
「小唄で巡る日本酒の四季」邦楽ユニット〈明暮れ小唄〉による小唄生演奏
ユネスコ無形文化遺産に登録された「伝統的酒造り」に関わる日本酒業界最大の団体である日本酒造組合中央会(以下、中央会)では、國酒の魅力に直接触れて知ることができる「日本の酒情報館(以下、情報館)」を企画・運営。日本酒にまつわる文化や魅力をより多くの方に知っていただこうと、随時、情報発信をしています。
■日本の伝統文化を「音」と「味覚」で学ぶ人気シリーズ
情報館では日本酒を歴史・文化とともに楽しんでいただくご提案をしています。その一環として、本年は江戸・明治の時代から宴席で粋人に愉しまれてきた「小唄」をテーマに季節のうつろいとともに日本酒を楽しんでいただくイベントを行いました。今回のテーマは「小唄で巡る日本酒の四季」。小唄には四季折々の風情や人生の機微が巧みに織り込まれています。米作りにはじまる日本酒の四季と、それぞれの季節に寄り添う日本人の暮らしを、邦楽ユニット〈明暮れ小唄〉による20曲の小唄生演奏と、情報館館長の今田周三による解説とともにたどりました。会場となった日本酒造組合中央会3階会議室は定員30名が満席となり、日本酒と小唄が織りなす雅な時間が流れました。


■春から冬へ、小唄で巡る日本酒の四季
小唄にはお酒が読み込まれたものも多く、お座敷でお酒と一緒に楽しむ文化として愛されてきたことなども紹介。日本酒が「米作り」に始まることから、春の苗作り、代掻き、田植え、草取り、そして秋の収穫まで、半年にわたる稲作にまつわる唄や、気候や自然への祈り、豊作を祝う祭りなど、“日本人の心”を映す唄が解説と共に披露されました。また、冬の酒造りの厳しさや、唄を口ずさみながら息を合わせて働く杜氏たちの姿、春の新酒を祝い、花の下で盃を交わす情景、 “音”と“酒”と“物語”が重なり、日本酒文化の豊かさを五感で感じるひとときとなりました。
日本酒と酒肴のペアリングで味覚も楽しむ
イベントでは、季節の6種類の日本酒とともに、豆腐や大根、クラッカーに2種類の味噌(江戸甘味噌と江戸味噌)をあわせた江戸の味覚を感じるシンプルで粋な酒肴も用意され、参加者は小唄を聴きながら盃を傾けました。 自然の恵みを感じる味わいに、参加者からは「音楽と日本酒の香りが一体になったよう」「季節を旅するような時間だった」との声も寄せられました。
提供された日本酒と酒肴

イベント後半の歓談で提供された6種の日本酒(ひやおろし)
■先人たちの知恵が反映された極上のマリア―ジュ?!
〈明暮れ小唄〉 のお二人から小唄を演奏する際の三味線について「三味線は一般的には撥(ばち)を用い演奏しますが、小唄は弦を指で弾く爪弾き(つまびき)で演奏されます」と紹介がありました。参加者からも「柔らかい音色が日本酒やおつまみ(の味わい)と共鳴するようにも感じます。」というコメントもありました。音と味覚には密接な関係があり、「ソニック・シーズニング(音の調味料)」というように食事中に聞こえる音楽などの音によって味覚が変化するという現象も論文として報告されています。日本酒や酒肴が持つ共通の柔らかさや深みのある味わいと爪弾きで弾く三味線の音色が、お互いに引き立て合う役割を担っていることを昔の人々も感覚的に理解していたのかもしれません。
今回のイベントを企画した情報館館長の今田周三は「歴史に培われた日本の食文化の本質を、大人の嗜みとして次の世代にもつなげてゆきたい」とコメント。参加者は「小唄の粋と日本酒の組み合わせというとても贅沢なひとときを過ごすことができました」と笑みを浮かべておられました。
情報館では、引き続き日本の伝統文化と日本酒にまつわるイベントを継続して開催する予定です。

日本の酒情報館館長の今田周三
『小唄で巡る日本酒の四季』概要
【開催日時】2025年9月20日(土) 16:00~17:30
【会場】日本酒造組合中央会3F会議室 東京都港区西新橋1-6-15 日本酒造虎ノ門ビル3F
【出演】小唄師匠 小唄幸三希・千紫己恵佳
【日本酒解説】日本の酒情報館館長 今田周三
【主催】日本の酒情報館
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