
ヴァン クリーフ&アーペルは、2013年以来、オランダのマーストリヒトで開催されるファインアート&アンティークフェア「TEFAF」(The European Fine Art Foundation)に毎回参加しています。この権威ある見本市は、国際的な美術市場における重要イベントであり、毎年、世界中から愛好家やコレクター、さらには公的・民間を問わずさまざまな機関の人々が集まります。今年は、3月14日から19日にかけて、世界屈指のギャラリーが一堂に会し、著名なアーティストによる絵画や骨董品など、多様な芸術形式の傑作を展示します。こうした芸術界の至宝とともに、メゾンはヘリテージ コレクションから約40点の歴史的な作品を出展し、20世紀の装飾芸術においてメゾンが果たした役割を明らかにします。購入も可能なこのセレクションは、ヴァン クリーフ&アーペルの高い技術力を象徴する変形可能なスタイルと宝石学の卓越した専門性を際立たせています。
ヘリテージ コレクション
ヘリテージ コレクションは、1920年代から1990年代にかけてメゾンがデザインし、制作した歴史的な作品を集め、ご購入いただけるコレクションとして2007年に誕生しました。現在、ジュエリー、ハイジュエリー、貴重なオブジェなど、約150点の作品が揃う本セレクションは、世界各地のエキシビションでの展示を目的としてメゾンが所有する作品で構成されるパトリモニー コレクションとは明確に区別されています。
個々の作品は、ヘリテージ コレクションに加えられる前に、ヴァン クリーフ&アーペルの専門家により入念な検査がなされます。アトリエでは職人がその状態と素材を分析し、洗浄した後、メゾンのサヴォアフェールと高い水準に則って必要な修理を施します。一方、各作品の身元を正しく特定し保証するのが、ヘリテージ部門のバイヤーです。彼らはパトリモニー部門の協力を得て、顧客ファイルや会計帳簿、スケッチのコレクションなどヴァン クリーフ&アーペルのアーカイブを仔細にわたって調査し、作品の真正性を確認したうえで、関連する証明書を発行します。この認定を必須条件として、各作品がヘリテージ コレクションに加えられ、販売可能となるのです。
セレクトピース

イエローゴールド、ターコイズ、ルビー ヘリテージ コレクション
ボックス、1944年1906年の創業以来、ヴァン クリーフ&アーペルは、日常生活を彩る貴重なオブジェの創作においても名声を博してきました。1920年代には、さまざまな小物を収納するためのヴァニティケースを通じて、機能性にスポットライトを当てました。このボックスは、その伝統を継承しつつ、1940年代の美意識を映し出しています。
プラチナは、長年ジュエリーの材料として重用されてきましたが、戦時下に供出の対象となったため、イエローゴールドが再びジュエリー素材の主役に返り咲きます。本作にもその傾向が見てとれ、イエローゴールドに、18世紀に流行したピルケースや嗅ぎタバコ入れのスタイルにならった繊細なエングレービングが施されています。その結果、同心円状の自然主義的なモチーフが浮かび上がり、中央のルビーを2列のターコイズが囲むという宝石の配置によって生み出された立体感を際立たせています。貴石とオーナメンタルストーンを併用したデザインには、色の組み合わせに対するヴァン クリーフ&アーペルの強いこだわりが表れています。また、光の輪が広がるようなパターンがゴールド細工と共鳴することで、独特の奥行きが生まれ、作品をより魅力的に演出しています。

プラチナ、ダイヤモンド ヘリテージ コレクション
ブレスレット、1947年このプラチナとダイヤモンドのブレスレットには、ルドの美的コードが反映されています。1934年に誕生したルドは、高貴なベルトを彷彿させるデザインを特徴とし、アール・デコの幾何学様式とメゾンが大切にしているクチュールの世界との融合を体現しています。1947年に制作されたこの作品には、極めてしなやかで特徴的なブリケット メッシュが採用されています。ブレスレットを構成するスクエアリンクは、ヴァン クリーフ&アーペルの卓越した技術力を証明するものであり、最適な可動性と柔軟性を実現するため、一つずつ慎重に組み立てられ、調整されています。中央のモチーフもまた、クチュールの世界を象徴しています。実際、1920年代以降、メゾンは貴重な素材を用いて、ファブリックの流れるようなドレープを再現することに情熱を注いできました。この流麗なリボンは、バゲットカット、エメラルドカット、ブリリアントカットなど、多彩なカットのダイヤモンドで形作られています。多層構造に由来するボリューム感と奥行きが、ブレスレットの洗練された美しさとコントラストを成す一方で、中央のモチーフにあしらわれたスクエアカットのダイヤモンドが、リンクの形状と呼応しています。
貴重な素材を使ってテキスタイルの軽やかさを再現するにあたり、ダイヤモンドとプラチナを組み合わせたこの作品は、1940年代後半にホワイトジュエリーが再び脚光を浴びたことを物語っています。

