ミヤシタパークで重なる「光」と「糸」
ピクセルアートを駆使した新たなアートフォームの価値創出を目指す株式会社thePIXEL(代表:坂口元邦、本社:東京都渋谷区神宮前6-35-3、以下thePIXEL)は、MIYASHITA PARK(所在地:東京都渋谷区神宮前6-20-10、事業者:三井不動産株式会社)と連携し、施設全域58面のLEDビジョンを活用した文化プロジェクト「PIXEL LAYERED」の第三弾として、ピクセルアーティスト・hermippe(ヘルミッペ)の新作を、2026年10月21日(水)から11月20日(金)まで展示します。

(C)️hermippe | 円環 | 2026
■「光」と「糸」が重なる、58面のピクセルアート
本作では、ヨーヨーチーム「Yoyorecreation」に所属するプレイヤーのパフォーマンスに、ヨーヨーから着想したhermippeのピクセルアートを重ね、ひとつの映像作品として展開します。
hermippeが着目したのは、ヨーヨーのシンプルな構造とルールから、多彩で複雑な動きが生まれていくこと。それは、植物をはじめとする自然界において、単純なルールの積み重ねから複雑な造形が生まれていく様子とも重なります。
そこで本作では、ヨーヨーの軌道や身体の動きに、植物をモチーフとした図案や、自然のサイクルをイメージしたループアニメーションを重ねました。人工物でありながら、まるで自然の営みの一部として存在しているようなヨーヨーの姿を、ピクセルアートとともに描き出します。
糸を介して回転し、軌道を描き、再び手元へと戻ってくるヨーヨー。その反復する運動とピクセルの光が重なりながら、MIYASHITA PARK全域58面のLEDビジョンへと広がっていきます。
なお、本作のBGMとなるアンビエント音楽もhermippe本人が制作しています。
■ なぜ、ヨーヨーとピクセルアートなのか
hermippeにとって、ヨーヨーとピクセルアートは、ともに「手のひらから始まる表現」です。
ヨーヨーはポケットに入れてどこへでも持ち運ぶことができ、hermippeのピクセルアートもまた、日常の中で制作できるようスマートフォンを使って描かれています。
道具を持ち歩き、移動しながら遊び、描き、日常の中で見つけたものを表現へと変えていく。その身体感覚も、今回の作品の背景となっています。
■ hermippeが語る、ヨーヨーの魅力
hermippeがヨーヨーに興味を持ったきっかけは、2020年にピクセルアートを手がけたミュージシャン・DAOKOのMV制作に関わった頃、DAOKOのInstagramストーリーズで、関係者が旅先でヨーヨーをプレイしている姿を目にしたことでした。
もともと、場所を選ばず、日常や旅先へ気軽に持ち出せるものに惹かれてきたhermippe。ポケットに収まり、どこにいても取り出して遊ぶことのできるヨーヨーは、その感覚に自然とフィットするものでした。実際に手に取るようになると、シンプルな構造の中にある奥深さや、反復することで生まれる集中、身体との関係など、さまざまな魅力を見出していきます。
hermippeは、ヨーヨーの魅力を次のように語ります。
1)シンプルな構造とルールに、自由と制限を感じる
紐の先に回転体がついているだけのシンプルな構造なので、手に取ってから初級のトリックができるまでのハードルが低く、その先のトリックにも奥行きを感じます。一方で、投げ出して回転させ、再び手に戻すまでの間にトリックをするというシンプルなルールは、動きを縛る制限であり、展開の起点にもなる要素だと感じます。自由と制限を自覚できると、安定したパフォーマンスの元になります。
2)手に収まるサイズの信頼感
片手に握り込めるサイズには、持ち運べる自分のための道具という印象があり、安心感があります。駅までの道のりや、打ち合わせ前の会議室、初めての街、山の中、おつかいの途中でも取り出せます。一緒に過ごす時間の長さが、信頼感につながります。
3)音と振動と可逆性
回転する音と指に伝わる振動は、意識の薄れと集中につながり、雑念のリセットや生活の区切りになります。その中で、紐を巻きつけたヨーヨーを投げて紐を絡ませるようなトリックを行い、再び手元に戻す。変形から元に戻る可逆性を感じることに、快感を伴う没入感があります。
4)禅寺との関係
ライフワークとして、禅寺と地域コミュニティの発展のプロジェクトに関わっています。坐禅に伴う制限と集中の形に、共通点を感じます。坐禅では体勢を縛り、意識を手放して集中します。それは、一つのトリックを体が覚えた後、反復しているときの状態に近い気がします。
5)造形
特定の用途を目指した形の機能美と、他との差別化として特徴を出した指向性に、美しさとユニークな魅力を感じます。
■ 江戸から渋谷へ、受け継がれる「遊び」
ヨーヨーの歴史をたどると、日本では江戸時代の浮世絵にもその姿を見ることができます。
鈴木春信の彩色摺絵本『青楼美人合』(1770)には、「手車」と呼ばれたヨーヨーで遊ぶ女性の姿が描かれています。
江戸の遊びから、現代のストリートカルチャーへ。時代とともに姿を変えながら続いてきた「遊び」の軌跡もまた、今回の作品の背景に重なります。
■ hermippe(ヘルミッペ)について
多摩美術大学情報デザイン学科卒業。映像・Web制作・イベント企画デザインと並行して、2011年よりピクセルアート/ドット絵の制作を開始。2016年頃から展示活動を行う。
ひとつの画面に複数の大きさのドットを混在させる「ミクセル(複合解像度)」の手法で知られ、新しさと懐かしさが共存する緻密な作風を展開。リソグラフやZINE、カセットテープ、モジュラーシンセを用いた音楽制作など、ピクセルアートを起点に活動領域を広げている。
主な実績
