
山梨県(知事:長崎幸太郎)では、アーティストのキャリア形成を促進すると共に、本県での創作活動
の契機とするため、『やまなしメディア芸術アワード』を開催しています。
2月28日から3月22日まで、山梨県内2エリアにおいてファイナリスト展として入選作品展を開催しており、このたび、厳正なる審査の結果、7作品の中から受賞作品を決定し、3月5日(木)に公式ウェブサイト(https://y-artaward.jp)にて発表いたしましたので、お知らせいたします。
表彰式は3月20日(金・祝)に山梨県立美術館にて行います。
【受賞作品】

【審査委員長及び審査委員】

【表彰式】
日時:令和8年3月20日(金・祝)
14時30分~
場所:山梨県立美術館 講堂
(甲府市貢川一丁目4-27)
次第(予定): 受賞者表彰 他
出席者(予定):受賞者、審査委員 他
やまなしメディア芸術アワード 公式ウェブサイト
https://y-artaward.jp

【受賞作品】Y-GOLD(最優秀賞)

(C)大塚敬太
落書
折笠 良 Ryo Orikasa
会場:GASBON METABOLISM
2025年 アニメーション 12分33秒
"陽光の最初の一閃が射し込み、浅い眠りの襞を静かに揺らすと、そこに一つの落書が出現する。"
高柳誠原作の「落書」を本人が朗読、折笠良がアニメーションを手がけた。
現代の日本文学とアニメーションのコラボレーション企画「文学ビデオ」の第二弾。
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原作:高柳誠「落書」1999年
声:高柳誠
音響監督:滝野ますみ
製作:早稲田大学+UCLA連携 柳井イニシアティブ
受賞者コメント
この度は《落書》の展示の機会をいただきありがとうございました。
この作品は、柳井イニシアティブによる、現代の日本文学とアニメーションのコラボレーション企画「文学ビデオ」の第二弾です。
どちらかというと古典的なストップモーション技法による、手作りのアニメーション作品が、本アワードで賞をいただけたことに驚いています。メディアや技術をめぐる環境が変化するなかで、以前からある形式がまだ見ぬ輪郭をあらわすということがあるのかもしれません。私自身も制作中、原作である高柳誠さんの詩から、ことばの新たな魅力と恐ろしさを感じていましたし、それは今でも続いています。これからアニメーションを始めることができる喜びがあります。高柳さんの声、滝野ますみさんの音とともに、ぜひ会場でご覧いただけたらと思います。
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プロフィール
1986年生まれ。茨城大学教育学部、イメージフォーラム映像研究所、東京藝術大学大学院映像研究科で学ぶ。主な作品に《Scripta volant 》(2011)、《水準原点》(2015)、《われわれの部屋》(2016)、《ことの次第》(2017)、《みじめな奇蹟》(2023)などがある。2025年、柳井イニシアティブの企画「文学ビデオ」第2弾として高柳誠の同名の詩を原作とする《落書》(2025)が完成。
【受賞作品】 Y-SILVER(優秀賞)

(C)大塚敬太
化石豆腐
大山 龍 Ryu Oyama
会場:GASBON METABOLISM
2026年サウンド、実験キッチンラボインスタレーション化石、サウンドジェネレーター、大豆、土、山椒、実験装置、映像(モニター18.5 inch 約5min)
人の体は食物から、そして食物は土地から作られる。体と土は切っても切り離せない関係にある。この「土」に触れることで、もしくは食べることで自らの身体と世界のつながりを実感できるはず。《化石豆腐》はこのプロジェクトの一環である。豆腐作りの工程、特に凝固剤(日本では「にがり」)に着目し、集めた「化石」や「岩石」からにがりを作り、豆腐を作る。山梨県身延町の曙礫岩層は、富士川層群に位置し砂岩中に化石を見ることができる。山には在来種あけぼの大豆が栽培されている。本作では、これらの化石と大豆を使って化石豆腐を作り、ワークショップでは豆腐作りの中で実験音楽を体験していただく。
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サウンド装置:Andreas Siagian
協力:あけぼの大豆拠点施設
受賞者コメント
以前から山梨をはじめとしたいわゆるフォッサマグナを調査対象にしていました。今回短い期間ではありましたが、山梨に滞在することができ、またアウトプットを出せたことは本当に感謝しかありません。新鮮かつ挑戦的なメディア芸術アワードに参加入選でき、プレッシャーもありましたが楽しんで調査制作ができました。さらにこのような賞を頂けたことは大変光栄に感じております。
今回のアウトプットはあくまでも過程で、引き続き山梨にも多く足を運ぶことになると思います。今回サポートしてくださった方々、お会いできた方々とも関係を大事にしていきたいです。今は沖縄を拠点として四方を海に囲まれて生活しています、地形、歴史、文化、宗教と暮らしながら知り得ることが多くあります。逆に山梨は山々に囲まれています。そこに根付く深い場所までさらに探究していけたらと考えています。今後も土地について考え、今回制作の化石豆腐のように食とも結びつけ、メディア芸術に帰依する表現を模索していきたいと考えております。
最後に再度このような機会を与えていただきこころよりお礼を申し上げたいです。
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プロフィール
現地調査と科学分野で培った知見を基盤にし、食、土地、人間と自然の関係、考古学、人類学などをテーマに研究と芸術実践を行う。沖縄へ拠点を移し、アジアを中心に活動。研究者等と協働し、分野を横断する学際的な表現を模索する。今回応募するにあたって山梨県内のフィールドワークと食、音のパフォーマンスを考えている。化石や鉱物、植物の調査採取、自作マシンにより化石からにがりを制作し、言葉通り化石豆腐を作る。 https://ryuoyama.com/
【受賞作品】 Y-SILVER(優秀賞)