プラチナ、オスミオール、ダイヤモンド ヘリテージ コレクション
エグレット クリップ、1955年ヴァン クリーフ&アーペルは創業当初より、自然からインスピレーションを得て、生命力に満ちた作品を生み出してきました。このクリップのデザインは、様式化された花束を思わせます。プラチナと、メゾンが1932年に特許を取得した合金であるオスミオールを用い、螺旋を形作っています。バゲットカットのダイヤモンドをセットした光線は、そよ風に優しく揺れる葉を想起させます。ブリリアントカット ダイヤモンドが、繊細な露のように放射状の光線にアクセントを添え、モチーフの規則性を際立たせています。これらのダイヤモンドはまた、オーバルカットとブリリアントカットのダイヤモンドで構成されたクリップの中央部分と共鳴しながら、さらなる輝きを添えます。1950年代のホワイトジュエリーに特徴的な手法である、茎部分のキャリブルカット ダイヤモンドと花部分のラウンドカット ダイヤモンドの組み合わせが、対照的なフォルムの相互作用を生み出し、作品に生き生きとした躍動感を授けています。

プラチナ、ホワイトゴールド、オスミオール、ダイヤモンド ヘリテージ コレクション
取り外し可能なクリップ付き形を変えるネックレス、1963年1920年代以来、ヴァン クリーフ&アーペルは、形を変えて楽しめるトランスフォーマブルな作品によって独自の地位を築いてきました。1963年に制作されたこのネックレスは、その伝統を体現するものです。ペンダントは取り外してクリップとして着用できるほか、ネックレスの下部を飾る2つのパーツも着脱可能で、身に着ける人が好みに応じて自由にアレンジできるようになっています。
この作品では、バゲットカットとブリリアントカットの石が1列ずつ2列に配されています。その直線的なデザインが、中央の広がりのあるモチーフと好対照をなしています。さまざまなカットのダイヤモンドで構成されるモチーフは、霜に覆われた花びらを思わせ、創業以来、メゾンの重要なインスピレーション源となってきた、衰微と再生を繰り返す自然界の永遠の循環への深い敬意を表現しています。

イエローゴールド、ルビー、ダイヤモンド ヘリテージ コレクション
ブレスレット、1974年1970年代から1980年代にかけて、より大きく、より色彩豊かなジュエリーが復活を遂げました。この2作品は、こうした当時の潮流を反映すると同時に、ヴァン クリーフ&アーペルがその創作において、過去のスタイルを参照する歴史主義に揺るぎない信頼を寄せていたことを明快に示しています。デザインの中心を占め、作品を大きく特徴づけているのが、ルビーとダイヤモンドを用いた装飾です。18世紀に流行した、カラーストーンを中央に配し、その周囲をダイヤモンドで囲む「デイジー」モチーフを彷彿させます。この装飾はまた、宝飾芸術、とりわけメゾンの創造性豊かな伝統において、花という着想源がいかに時代を超越したものであるかを物語っています。

イエローゴールド、プラチナ、ルビー、ダイヤモンド ヘリテージ コレクション
ネックレス、1983年 こちらのネックレスは2連のダイヤモンドで構成され、下半分にはデイジーが等間隔でちりばめられています。同じフラワーモチーフは、ブレスレットにもあしらわれています。ブレスレットの構造は、対での着用が一般的だった18世紀の品を想起させます。その一方で、この作品では、歴史主義の影響が当時の嗜好に合わせて再解釈され、ダイヤモンドとイエローゴールドの組み合わせに、ある種の現代性を見出すことができます。さらに、1974年に制作されたブレスレットと1983年のネックレスに見られるモチーフの類似は、10年を超えて続く創造的な連続性を示唆しています。このドゥミパリュールが映し出す多様な影響の豊かさは、1980年代におけるリバイバルの重要性を証明するとともに、メゾンの作品をフランス宝飾の伝統という大きな流れの中に位置づけています。
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