日本、ベトナム、フィンランドの注目作家7組8名(篠山紀信、米田知子、グエン・チン・ティ、小田原のどか、村山悟郎、マルヤ・ピリラ、Satoko Sai + Tomoko Kurahara)を紹介
展覧会紹介ページ:https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4548.html
写真・映像は、人々のどのような「記憶」を捉えようとしてきたのでしょうか。
現場で記録するルポルタージュやドキュメンタリーだけでなく、時間や空間が隔てられていても、観る者の感覚を揺さぶり、想像力を拡張させることで目には見えない記憶を伝える試みも続けられました。
それぞれが他者の記憶、あるいは時代に刻まれたイメージと観る者自身の記憶とを結び付ける写真・映像の特性を活かしたものでありながらも、作家たちのアプローチは多様です。
本展では、『決闘写真論』(1976年)における篠山紀信の〈誕生日〉、〈家〉における記憶への示唆を起点としながら、高齢化社会や人工知能(AI)といった今日の記憶と関連するテーマまで焦点を当て、日本、ベトナム、フィンランドの注目される7組8名のアーティストたちの新作、日本未公開作を含む70余点を紹介します。
参加作家 *順不同
篠山紀信
米田知子
Nguyễn Trinh Thi (グエン・チン・ティ、ベトナム)
小田原のどか
村山悟郎[コンセプト:池上高志(サイエンス)+村山悟郎(アート)/実装:Alternative Machine + Qosmo, inc.]
Marja Pirila (マルヤ・ピリラ、フィンランド)
Satoko Sai + Tomoko Kurahara
開催概要
展覧会名(日) 記憶:リメンブランス-現代写真・映像の表現から
展覧会名(英) Remembrance beyond images
会期 2024年3月1日(金)~6月9日(日)
開館時間 10:00-18:00(木・金曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで
休館日 毎週月曜日 ただし、4月29日(月)、5月6日(月)は開館。5月7日(火)は休館
会場 東京都写真美術館 2階展示室(東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
料金 一般700円/学生560円/中高生・65歳以上350円
*小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料。
*毎月第3水曜日は65歳以上無料。
*本展はオンラインで日時指定チケットが購入できます。
主催 公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
協賛 東京都写真美術館支援会員
助成 フィンランドセンター
本展の見どころ
―日本、ベトナム、フィンランドで活躍する作家の作品が集合。
―作家たちの多彩なアプローチを見ることができ、高齢化社会や人工知能(AI)など、トピックが豊富。
―7点の重要な作品を日本初公開。 米田知子(新作)、グエン・チン・ティ(日本初公開)、小田原のどか(新作、テキス
ト+インスタレーション)、村山悟郎(新作)
―篠山紀信による1976年の連載『決闘写真論』の〈誕生日〉を展示として再現。
―画家・村山悟郎と東京大学教授の池上高志氏、徳井直生氏が率いるQosmoが強力なタッグを組み、AIを使っ
た共同制作を行う。
作品の見どころ、作家紹介
篠山紀信 Shinoyama Kishin
今年1月に惜しまれつつ逝去した篠山紀信。デビュー以来、注目を集めていた篠山紀信は、熱い議論が交わされた1970年代のフォトグラフィー・シーンでその中心にいた。なかでも中平卓馬との『アサヒカメラ』誌上の連載『決闘写真論』(1976年)は今日でも新鮮さを失わない必読書である。本展では、篠山紀信が投げかけた一連のポートレイト写真による「写真論」である〈誕生日〉を紹介。また、1970年代に4年間続けられた連載〈家〉において、篠山がカメラを向けた「生活のにおいや手あか」は何を伝えるのか。同作を本展の起点として、2011年の東日本大震災を取材した〈ATOKATA〉との対比から、篠山の視点を探る。
米田知子 Yoneda Tomoko
東京都写真美術館の所蔵品を中心に、新作を加えて構成。「国境線」、あるいは国とはなにかを問いかける。
日露戦争後日本とロシアの国境として定められた北緯50度周辺、DMZ、韓国と北朝鮮の北緯38度線の国境地帯で撮影された作品の数々を展示。
グエン・チン・ティ Nguyễn Trinh Thi
パリのジュ・ド・ポーム国立美術館とボルドー現代美術館での個展のために作られた《パンドゥランガからの手紙》を紹介。2009年、ベトナム初の原子力発電所が建設される計画が発表された。ベトナム戦争での破壊があっても多くの聖地が残されている候補地のニントゥアン省を取材した作家が、国際社会に発信した重要作。
小田原のどか Odawara Nodoka
評論家としても活躍している小田原のどかによるテキストによる新作を発表。当館が所蔵している「上野彦馬関連資料(故梅本貞雄氏所蔵)」を取り上げ、彫刻と写真との関連から、新たな視点を生み出すことを示唆する。
村山悟郎 Murayama Goro
本展では、村山悟郎が1000枚のドローイングを制作し、それを元に、池上高志のコンセプトによる人工生命(Alife)研究のAlternative Machine、そしてAIからの創造的な表現を試みるQosmo、それぞれが異なったアプローチからAIを使った作品制作を行う。
マルヤ・ピリラ、Satoko Sai + Tomoko Kurahara
マルヤ・ピリラと日本の作陶ユニットSatoko Sai + Tomoko Kuraharaのコラボレーションによるプロジェクトを紹介する。トゥルクに住む高齢者たち9名の内面の世界を写真、映像作品と陶作品により浮かび上がらせた〈インナー・ランドスケープス、トゥルク〉を展示。
関連イベント
1.アーティスト・トーク 米田知子×マルヤ・ピリラ
独特な手法で注目される日本とフィンランドの写真家による対話
3月2日(土)13:30~15:30 東京都写真美術館 1階ホール
*参加無料。定員190名 *当日10時より1階総合受付にて整理券を配布
2.アーティスト・トーク グエン・チン・ティ
2015年にフランスで発表された重要作《パンドゥランガからの手紙》を語る
4月21日(日)16:00~18:00 東京都写真美術館 1階ホール
*参加無料。定員190名 *当日10時より1階総合受付にて整理券を配布
3.担当学芸員によるギャラリー・トーク
3月1日(金)14:00~/4月5日(金)14:00~(手話通訳付き) /5月17日(金)14:00~(手話通訳付き)
*当日有効の本展チケットまたは展覧会無料対象者の方は各種証明書等をご持参の上、2階展示室入口にお集まりください。
展覧会図録
A4、176ページ、東京都写真美術館発行、価格未定
石川美子氏(フランス文学者、明治学院大学名誉教授)および担当学芸員による論文を掲載
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