(C)大塚敬太
エルゴノミクス胚・プロトセル
花形 槙 Shin Hanagata
会場:GASBON METABOLISM
2025年 パフォーマンス
パフォーマンス(YMAA version)45分、映像(秋の隕石 version)
人体、椅子、カメラ、コンピュータ、画像生成AI、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクター
技術を〈使う〉のではなく、技術に〈なる〉。この現実世界(=マン-マシンシステム)のはざまで揺らぐ境界的存在について。
本パフォーマンスでは、構造とイメージの双方から「椅子になる」ことを試みる。他者に座られ軋む骨格と、画像生成AIによってリアルタイムに変換される身体像は、既存のシステムに組み込まれる人間と人工物との関係を〈捻転〉させ、その境界を揺らぐ未規定の存在〈エルゴノミクス胚〉へと接近する。
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YMAA version
椅子-人間:花形槙、吉田萌
カメラ-マン:高羽快
映像オペレーション:五十嵐千紘
照明・アシスタント:吉川歩
制作支援・初演:舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」(東京芸術劇場)
受賞者コメント
やまなしメディア芸術アワード、Y-SILVERをいただき大変嬉しく思います。
本作が舞台芸術だけでなくメディアアートや現代美術の文脈でどう受け取られるのか、審査員の方々との対話は大きな糧になりました。今回ゴールドにならなかったことも含めて、今後世界やより大きな舞台でやっていく上で何が必要か、その必須のポイントが見えた気がします。
GASBONという場所で3日間泊まり込み、限られたリソースの中でパフォーマンスをやりきれたことも、スタッフの皆様のサポートのおかげで、大変濃密な経験となりました。
この学びを糧に、今年、本作を大幅にアップデートした《エルゴノミクス胚》を発表します。ぜひここからの進化を目撃しに来てください。
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Photo by Takuto Ohta
プロフィール
パフォーマンス、メディアアート、現代美術などの領域で活動。
テクノロジカルに加速する資本主義社会において「私」であること、「人間」であることが揺らぐリアリティのもと、通信システム、ウェアラブルデバイス、義肢装具といった身体と世界とを関係づけるテクノロジーに着目し、現代における〈人間性の捻転〉を試みる。
https://www.shinhanagata.com/
【受賞作品】 Y-CRYSTAL(山梨県賞)

(C)大塚敬太
田舎星
Oh Hey Do
会場:GASBON METABOLISM
2024年 アニメーション、インスタレーション 14分29秒
ミクストメディア(映像、木材、陶器、プラスチック等)
初短編アニメーション作品『田舎星』の上映と、Oh Hey Doの3人が共有していた制作世界を再現しました。私たちは3人全員が監督として制作のすべてに関わっています。そのため、一つの判断にも日々の雑談を含む多くの対話を交わしています。この非効率ながらもそれぞれの視点やこだわりが混ざり合うプロセスは作品コンセプトと深く結びついています。議論の過程や、日々のフィールドワークで収集され実際に『田舎星』に登場するオブジェクトの、物としての面白さを直に鑑賞してもらえると嬉しいです。
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音楽・録音・サウンドデザイン:島尚比呂
たぬきの置物制作:𡧃野湧
スペシャルサンクス:さちこさん
受賞者コメント
この度は、このような展示の機会と素晴らしい賞をいただき心から嬉しく思います。
この作品は“無駄とされるもの”が多様な社会のあり方や、人間の複雑性を根本から支える力があるという思いのもと制作しました。
不安定な社会情勢が続くなか、無駄とみなされかねないアートの意義を社会に提示する場を設け、それをアワードとして継続されている山梨県の懐の深さに、大きな敬意を抱いております。
また、このアワードにはジャンルを横断した交流があり、私たちアーティスト側にも多くの学びがありました。このような機会をいただけたことに心より感謝申し上げます。
『田舎星』の映像ならびに、作中に登場する立体物の物としての面白さを、会場で直に感じ取っていただけたら嬉しいです。
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プロフィール
2022年結成。東京藝術大学大学院映像研究科出身の3人組アニメーションユニット。2024年、ストップモーションとデジタル作画を使った初短編『田舎星』を制作。「無駄なもの」は社会のあり方や人間の複雑性を見直す足がかりになるという考えを掲げ、アニメーションの側から社会に働きかけるような作品を制作したいと考えている。画一化されていく社会への抵抗をアニメーション表現を通して模索している。 Instagram: @ohheydo
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