を通して培った知見をもとに、わたしたちだからできるアプローチで企画提案をします。
https://www.ccc-artlab.jp/
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