adidas Originals Flagship Store Tokyo 個展「THE CAVE」(2018)/DAOKO「帰りたい!」MV(2020)/UNIQLO TOKYO 店内装飾(2021)/資生堂 ホリデーコレクション コラボレーション(2023)/HARE ヘップファイブ店 リニューアル コラボレーション(2025)/ヨックモック コラボレーション(2026)/Yoyorecreation ヨーヨー コラボレーションモデル(2026)/FREAK'S STORE ルミネ町田 外壁デザイン(2026)/世界的なスポーツの祭典での日本ユニフォームデザインなど(2024)
主な受賞・審査歴
SHIBUYA PIXEL ART CONTEST 2018 優秀賞・メディコム・トイ賞/同2020 優秀賞/同2022 優秀賞・eBoy賞・Beyond Pixel Art賞/SHIBUYA PIXEL ART 2021 審査員
X:@komiya_ma
Instagram:@hermippe_pixelart
公式サイト:hermippe.me




今後の展示予定
今秋、hermippeは6箇所で作品発表を精力的に行っています。高松・CENTER/SANUKIでのm7kenjiとの二人展「Doom Loophole」(9月12日~10月11日・会期終了)を皮切りに、パシフィコ横浜で開催されるPixel Art Park 9(10月11日・会期終了)への出展、渋谷での本展(10月21日~11月20日)、新宿での「LUMINE ART FAIR - My 1_st Collection Vol.5 -」(10月30日~11月1日)、八丁堀・CENTERでの「Wandering Spin」(C44 = CENTER Yo-Yo Club の第二弾・11月6~8日)、そして亀戸アートセンターでの個展(11月12日~11月24日)が続きます。
八丁堀・CENTERでの展示は、hermippeのライフワークであるヨーヨーに触れ、没頭する時間の過ごし方に共感して発足した「C44(CENTER Yo-Yo Club)」の活動の一環として、生活にヨーヨーを取り入れる提案のための企画です。
2026年3月にはヨーヨーをテーマにした作品展「Dormant Spin」を開催。第二弾の企画である今回の「Wandering Spin」では、実際にヨーヨーに触れることをテーマに、ヨーヨーのプロフェッショナルチームと共同でワークショップや、オリジナルアパレルの販売を行います。
■ 展示概要
展示名: PIXEL LAYERED 第三弾 hermippe
場所: MIYASHITA PARK 全域58面のLEDビジョン
住所: 東京都渋谷区神宮前6-20-10
会期: 2026年10月21日(水)~11月20日(金)
放映時間: 施設営業時間内、1時間に5回(1回約1分)上映予定
演出: 58面のLEDビジョンによるシンクロ放映
■ 「PIXEL LAYERED」について
「PIXEL LAYERED」は、thePIXELとMIYASHITA PARKが共同で展開する文化プロジェクトです。
ピクセル=質量を持たない「光の粒」を、都市という空間へと解き放ち、人々やカルチャー、建築、街の風景と幾重にも重ね合わせることで、ピクセルアートの新たな可能性を探ります。
2026年6月には第一弾として重田佑介「連続と非連続の汀で|Continuous and Discontinuous of Migiwa」、8月には第二弾としてBAN8KU「SYMBIOSIS」を展示。
thePIXELは、母体であるSHIBUYA PIXEL ARTを通じ、2021年にadidas Brand Center / MIYASHITA PARKでeBoyとのコラボレーション企画を開催。2025年にはsequence MIYASHITA PARKでeBoy個展「e-People展」を開催するなど、MIYASHITA PARKを舞台に継続的な取り組みを行ってきました。
「PIXEL LAYERED」は、その関係を施設全域へと拡張し、ピクセルアートを都市の日常へと重ねていく新たな試みです。
■ 三井不動産株式会社・RAYARD MIYASHITA PARK担当 伊藤茜 コメント
RAYARD MIYASHITA PARKは、渋谷ならではの多様なカルチャーが交差し、新たな発見や体験が生まれる場所でありたいと考えています。「PIXEL LAYERED」では、施設全域のLEDビジョンを活用し、日常の風景の中で気軽にアートに触れられる機会を創出してきました。
第三弾となる今回は、ヨーヨーの動きとピクセルアートが融合した、hermippeさんならではの作品です。58面のLEDビジョンに広がる光と動きが、施設や街の風景と重なり合う、この場所ならではのアート体験をお楽しみいただければ幸いです。
今後も、多様なアーティストやクリエイターの皆さまとともに、渋谷の新たな魅力や文化の発信につながる取り組みを続けてまいります。
■ 株式会社thePIXEL 代表 坂口元邦 コメント
hermippeとの出会いは、2017年に試験的に開催した「SHIBUYA PIXEL ART 2017」まで遡ります。
彼を長く見てきて感じるのは、創作と暮らしの距離がとても近いということです。スマートフォンで描くピクセルアートも、ポケットに入れて持ち歩くヨーヨーも、彼の興味や創作はいつも「手のひら」の中にあります。
そこには無理がなく「まるで息をするように」遊び、発見し、創作を続ける姿があります。彼にとって、表現することは暮らしと切り離された「特別な行為」ではなく、その暮らしそのものなのだと思います。
そうした自然な営みの積み重ねこそが、hermippeの作品がまとう温かな空気感を生み出し、唯一無二の表現の源泉になっているのかもしれません。
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