ハイキョからミライを展望する。

2026年9月19日(土)・20日(日)、群馬県みなかみ町の水上温泉街を舞台に「みなかみみらいマルシェ2026」を開催しました。【主催:みなかみみらいマルシェ実行委員会/共催:みなかみ町、株式会社群馬銀行、株式会社オープンハウスグループ、東京大学大学院都市デザイン研究室】
2日間の来場者数は約3,300人。そのうち約2,200人が町外からの来場者となり、来場者アンケートでは「今回が初めての参加」と回答した人が48.7%、新たな来訪者を水上温泉街へ呼び込む機会となりました。※いずれも実行委員会によるアンケート調べ
本イベントは、水上駅から水上温泉街を経て、道の駅みなかみ水紀行館までを結ぶ約1.5kmのエリアに、11の会場を点在させ、70の店舗・事業者、作家・クリエイターが、それぞれの場所でそれぞれの企画を展開する回遊型のマルシェです。一つの会場に人を集めるのではなく、まちそのものを会場にする。訪れた人が一つの場所で目的を終えるのではなく、「もう少し先まで歩いてみよう」と思える仕掛けをまちの各所につくることで、水上温泉街を歩きながら、その場所にしかない風景や人、店、建物との出会いを楽しんでもらうことを目指しました。




着目したのは「まちの余白」
普段は使われていない建物や空き地、店先の軒下、建物と建物のあいだの路地──。温泉街には、機能が定まらないまま残されてきた場所が数多くあります。それらを「まだ何も決まっていない場所」として捉え直し、遊び、使いこなしてみること。それが、温泉街のこれからを考えるうえでの手がかりになると考えました。余白と余白の点が、線となり、やがて面となって、新しい人の流れを生み出していく。今回のマルシェでは、そんな水上温泉街の新たなミライの光景を垣間見ることができました。
会場の設えやデザインのトーンも、この「余白」を出発点としています。水上駅付近のかつての書店を再生したブックカフェ「Walk On Water」の軒先。減築・再生工事が進む「旧一葉亭」の正面玄関。閉館した温泉旅館「一葉亭」の元従業員寮で文化的活動拠点への再生が進む「旧ひがき寮」。道の駅みなかみ水紀行館付近のかつてのアパートを再生した複合施設「MIDORI SOW」など、昔の面影を残しながら生まれ変わった建物から、これから再生していく建物まで。そこには、それぞれ異なる時間と物語を持った、多様な「まちの余白」がありました。今回、私たちが目指したのは、そうした余白をすべて埋めてしまうことではなく、まちの余白を残しながら活かしつつ、そこに人が訪れ、立ち止まり、何かを始動できるヒントを見つけられること。今あるものに少しだけ手を加え、使い方を変え、そこに人が集まる理由をつくる。そうすることで、これまで「何もない」と思われていた場所が、「何かが起こる場所」へと変わっていく。余白は、まちの欠落ではなく、未来のために残された可能性として捉える、その手応えを得ることができました。


今回からはじまった新たな取組み
「スローモビリティ」と一方通行化

温泉街周辺の風景をゆったりとした速度で楽しみながら、移動そのものを楽しんでいただくことを目的に、イベント開催日に合わせて電気バスを特別運行しました。そして、同時に取り組んだのが温泉街通り中心部の「一方通行化」。普通車がすれ違うのにも苦労するほど道幅の限られた温泉街の道路を、誰もがより安全・安心に歩くことのできるウォーカブルな温泉街を目指した社会実験です。「歩く」ことを中心に据えながら、必要な場所ではゆっくりと移動できる手段を組み合わせることで、温泉街を訪れる人の行動範囲を広げ、これまで歩かなかった場所へも足を延ばしてもらう。移動のための交通ではなく、まちを楽しむための交通。今回の運行を通じて、車のための道路から、人が風景やまちの営みを楽しむための道路へ。温泉街の道路空間のあり方を考えるきっかけをつくることができました。
廃墟そのものを集客装置とする「廃墟ツアー」

減築が完了し、躯体の迫力が現しとなっている大規模廃業旅館「旧一葉亭」は、この冬にも再生に向けた本工事に着手する見通しです。コンクリートの荒々しさと、眼下を流れる利根川、その河畔林の緑。その対比があまりにも印象的なこの空間は、数年後には、現在の風情を幾ばくか残したパブリックスペースとして生まれ変わる予定です。あわせて行ったのが、建物にもともと使われていたタイルや壁、床などの断片を集めるワークショップです。参加者は、建物の中に残されたさまざまな「カケラ」を拾い集めました。集めた断片は、失われてしまうものとして終わらせるのではなく、再生後の建物へ引き継ぐための素材として保管し、今後の活用方法を検討していきます。失われるものと、受け継いでいくもの。その両方を来場者のみなさんと一緒に見つめ、記憶だけでなく、建物そのものの一部を次の時間へ渡していく。今回のマルシェを象徴するワークショップとなりました。

みなかみみらいマルシェは、二日間のイベントであると同時に、水上温泉街のこれからを考えるための社会実験でもあります。まちに残る建物や路地、軒先、空き地などの「余白」に新たな使い方を見つけ、人が歩き、立ち止まり、出会う。その一つひとつの小さな動きが、まち全体の新しい風景をつくっていく。今回生まれた人の流れや出会い、そして各所で見つかった可能性を一過性のイベントで終わらせることなく、これからの水上温泉街のまちづくりへとつなげていきます。
「もっと、その先へ歩いてみよう。」
そんな気持ちが自然に生まれる温泉街を目指して。みなかみみらいマルシェは、これからもまちの余白を活かしながら残し、水上温泉街の新しい未来を、地域とともにつくっていきます。
■群馬県みなかみ町
群馬県最北のみなかみ町は、谷川岳や利根川源流に抱かれた自然豊かなまちです。「ユネスコエコパーク」や「SDGs未来都市」に選定されているほか、関東屈指のアクティビティやみなかみ18湯(温泉郷)など多彩な地域資源の宝庫です。また、自然を守り伝えるだけでなく、新しい取り組みを後押しする「チャレンジを促す土壌」のもと、地域と行政が一体となったまちづくりを推進しています。

みなかみ町公式HP https://www.town.minakami.gunma.jp/
みなかみ町公式Instagram https://www.instagram.com/minakami_origin/
PR TIMESみなかみ町ページ https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/123774
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