美しく写実的な表現で一世を風靡した絵師、井上安治が描いた作品から、ガス燈がともる明治10年から20年頃の東京風景をご紹介します。ガス燈に照らされた街並みや、建物、橋、鉄道馬車の姿など近代の息吹きを、その眼差しに映った情景として淡々と表現した、井上安治の世界をぜひお楽しみください。
開催概要
■ 会期: 2024年4月13日(土) ~ 6月16日(日)
■ 休館日:月曜日〔4月29日・5月6日(月・祝)は開館、翌4月30日・5月7日(火)は休館 〕
■ 開館時間:午前10時~午後5時
■ 会場:ガスミュージアム ガス灯館2階 ギャラリー
■ 入場:無料
■ ホームページ:https://www.gasmuseum.jp/
展示内容
今回の企画展では、近代都市として変貌しつつあった明治10年から20年頃の東京の風景を、美しく写実的な表現で一世を風靡した絵師、井上安治の眼差しを通して探訪します。
今年生誕160年を迎えた井上安治は、自らの感性で描いた東京風景の作品を多数残したことで知られています。その代表作である「東京真画名所図解」は、近代化する東京の風景を題材に、明治14年(1881)から若くして急逝する明治22年(1889)までのわずか10年余りの間に描かれた134点もの作品群です。
本展では、「東京真画名所図解」をはじめとする井上安治の描いた東京風景から、特に近代都市東京の象徴であったガス燈がともる作品をセレクトしてご紹介いたします。
ガス燈、建物や橋、鉄道馬車の姿など近代の息吹を、その眼差しに映った情景として淡々と表現した、井上安治の世界をぜひお楽しみください。
「井上安治」(いのうえやすじ)
元治元年(1864)に浅草並木町に、川越出身の父・井上清七の長男として生まれる。兄弟には姉と弟・米吉がいた。明治9年(1876)13歳の時に父親を亡くし、明治「光線画」と呼ばれる西洋画風の風景画で人気を博していた小林清親へ、15歳で弟子入りする。明治13年(1880)には初作品「浅草橋夕景」を手がけ、以後、東京の風景を取り上げた作品を続けて発表する。
明治17年(1884)には「探景」の画号で、三枚続きの開化絵や相撲絵なども手がけるようにもなるが、明治22年(1889)9月14日に婚約途中の中で26歳の若さで急逝。師の清親からも惜しまれつつ、活躍に終わりを迎えた。現在は父親の出身である川越にある寺院の墓所に眠る。
ガスミュージアムについて
「ガスミュージアム」は、日本の都市ガス事業に関する貴重な資料を展示・収蔵するために、昭和42年(1967)に東京・小平市に開設され、50年以上に渡りこの地で展示活動をおこなっています。
二棟の赤レンガの展示棟は、明治42年(1909)に建てられた東京ガス本郷出張所を移設復元した「ガス灯館」と、明治45年(1912)に建てられた東京ガス千住工場計量器室を移設復元した「くらし館」から構成されております。
日本のガス事業の起源を展示・紹介する「ガス灯館」1階展示では、鹿鳴館で使用されたガス灯をはじめ、さまざまなデザインのガス灯がご覧頂けます。2階にはテーマに沿って定期的に企画展を開催する「ギャラリー」があります。
「くらし館」1階には、明治37年(1904)に発行されたガス器具カタログに掲載されている器具を展示した「瓦斯器具立体型録(がすきぐりったいかたろく)」、150年にわたるガス事業の歩みを紹介した「ガスとくらしのヒストリー」、日本の都市ガス事業を育てた渋沢栄一の足跡を紹介する「渋沢栄一ギャラリー」などのコーナーがあります。また2階では石炭からはじまったガス製造の歩みを、工場の模型や映像、パネルで紹介しています。このほか明治時代に実際に使われていたガス管をはじめ、ガスメーターやガス栓など、都市ガスの供給防災の変遷についても紹介しています。
二棟のレンガ造りの展示棟に囲まれた中庭には、東京を中心に国内外で当時使われた灯柱を使用し、再現したガス灯が灯る様子をご覧頂くこともできます。
あかりから熱源へと150年に渡り、くらしとともに歩んできた都市ガスの歴史をご覧下さい。
■アクセス
・西武新宿線 花小金井駅北口「花小金井駅入口」バス停より または、JR中央線 武蔵小金井駅北口より
[武21] 錦城高校前経由…東久留米駅西口行き西武バス「ガスミュージアム入口」バス停下車徒歩約3分
・西武池袋線 東久留米駅西口より
[武21]錦城高校前経由…武蔵小金井駅行き西武バス 「ガスミュージアム入口」バス停下車徒歩約3分
・西武新宿線 小平駅より徒歩約20分(2km)新青梅街道 滝山南交差点角
※駐車場無料
文化庁「食文化ミュージアム」に認定されています
ガスミュージアムは、文化庁による日本の多様な食文化の継承・振興のための取り組み「食文化ミュージアム」の『食の体験・情報発信施設』として認定されています。
食文化ミュージアムのホームページでは、『ガスかまどからダイニングキッチンへ日本人の食と調理の変遷、進化がわかる日本人の食生活と炎のエネルギー』というキャッチコピーで紹介されています。
日本人の食生活に不可欠な炊飯を進化させた、国産ガス機器の先駈けである『ガスかまど』が目印となっています。
■日本人の食生活と炎のエネルギー
明治時代、新しい調理の熱源として利用が始まったガスの炎。
ガスミュージアムには、現在に至るまで私たちの食生活と共にどのように進化してきたのかを示す、様々な時代のガス器具の実物や写真、版画などの印刷物史料を展示しています。
日本人の食生活に不可欠な炊飯を進化させた国産ガス機器の先駈けである「ガスかまど」をはじめ、昭和モダンを醸し出す昭和初期の逸品「四面式ガストースター」や「ガスコーヒーメーカー」、「ガス卵ゆで器」などの調理器具の実物を展示しています。
◇食文化ミュージアム
https://foodculture2021.go.jp/foodculturemuseum/
◇食文化ミュージアム 食の体験・情報発信施設
https://www.foodculture2021.go.jp/foodculturemuseum/hasshin_shisetsu/
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