公益財団法人 山本能楽堂(大阪市中央区)は、文化庁が進めるインバウンド需要の推進や国内観光需要の喚起を目的とした「日本博2.0」の令和7年度委託型事業として、2026年2月22日、「天下人・
豊臣秀吉が愛した能」を開催しました。
天下人となった豊臣秀吉は、晩年、能をこよなく愛し、その発展に大きな役割を果たしました。秀吉は、能の稽古を始めるとすぐにその魅力に引き込まれ、「観る」だけではなく、自らが舞台に立って能を舞ったことでも知られています。秀吉にとって能は、心を楽しませる芸能であると同時に、天下人としての教養や力を人々に伝える特別な表現でした。華やかな宴の中で自ら能を舞うことで、「文化の頂点に立つ支配者」としての姿を鮮やかに印象づけました。こうした秀吉の姿勢は、能を武家の正式な芸能として広め、後の江戸時代へと受け継がれていきました。
今回のイベントでは、秀吉が実際に舞ったと記録に残る演目「高砂」と「田村」の見どころを凝縮したダイジェスト版の上演をはじめ、大阪歴史博物館館長の大澤研一氏による「秀吉と能」についての解説、さらには能面・能装束の着付けや能に使用される楽器の体験を行いました。能の上演では日英の字幕を表示するなど、すべてのプログラムで外国の方もお楽しみいただけるよう2か国語対応で行いました。
また、来場の皆さまが秀吉になった気分でお楽しみいただけるよう、能楽堂に秀吉をテーマとした特別な設えを施しました。秀吉が晩年に京都醍醐寺で開催した「醍醐の花見」のように、当日は会場全体に満開の桜を設え、一足早いお花見の風情の中、能を鑑賞いただきました。上演された能「田村」は、春、桜満開の清水寺を舞台とした坂上田村麻呂の霊を描いた勇壮な能で、桜の設えの中、幽玄な能の世界を楽しんでいただきました。

秀吉も愛した幻想的な能の世界を堪能

「高砂」より

満開の桜で春爛漫の設え
また、能楽堂の2階部分に、秀吉が天皇を聚楽第に招いて能を鑑賞している「観能図」(神戸市立博物館所蔵)をもとにしたタペストリーや、秀吉の家紋を付した提灯を飾り、雰囲気を盛り上げました。
さらに、観能後に2階の茶室で秀吉ゆかりのお菓子と抹茶も提供。能とともに秀吉が愛好した茶の湯の世界も体験いただきました。
山本能楽堂では、能を「現代に生きる魅力的な芸能」として、その素晴らしさを広く未来に継承していくため、定期的な能の上演に加え、能に触れたことのない多くの方に能の魅力を知ってもらうための様々な活動の自主企画/開催を行なっています。

華やかな能装束の着付体験

小鼓を打つにはコツが必要

能面をかけた狭い視野で舞台を歩く(すり足)体験も

英語字幕など、2ヶ国語で能を堪能

「観能図」のタペストリーと家紋を付した提灯の演出も

大阪歴史博物館 大澤館長による秀吉と能にまつわる解説

能楽堂内の茶室で点てた抹茶と秀吉ゆかりの菓子を提供


「高砂」
夫婦の和合と国の平和を描いた、おめでたい内容の能。住吉明神が姿を現し、月明かりの下、神々しく颯爽と舞い、悪魔を払いのけ君民の長寿を寿ぎ、平安な世を祝福する。長く続く平和や繁栄への祈りが込められ、世界が穏やかに保たれていく理想の姿が描かれ、祝言性高い晴れやかな能

「田村」
清水寺を舞台に、武将・坂上田村麻呂の霊を描いた勇壮な能。坂上田村麻呂の霊が、鎧兜を身につけた勇ましい姿で現れ、鬼を退治し世の乱れをおさめた昔の活躍を語り、力強い舞を舞い、仏教の加護によって都や国に平和が訪れたことを喜び、静かに姿を消していく。武の力と仏の教えが一つになり、世の平和を願う、明るく清々しい能
開催概要
主催:公益財団法人 山本能楽堂/ 独立行政法人 日本芸術文化振興会/ 文化庁
委託:令和7年度日本博2.0事業(委託型)
「日本博2.0」とは
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の機運醸成やインバウンド需要の回復、国内観光需要の一層の喚起を目指しつつ、日本の美と心を体現する文化芸術の振興及びその多様かつ普遍的な魅力を発信することを目的としたプロジェクト。「天下人・豊臣秀吉が愛した能」は、「日本博 2.0」の令和7年度事業(委託型)として開催しました。
公益財団法人 山本能楽堂について

昭和2年(1927)、観世流能楽師の山本博之により創設。戦災に遭い一度焼失した後、昭和25年(1950) に再建され、約100年の歴史を持つ大阪で一番古い能楽堂。施設は、3階建ての木造建築で、市街地にありながら伝統的な能舞台を持つ能楽堂として平成18年(2006)、文化審議会により「国登録有形文化財」に登録されました。
ユネスコ無形文化遺産にも認定される能楽を「現代に生きる魅力的な芸能」として多くの皆様に楽しんでいただくため、伝統的な能の上演はもとより、現代的な視点を取り入れたオリジナル演目のプロデュースや、誰でも楽しめる能楽体験や舞台裏見学、海外講演なども多数開催しています。2025年に開催された大阪・関西万博では、「水を大切にする気持ちを」をテーマに創作したオリジナル能「水の輪」の上演をはじめ、「いのちの遊び場くらげ館」プロデューサー中島さち子氏が率いる「KURAGE Band」との共同企画など、複数のイベントを展開しました。
山本能楽堂では、年3回の定期能「たにまち能」をはじめ、初心者も楽しめる能公演「とくい能」、「初心者のための上方伝統芸能ナイト」など、多数の公演・イベントを開催しています。 公演・イベントの予定と詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。
https://noh-theater.com/schedule.php
また、能公演のほか、能楽体験講座や能楽堂見学コース、能楽鑑賞(ハイライト版)コースなど、様々なご要望にあわせた体験プランを提供。さらに、国登録有形文化財の山本能楽堂を「特別な空間」として、コンサートや展示会、プライベートなイベントや会議などにも利用いただけます。能楽体験プランやプライベートプランについては、ご要望に応じた提案もいたします。
https://noh-theater.com/taiken.html
本件お問合せ先:公益財団法人山本能楽堂 事務局(担当:山本、山中)
TEL:06-6943-9454 E-mail: [email protected]
公式ウェブサイト:https://noh-theater.com
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